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坐
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ざ
ふりがな文庫
“
坐
(
ざ
)” の例文
さりながら嬢と中川は向う側にあり、客の三人
此方
(
こなた
)
に並んで
坐
(
ざ
)
せり。
結句
(
けっく
)
この方が嬢の顔を見られて都合好しと大原は
強
(
あなが
)
ちに
悔
(
くや
)
まず。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
余
(
よ
)
愕然
(
びつくり
)
し山水を
棄
(
すて
)
て此娘を視るに
一揖
(
おじぎ
)
して
去
(
さ
)
り、
樹
(
き
)
の
下
(
もと
)
の草に
坐
(
ざ
)
してあしをなげだし、きせるの火をうつしてむすめ三人ひとしく
吹烟
(
たばこのむ
)
。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
支那
(
しな
)
帝使を
西班牙
(
スペイン
)
帝使の
下
(
しも
)
に座せしめ、
吾
(
わが
)
児
(
こ
)
たり友たる
西帝
(
せいてい
)
の使を、賊たり無頼の徒たる支那帝の
使
(
し
)
の下に
坐
(
ざ
)
せしむる
勿
(
なか
)
れと
云
(
い
)
いしと。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
暫
(
しばら
)
くして
青
(
あを
)
い
煙
(
けむり
)
の
滿
(
み
)
ちた
家
(
いへ
)
の
内
(
うち
)
には
心
(
しん
)
も
切
(
き
)
らぬランプが
釣
(
つ
)
るされて、
板
(
いた
)
の
間
(
ま
)
には一
同
(
どう
)
ぞろつと
胡坐
(
あぐら
)
を
掻
(
か
)
いて
丸
(
まる
)
い
坐
(
ざ
)
が
形
(
かたち
)
づくられた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
地質は多分
塩瀬
(
しおぜ
)
であろう、表は上の方へ紅地に白く
八重梅
(
やえうめ
)
の
紋
(
もん
)
を抜き、下の方に
唐
(
から
)
美人が高楼に
坐
(
ざ
)
して琴を
弾
(
だん
)
じている図がある。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
其
坐
(
ざ
)
するとき
膝
(
ひざ
)
の高さ三尺ばかりあり。
偶〻
(
たまたま
)
足跡を見るに五六尺もありて、一歩に十余間を隔つと云へり(『日東本草図彙』)。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
山科
(
やましな
)
に着きて、東行の列車に乗りぬ。上等室は他に人もなく、浪子は開ける窓のそばに、父はかなたに
坐
(
ざ
)
して新聞を広げつ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
はや、
幻影
(
まぼろし
)
は
消
(
き
)
えつゝ、
園
(
その
)
は
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に、一
坐
(
ざ
)
、
藤
(
ふじ
)
つゝじを
鏤
(
ちりば
)
めた、
大巌
(
おほいは
)
の
根
(
ね
)
に、
藍
(
あい
)
の
如
(
ごと
)
き
水
(
みづ
)
に
臨
(
のぞ
)
むで、
足
(
あし
)
は、めぐらした
柵
(
さく
)
を
越
(
こ
)
えたのを
見出
(
みいだ
)
した。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その後、法に
坐
(
ざ
)
して侯を失い現在の地位に
堕
(
おと
)
されて西辺を守っている。年齢からいっても、李陵とは父子ほどに違う。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
坐
(
ざ
)
して亡ぶを
俟
(
ま
)
たんよりはと、出でて蜀の活路を求めんとせんか、それは孔明の唱える大義名分と現下の作戦以外には、絶対にほかに道はないのだった。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
((孫子))
(三二)
輜車
(
ししや
)
の
中
(
うち
)
に
居
(
を
)
り、
坐
(
ざ
)
して
計謀
(
けいぼう
)
を
爲
(
な
)
す。
田忌
(
でんき
)
、
兵
(
へい
)
を
引
(
ひ
)
いて
趙
(
てう
)
に
之
(
ゆ
)
かんと
欲
(
ほつ
)
す。
孫子
(
そんし
)
曰
(
いは
)
く
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
と言い、薫は縁側から一段高い
長押
(
なげし
)
に上半身を寄せかけるようにして
坐
(
ざ
)
しているのを見て、例の女房たちが
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
その折の自分に、好ましく思われた野辺や、一
躯
(
く
)
の
菩薩
(
ぼさつ
)
像の前に
坐
(
ざ
)
して、ただわけもなく、うつらうつらと一日を遊び過していたい——そういう気持になる。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
簾
(
す
)
の後方に
坐
(
ざ
)
しながら、侍臣のものに命じて彼らの礼服なるカッパを取り去らせ、起立して全身を見うるようにさせろとあったから、彼らは言われるままにした。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
十貫目の力量なき者も
坐
(
ざ
)
して数百万貫の物を動かすべし、千円の身代なき者も数十万の金を運用すべし。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
夫婦は
燈
(
ともしび
)
つけんともせず薄暗き中に
団扇
(
うちわ
)
もて
蚊
(
か
)
やりつつ
語
(
かた
)
れり、教師を見て、珍らしやと
坐
(
ざ
)
を
譲
(
ゆず
)
りつ。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
手
(
て
)
にとりつ
淺
(
あさ
)
からぬお
心
(
こゝろ
)
辱
(
かたじ
)
けなしとて三
郎
(
らう
)
喜
(
よろ
)
こびしと
傳
(
つ
)
たへ
給
(
たま
)
へ
外
(
ほか
)
ならぬ
人
(
ひと
)
の
取次
(
とりつぎ
)
こと
更
(
さら
)
に
嬉
(
うれ
)
しければ
此文
(
このふみ
)
は
賜
(
たま
)
はりて
歸宅
(
きたく
)
すべしとて
懷中
(
ふところ
)
に
押
(
おし
)
いれつゝ
又
(
また
)
こそと
坐
(
ざ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
かくて彼はただ
独
(
ひと
)
り苦難の曠野に
坐
(
ざ
)
して、この問題の解決を
強
(
し
)
いられたのである。実に彼は生涯の実験——殊に悲痛なる実験——を以て問題を提出せられたのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
而
(
さう
)
して
自分
(
じぶん
)
は
暖
(
あたゝか
)
い
靜
(
しづか
)
な
處
(
ところ
)
に
坐
(
ざ
)
して、
金
(
かね
)
を
溜
(
た
)
め、
書物
(
しよもつ
)
を
讀
(
よ
)
み、
種々
(
しゆ/″\
)
な
屁理窟
(
へりくつ
)
を
考
(
かんが
)
へ、
又
(
また
)
酒
(
さけ
)
を(
彼
(
かれ
)
は
院長
(
ゐんちやう
)
の
赤
(
あか
)
い
鼻
(
はな
)
を
見
(
み
)
て)
呑
(
の
)
んだりして、
樂隱居
(
らくいんきよ
)
のやうな
眞似
(
まね
)
をしてゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
当日尊者はそのコンボ河畔の大なる
巌
(
いわ
)
の上に白装束のまま
坐
(
ざ
)
せられて居ります。そこはいわゆる死刑に処する場所でありますので、尊者は静かにお経を読まれて居った。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
門野
(
かどの
)
は
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
で、
胡坐
(
あぐら
)
をかいて新聞を読んでゐたが、
髪
(
かみ
)
を
濡
(
ぬ
)
らして
湯殿
(
ゆどの
)
から
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
る代助を見るや否や、急に
坐三昧
(
ゐざんまい
)
を
直
(
なほ
)
して、新聞を畳んで
坐
(
ざ
)
蒲団の
傍
(
そば
)
へ
押
(
お
)
し
遣
(
や
)
りながら
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし、
私
(
わたくし
)
の
方
(
ほう
)
でも
近頃
(
ちかごろ
)
はいくらかこちらの
世界
(
せかい
)
の
生活
(
せいかつ
)
に
慣
(
な
)
れてまいりましたので、
格別
(
かくべつ
)
驚
(
おどろ
)
きも、
怪
(
あや
)
しみもせず、ただ
母
(
はは
)
の
紀念
(
かたみ
)
の
守刀
(
まもりがたな
)
を
身
(
み
)
につけた
丈
(
だけ
)
で、
心静
(
こころしず
)
かに
坐
(
ざ
)
を
起
(
た
)
ちました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
前日来の
艱酸
(
かんさん
)
と
辛労
(
しんろう
)
とは茫乎として
転
(
うた
)
た
夢
(
ゆめ
)
の如し、一行皆沼岸に
坐
(
ざ
)
して
徐
(
おもむ
)
ろに風光を
賞嘆
(
しやうたん
)
して
已
(
や
)
まず、
遠
(
とほ
)
く対岸を
見渡
(
みわた
)
せば無人の一小板屋
忽
(
たちま
)
ち双眼鏡裡に
映
(
えい
)
じ来る、其
距離
(
きより
)
凡そ二里
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
今日と
成
(
な
)
りては
惜
(
お
)
しき事をしましたと
談次
(
だんじ
)
、先生
遽
(
にわ
)
かに
坐
(
ざ
)
を
起
(
たち
)
て
椽
(
えん
)
の方に
出
(
いで
)
らる。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
玄機は黙って書斎に入って、暫く
坐
(
ざ
)
して沈思していた。
猜疑
(
さいぎ
)
は次第に深くなり、
忿恨
(
ふんこん
)
は次第に盛んになった。門に迎えた緑翹の顔に、常に無い
侮蔑
(
ぶべつ
)
の色が見えたようにも思われて来る。
魚玄機
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
明させ給へ
且
(
かつ
)
藥
(
くすり
)
も
飮
(
のみ
)
たく何卒湯一ツ賜れと云ども番頭は
盜賊
(
たうぞく
)
ならんと
疑
(
うたが
)
ひて戸を
締切
(
しめきり
)
一向に答もせざれば
僧
(
そう
)
は
詮方
(
せんかた
)
なく此表に
大
(
だい
)
八
車
(
ぐるま
)
のありしを幸ひ
其蔭
(
そのかげ
)
に
風呂敷
(
ふろしき
)
を敷て其上に
坐
(
ざ
)
し
頭陀袋
(
づだぶくろ
)
より
藥
(
くすり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
虞舜
(
ぐしゆん
)
の
孳孳
(
じじ
)
として善を爲し、大
禹
(
う
)
の日に孜孜せんことを思ひ、
成湯
(
せいたう
)
の
苟
(
まこと
)
に日に新にせる、文王の
遑
(
いとま
)
あき
暇
(
いとま
)
あらざる、
周
(
しう
)
公の
坐
(
ざ
)
して以て
旦
(
たん
)
を
待
(
ま
)
つ、孔子の
憤
(
いきどほ
)
りを發して食を忘るゝ如きは、皆是なり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
宮殿は人の心であり、その王座に
坐
(
ざ
)
せる王は理性であり、窓は
眼
(
め
)
であり、真珠と紅玉とで
燐
(
きらめ
)
く宮殿の
扉
(
とびら
)
は、
紅
(
あか
)
い
唇
(
くちびる
)
と
皓
(
しろ
)
い歯とを持つ口であり、「こだま」はその口から出る美しい言葉であろうか。
アッシャー家の崩壊
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
今
(
いま
)
一個
(
いつこ
)
の
人
(
ひと
)
あり、
車臺
(
しやだい
)
に
坐
(
ざ
)
して、
右手
(
ゆんで
)
に
柄子
(
とりで
)
を
握
(
にぎ
)
つて
旋廻輪
(
せんくわいりん
)
を
廻
(
まわ
)
しつゝ、
徐々
(
じよ/\
)
に
足下
(
そくか
)
の
踏臺
(
ふみだい
)
を
踏
(
ふ
)
むと
忽
(
たちま
)
ち
傍
(
かたはら
)
に
備
(
そな
)
へられたる
號鈴器
(
がうれいき
)
はリン/\と
鳴
(
な
)
り
出
(
だ
)
して、
下方
(
かほう
)
の
軸盤
(
じゆくばん
)
の
靜
(
しづ
)
かに
回轉
(
くわいてん
)
を
始
(
はじ
)
むると
共
(
とも
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
畢竟
(
ひっきょう
)
するに全く事実を知らざるに
坐
(
ざ
)
するものなり。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
かしこに母は
坐
(
ざ
)
したまふ
詩集夏花
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
余
(
よ
)
愕然
(
びつくり
)
し山水を
棄
(
すて
)
て此娘を視るに
一揖
(
おじぎ
)
して
去
(
さ
)
り、
樹
(
き
)
の
下
(
もと
)
の草に
坐
(
ざ
)
してあしをなげだし、きせるの火をうつしてむすめ三人ひとしく
吹烟
(
たばこのむ
)
。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
また朝夕に部屋の
掃除
(
そうじ
)
を
励行
(
れいこう
)
せしむること厳密を極め、
坐
(
ざ
)
するごとに一々指頭をもって
座布団
(
ざぶとん
)
畳
(
たたみ
)
等の表面を
撫
(
な
)
で試み
毫釐
(
ごうり
)
の
塵埃
(
じんあい
)
をも
厭
(
いと
)
いたりき。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
しばしにぎやかなりし家の
内
(
うち
)
また常のさびしきにかえりて、曇りがちなる障子のうち、浪子はひとり床にかけたる
亡
(
な
)
き母の写真にむかいて
坐
(
ざ
)
しぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
室
(
しつ
)
に、
玉鳳
(
ぎよくほう
)
は
鈴
(
すゞ
)
を
啣
(
ふく
)
み、
金龍
(
きんりう
)
は
香
(
かう
)
を
吐
(
は
)
けり。
窓
(
まど
)
に
挂
(
か
)
くるもの
列錢
(
れつせん
)
の
青瑣
(
せいさ
)
なり。
素
(
しろき
)
柰
(
からなし
)
、
朱
(
あかき
)
李
(
すもゝ
)
、
枝
(
えだ
)
撓
(
たわゝ
)
にして
簷
(
のき
)
に
入
(
い
)
り、
妓妾
(
ぎせふ
)
白碧
(
はくへき
)
、
花
(
はな
)
を
飾
(
かざ
)
つて
樓上
(
ろうじやう
)
に
坐
(
ざ
)
す。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
坐
(
ざ
)
を
与
(
あた
)
う。男は無言で坐り込み、
筒湯呑
(
つつゆのみ
)
に湯をついで
一杯
(
いっぱい
)
飲む。
夜食膳
(
やしょくぜん
)
と云いならわした
卑
(
いや
)
しい
式
(
かた
)
の膳が出て来る。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
枕
(
まくら
)
に近い所に
坐
(
ざ
)
して薫はものを言うのであったが、声もなくなったようで姫君の返辞を聞くことができない。
源氏物語:49 総角
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
この城の歴史よりも古くからある
国柱
(
くにのみはしら
)
の神前に
坐
(
ざ
)
して、彼は
拝跪
(
はいき
)
して体じゅうが凍るのもわすれていた。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
是より少し前
鹿島宮
(
かしまぐう
)
に
参詣
(
さんけい
)
して、老女が
蓆
(
むしろ
)
の上に
坐
(
ざ
)
してこの歌をうたうのを聴いたという記事もある。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その父は
胡人
(
こじん
)
だが、
故
(
ゆえ
)
あって衛律は漢の都で生まれ成長した。武帝に仕えていたのだが、先年
協律都尉
(
きょうりつとい
)
李延年
(
りえんねん
)
の事に
坐
(
ざ
)
するのを
懼
(
おそ
)
れて、
亡
(
に
)
げて
匈奴
(
きょうど
)
に
帰
(
き
)
したのである。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
そうして
自分
(
じぶん
)
は
暖
(
あたたか
)
い
静
(
しずか
)
な
処
(
ところ
)
に
坐
(
ざ
)
して、
金
(
かね
)
を
溜
(
た
)
め、
書物
(
しょもつ
)
を
読
(
よ
)
み、
種々
(
しゅじゅ
)
な
屁理窟
(
へりくつ
)
を
考
(
かんが
)
え、また
酒
(
さけ
)
を(
彼
(
かれ
)
は
院長
(
いんちょう
)
の
赤
(
あか
)
い
鼻
(
はな
)
を
見
(
み
)
て)
呑
(
の
)
んだりして、
楽隠居
(
らくいんきょ
)
のような
真似
(
まね
)
をしている。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
十一
月
(
ぐわつ
)
の二十八
日
(
にち
)
は
旦那
(
だんな
)
さまお
誕生日
(
たんぜうび
)
なりければ、
年毎
(
としごと
)
お
友達
(
ともだち
)
の
方々
(
かた/″\
)
招
(
まね
)
き
參
(
まい
)
らせて、
坐
(
ざ
)
の
周旋
(
しうせん
)
はそんじよ
夫
(
そ
)
れ
者
(
しや
)
の
美
(
うつ
)
くしきを
撰
(
ゑ
)
りぬき、
珍味
(
ちんみ
)
佳肴
(
かこう
)
に
打
(
うち
)
とけの
大愉快
(
おほゆくわい
)
を
盡
(
つく
)
させ
給
(
たま
)
へば
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そこでオランダの使節も同じように、将軍へ献上する進物を前に置き、将軍に対して
坐
(
ざ
)
し、
額
(
ひたい
)
を床につけ、一言を発することもなく、あたかも
蟹
(
かに
)
のようにそのまま後ろへ引きさがった。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
陽炎
(
かげろう
)
のたちのぼる野辺に
坐
(
ざ
)
して、
雲雀
(
ひばり
)
の空たかく
囀
(
さえず
)
るのをきいたこともあった。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
それは法王とそのチー・リンボチェとである。しかし法王は常に
其坐
(
そこ
)
に坐れる訳じゃない。チー・リンボチェはガンデンに住んで居れば(〔法式の時は〕)いつもその
坐
(
ざ
)
に坐られるのです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
日夜精神を学問に
委
(
ゆだ
)
ねて、その状あたかも
荊棘
(
けいきょく
)
の上に
坐
(
ざ
)
して
刺衝
(
ししょう
)
に堪ゆべからざるのはずなるに、その人の私につきてこれを見ればけっして然らず、眼に経済書を見て一家の産を営むを知らず
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
其
質朴
(
しつぼく
)
愛
(
あい
)
するに堪へたり、余炉辺に
坐
(
ざ
)
し一客に
問
(
と
)
ふて曰く、是より山奥に
至
(
いた
)
らば
栗樹
(
くり
)
ありや否、余等一行
若
(
も
)
し
探検
(
たんけん
)
の
中途
(
ちうと
)
にして
飢餓
(
きが
)
に
陥
(
おちゐ
)
ることあらん乎、栗等の
果実
(
くわじつ
)
に
拠
(
よ
)
りて
餓死
(
がし
)
を
免
(
のが
)
れんとすと
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
起
(
き
)
を
射
(
い
)
るに
坐
(
ざ
)
して、
(一一一)
宗
(
そう
)
を
夷
(
たひ
)
らげられて
死
(
し
)
せし
者
(
もの
)
七十
餘家
(
よか
)
。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
「うむ、さうだともよ」といふ
老母
(
ばあさん
)
の
聲
(
こゑ
)
がすると
皆
(
みな
)
坐
(
ざ
)
に
直
(
なほ
)
つて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
わが母の
坐
(
ざ
)
し給ふ見ゆ
詩集夏花
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
坐
漢検準1級
部首:⼟
7画
“坐”を含む語句
跪坐
坐睡
居坐
御坐
正坐
胡坐
対坐
連坐
静坐
大湯坐
打坐
湯坐
對坐
大胡坐
端坐
趺坐
坐蒲団
安坐
兀坐
横坐
...