つわ)” の例文
「この間、或寄合あるよりあいで一緒になったら、わしは六十二だから見渡したところ一番年頭としがしらだと言って、上座につわっている。馬鹿だよ、彼奴は」
負けない男 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
長「真暗だから見えねえや、鼻アつままれるのも知れねえくれとこにぶっつわッてねえで、燈火でも点けねえ、縁起がわりいや、お燈明でも上げろ」
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と、祭壇の前にぶッつわった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何時いつも御繁昌のことは蔭ながら聞いておりやす、誠に何んとも何うもお忙がしい中をわざ/\お知らせ下すって誠に有難うござえやす……お久ア此処こゝつわってゝ
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なんにも構わずにへっついめえにぶっつわってゝ宜えと思わしゃるか、われが曲った心に識別するからういう間違った事をいうだ、コレよくかんげえて見ろよ、汝は粂どんを憎むから
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わしへ膳をふけというから、誰え来ると聞いたら婿が来ると言やアがるし、其の相手は城内の原丹治の悴が婿に来るというから、わしい魂消た、あんた蒲団の上にぶっつわっている時じゃアあんめえ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わしゃア無一国むいっこくな人間で、いやにおさむれえへ上手をつかったり、窮屈におっつわる事が出来ねえから、矢張やっぱり胡坐あぐらをかいて草臥くたびれゝば寝転び、腹がったら胡坐を掻いて、塩引のしゃけで茶漬を掻込かっこむのがうめえからね
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)