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坐
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すは
ふりがな文庫
“
坐
(
すは
)” の例文
一人
(
ひとり
)
で
坐
(
すは
)
つて居ると、
何処
(
どこ
)
となく
肌寒
(
はださむ
)
の感じがする。不図気が付いたら、机の前の窓がまだ
閉
(
た
)
てずにあつた。障子を
明
(
あ
)
けると月夜だ。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
花畑
(
はなばたけ
)
へでも
抱
(
だ
)
いて
出
(
で
)
ると、
綺麗
(
きれい
)
な
蝶々
(
てふ/\
)
は、
帯
(
おび
)
に
来
(
き
)
て、
留
(
とま
)
つたんです、
最
(
も
)
う
一
(
ひと
)
つ
不思議
(
ふしぎ
)
なのは、
立像
(
りつざう
)
に
刻
(
きざ
)
んだのが、
膝
(
ひざ
)
柔
(
やはら
)
かにすつと
坐
(
すは
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
頭の中に籠ツてゐた夜の
温籠
(
ぬくもり
)
を、すツかり
清水
(
せいすい
)
で
冷
(
さ
)
まして了ツた、さて
長火鉢
(
ながひばち
)
の前に
坐
(
すは
)
ると、恰で生まれ變ツたやうな心地だ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
千代
(
ちい
)
ちやん
今日
(
けふ
)
は
少
(
すこ
)
し
快
(
よ
)
い
方
(
はう
)
かへと二
枚折
(
まいをり
)
の
屏風
(
べうぶ
)
押
(
お
)
し
明
(
あ
)
けて
枕
(
まくら
)
もとへ
坐
(
すは
)
る
良之助
(
りやうのすけ
)
に
乱
(
み
)
だせし
姿
(
すがた
)
恥
(
はづ
)
かしく
起
(
お
)
きかへらんとつく
手
(
て
)
もいたく
痩
(
や
)
せたり。
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
○さて幽霊は
影
(
かげ
)
も見えず、
源教
(
げんけう
)
は
炉
(
ろ
)
に
温
(
あたゝま
)
りて
睡眠
(
ねふけ
)
をもよほし、
居眠
(
ゐねふ
)
りしつゝ
終
(
つひ
)
に倒れんとして目をひらきしに、お菊が
幽霊
(
いうれい
)
何時
(
いつ
)
か
来
(
きた
)
りて
仏
(
ほとけ
)
に
対
(
むか
)
ひ、まうけたる
新薦
(
あらこも
)
の上に
坐
(
すは
)
り
頭
(
かしら
)
を
低
(
たれ
)
てゐたり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
足のあひだにその顏の
坐
(
すは
)
るかなしさ、
生
(
なま
)
じろさ。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
三四郎の筋向に
坐
(
すは
)
つてゐた色の白い品の
好
(
い
)
い学生が、しばらく
肉刀
(
ナイフ
)
の手を
休
(
や
)
めて、与次郎の連中を眺めてゐたが、やがて笑ひながら
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『あゝつ、』と
忌
(
いま
)
はしさに
手
(
て
)
で
払
(
はら
)
つて、
坐
(
すは
)
り
直
(
なほ
)
して
其処等
(
そこら
)
を
眴
(
みまは
)
す、と
密
(
そつ
)
と
座敷
(
ざしき
)
を
覗
(
のぞ
)
いた
女中
(
ぢよちゆう
)
が、
黙
(
だま
)
つて、スーツと
障子
(
しやうじ
)
を
閉
(
し
)
めた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ものにぶき
駱駝
(
らくだ
)
は
坐
(
すは
)
る。
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
隣りに田村といふ小説家が
坐
(
すは
)
つて居た。此男が自分のインスピレーシヨンは原稿の催促以外に何にもないと答へたので、大笑ひになつた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
大
(
おほき
)
な
像
(
ざう
)
で、
飯
(
めし
)
の
時
(
とき
)
なんぞ、
並
(
なら
)
んで
坐
(
すは
)
る、と
七才
(
なゝつ
)
の
年
(
とし
)
の
私
(
わたくし
)
の
芥子坊主
(
けしばうず
)
より、づゝと
上
(
うへ
)
に、
髪
(
かみ
)
の
垂
(
さが
)
つた
島田
(
しまだ
)
の
髷
(
まげ
)
が
見
(
み
)
えたんです。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しづかにも
坐
(
すは
)
る
水牛
(
すゐぎう
)
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
代助はかくして、
下手
(
へた
)
な個所々々を悉く塗り
更
(
か
)
へて、とう/\自分の想像し
得
(
う
)
る限りの尤も美くしい色彩に包囲されて、恍惚と
坐
(
すは
)
つてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
苦
(
くる
)
しいので
手
(
て
)
をもがいて
身躰
(
からだ
)
を
動
(
うご
)
かすと
唯
(
たゞ
)
どぶん/\と
沈
(
しづ
)
むで
行
(
ゆ
)
く、
情
(
なさけ
)
ないと
思
(
おも
)
つたら、
内
(
うち
)
に
母様
(
おつかさん
)
の
坐
(
すは
)
つて
居
(
ゐ
)
らつしやる
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えたので、また
勢
(
いきおひ
)
ついたけれど、やつぱりどぶむ/\と
沈
(
しづ
)
むから
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そんなら直木を連れて
行
(
い
)
けと
兄
(
あに
)
から注意された時、直木は
紺絣
(
こんがすり
)
を
着
(
き
)
て、
袴
(
はかま
)
を
穿
(
は
)
いて、六づかしく
坐
(
すは
)
つてゐて
不可
(
いけ
)
ないと答へた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
つゞいて、だから
先刻
(
さつき
)
云つた
金
(
かね
)
を貸して
下
(
くだ
)
さい、といふ文句が
自
(
おのづ
)
から
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
で
出来上
(
できあが
)
つた。——けれども代助はたゞ苦笑して
嫂
(
あによめ
)
の前に
坐
(
すは
)
つてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
坐
漢検準1級
部首:⼟
7画
“坐”を含む語句
跪坐
坐睡
居坐
御坐
正坐
胡坐
対坐
連坐
静坐
大湯坐
打坐
湯坐
對坐
大胡坐
端坐
趺坐
坐蒲団
安坐
兀坐
横坐
...