“妻(めあ)” の例文
黄泉(よみ)の岩根の獣人酋長、荒玉梟帥(あらたまたける)の乞いにまかせ、おいたわしいが美麻奈姫を、妻(めあ)わせようという平和説と、それに反対する説とであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
僕ガ彼ヲ敏子ニ妻(めあ)ワセテハドウカトイウ考エガアッテ、家庭ニ出入リサセルヨウニシ、妻ニソレトナク二人ノ様子ヲ見ルヨウニト命ジタカラナノデアル。
鍵 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「いっそ貰い子が男だと、妻(めあ)わせるということも出来るんだけれど、みんな女じゃどうにもなりませんわね」
半七捕物帳:16 津の国屋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
また西アフリカのホイダー市には、近世まで大蛇を祀(まつ)り年々棍(クラブ)を持てる女巫(みこ)隊出て美女を捕え神に妻(めあ)わす。
東京のさる身分ある人の女で、里子に来て、貰(もら)われて橋本の女になった。橋本の嗣子(あととり)が亡くなったので、実弟の谷さんを順養子(じゅんようし)にして、いさちゃんを妻(めあ)わしたのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
お前に又此処で逢うのも皆(みん)な天の罰でございます、お前がいう通り血統(ちすじ)の甥を私の子にして娘を妻(めあ)わせ、何一つ不足のない身の上となったのに、思案の外(ほか)のいたずらとは云いながら
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
つぎに本官は貴下の子息レヴコー・マコゴニェンコに貴村の哥薩克娘ハンナ・ペトゥルイチェンコワなる者を即刻妻(めあ)はすべきこと、同時に、国道筋の橋梁を修復し、且つ本官の許可なくしては
さて、同等の人間とすれば、彼の希望を率直(すなお)に入れ、美麻奈姫を妻(めあ)わせたところで、決して我々の恥ではない。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
裏の大工は峰蔵という親方で、娘に弟子の長作を妻(めあ)わせて、近所に世帯を持たせてあるが、道楽者の長作は大工というのは表向きで、この頃は賽の目の勝負ばかりを争っている。
半七捕物帳:27 化け銀杏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その復仇を中止して我を免(ゆる)したればこそ我生き居るなれ、卿(けい)ら悪意を生ぜざれとして一女を長摩納に妻(めあ)わせ拘薩羅(くさら)国王に立てたとある(『出曜経』十一、『四分律』四三を参酌す)。