露出あらは)” の例文
丑松はこの細君の気の短い、忍耐力こらへじやうの無い、愚痴なところも感じ易いところもすべ外部そと露出あらはれて居るやうな——まあ、四十女にくある性質をて取つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
田宮の浜へ出ると、干潮で浜が皆露出あらはれて居た。
立木の儘枯れた大きな幹が行先の谷々に灰白く露出あらはれて居た。馬丁べつたうに聞くと、杉の爲に壓倒された樅の枯木だといふ。この可畏おそろしげな樹木の墓地の中を、一人、吾儕の方へ歩いて來る者があつた。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)