× およそ雷で一番恐ろしいのは、山の上で逢つたことだ。私は日光の山奥でさういふ経験を甞めたことがあつた。雨は車軸を覆すばかりに降る。風は凄じく下から巻きあげる。それに、電光が交叉して、そこでも此処でも雷が轟く。何とも言はれない恐ろしさだつた …
| 著者 | 田山録弥 |
| 著者 | 田山花袋 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
| 初出 | 「電気と文芸 第二巻第六号」電気文芸社、1921（大正10）年6月1日 |
| 文字種別 | 新字旧仮名 |
| 読書目安時間 | 約6分（500文字/分） |
| 朗読目安時間 | 約10分（300文字/分） |