沢山どつさり)” の例文
旧字:澤山
光村利藻氏がまだ全盛を極めてゐた頃、その須磨の別荘には、色々な骨董物が沢山どつさり置かれてあつた。
殿様がこの場合鳴門の瀬戸を思ひ出したのは賢い方法で、人間ひとの力で自由にならないものは沢山どつさりあるのだから、その中からどんな物を引合ひに出さうと自分の勝手である。
硯と殿様 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
殿様がこの場合鳴門の瀬戸を思ひ出したのは賢い方法で、人間ひとの力で自由にならないものは沢山どつさりあるのだから、その中からどんな物を引合ひに出さうと自分の勝手である。
故人ルウズヴエルトの沢山どつさりある子供の一人が——誰だつたか名前は一寸思ひ出せないが——幼い頃公園のかげで下様しもざまの身なりの汚い子供達と一緒に遊んでゐた事があつた。
「なに高い事は無いさ、幾万円払つた骨董がうちの土蔵にしまひ込んであるとなると、ほか沢山どつさりあるがらくた道具までが、そのお蔭で万更まんざらな物ぢや無からうといふので、自然が出て来ようといふものぢやないか。」
贋物 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
「なに高い事は無いさ、幾万円払つた骨董がうちの土蔵にしまひ込んであるとなると、ほか沢山どつさりあるがらくた道具までが、そのお蔭で万更まんざらな物ぢや無からうといふので、自然が出て来ようといふものぢやないか。」