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妻
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つま
ふりがな文庫
“
妻
(
つま
)” の例文
ことしは
芳之助
(
よしのすけ
)
もはや
廿歳
(
はたち
)
今
(
いま
)
一兩年
(
いちりやうねん
)
經
(
へ
)
たる
上
(
うへ
)
は
公
(
おほやけ
)
に
夫
(
つま
)
とよび
妻
(
つま
)
と
呼
(
よ
)
ばるゝ
身
(
み
)
ぞと
想
(
おも
)
へば
嬉
(
うれ
)
しさに
胸
(
むね
)
をどりて
友達
(
ともだち
)
の
嬲
(
なぶり
)
ごとも
恥
(
はづ
)
かしく
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
件
(
くだん
)
の
古井戸
(
ふるゐど
)
は、
先住
(
せんぢう
)
の
家
(
いへ
)
の
妻
(
つま
)
ものに
狂
(
くる
)
ふことありて
其處
(
そこ
)
に
空
(
むな
)
しくなりぬとぞ。
朽
(
く
)
ちたる
蓋
(
ふた
)
犇々
(
ひし/\
)
として
大
(
おほ
)
いなる
石
(
いし
)
のおもしを
置
(
お
)
いたり。
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
あゝ
孤獨
(
こどく
)
と
落魄
(
らくばく
)
!
之
(
これ
)
が僕の
運命
(
うんめい
)
だ。僕見たいな
者
(
もの
)
が家庭を
組織
(
そしき
)
したら何うだらう。
妻
(
つま
)
には
嘆
(
なげ
)
きを
懸
(
か
)
け
子
(
こ
)
には悲しみを
與
(
あた
)
へるばかりだ。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
妻
(
つま
)
をおさいといひ、俳名を
翠仙
(
すゐせん
)
といふ、夫婦ともに俳諧を
能
(
よく
)
し
文雅
(
ぶんが
)
を
好
(
このめ
)
り。此
柏筵
(
はくえん
)
が日記のやうに
書残
(
かきのこ
)
したる
老
(
おい
)
の
楽
(
たのしみ
)
といふ
随筆
(
ずゐひつ
)
あり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
斯
(
こ
)
うした
時
(
とき
)
には
又
(
また
)
妙
(
みょう
)
に
不思議
(
ふしぎ
)
な
現象
(
こと
)
が
重
(
かさ
)
なるものと
見
(
み
)
えまして、
私
(
わたくし
)
の
姿
(
すがた
)
がその
夜
(
よ
)
右
(
みぎ
)
の
漁師
(
りょうし
)
の
妻
(
つま
)
の
夢枕
(
ゆめまくら
)
に
立
(
た
)
ったのだそうでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
むかし、
大和国
(
やまとのくに
)
に
貧乏
(
びんぼう
)
な
若者
(
わかもの
)
がありました。
一人
(
ひとり
)
ぼっちで、ふた
親
(
おや
)
も
妻
(
つま
)
も
子供
(
こども
)
もない上に、
使
(
つか
)
ってくれる
主人
(
しゅじん
)
もまだありませんでした。
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
が、
家
(
うち
)
の
門
(
もん
)
をはひらない
前
(
まへ
)
に、
彼
(
かれ
)
はからつぽになつた
財布
(
さいふ
)
の
中
(
なか
)
と
妻
(
つま
)
の
視線
(
しせん
)
を
思
(
おも
)
ひ
浮
(
うか
)
べながら、その
出來心
(
できごころ
)
を
少
(
すこ
)
し
後悔
(
こうくわい
)
しかけてゐた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「あちこちと歩きだしてから、もうぼつぼつ七年になります。
妻
(
つま
)
と子どもをさがしているのですが、どうしても見つからないのです。」
手なしむすめ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
金持
(
かねも
)
ちの
妻
(
つま
)
は、
私
(
わたし
)
がこれほどまでにせつない
思
(
おも
)
いをして、
神
(
かみ
)
さまに
願
(
ねが
)
っているのも、みんな
死
(
し
)
んだ
自分
(
じぶん
)
の
子供
(
こども
)
がかわいいからのことだ。
星の子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こう思って
糟谷
(
かすや
)
はまた
妻
(
つま
)
や子の
寝姿
(
ねすがた
)
を見やった。なにか
重
(
おも
)
いものでしっかりおさえていられるように
妻
(
つま
)
や子どもは
寝入
(
ねい
)
っている。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
私
(
わたし
)
は
自分
(
じぶん
)
の
不安
(
ふあん
)
と
苦痛
(
くつう
)
を
訴
(
うつた
)
へたが、
其
(
それ
)
も
効
(
かひ
)
はなく、
此
(
この
)
まゝ
秘密
(
ひみつ
)
にしてくれと
云
(
い
)
ふ
妻
(
つま
)
の
哀願
(
あいぐわん
)
を
容
(
い
)
れて、
此事
(
このこと
)
は一
時
(
じ
)
其
(
その
)
まゝに
葬
(
はふむ
)
ることにした。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
しかし
妻
(
つま
)
は
夢
(
ゆめ
)
のやうに、
盜人
(
ぬすびと
)
に
手
(
て
)
をとられながら、
藪
(
やぶ
)
の
外
(
そと
)
へ
行
(
ゆ
)
かうとすると、
忽
(
たちま
)
ち
顏色
(
がんしよく
)
を
失
(
うしな
)
つたなり、
杉
(
すぎ
)
の
根
(
ね
)
のおれを
指
(
ゆび
)
さした。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
やはり弘法大師が池の主を
済度
(
さいど
)
したという、かのせせらぎ長者の
妻
(
つま
)
虎御前
(
とらごぜん
)
の話(同上四巻三三九頁)と相似たる話を
遺
(
のこ
)
している。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
家へ六七丁の
辺
(
へん
)
まで
辿
(
たど
)
り着くと、白いものが立って居る。それは
妻
(
つま
)
であった。家をあけ、犬を連れて、迎に出て居るのであった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
二十八日には抽斎が
近習医者介
(
きんじゅいしゃすけ
)
を仰附けられた。六月十四日には母寿松が五十五歳で亡くなった。十一月十一日には
妻
(
つま
)
定が離別せられた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
神聖
(
たふと
)
い
語
(
ことば
)
で
二人
(
ふたり
)
の
手
(
て
)
を
結
(
むす
)
び
合
(
あ
)
はして
下
(
くだ
)
されば、
戀
(
こひ
)
を
亡
(
ほろぼ
)
す
死
(
し
)
の
爲
(
ため
)
に
此身
(
このみ
)
が
如何樣
(
どのやう
)
にならうとまゝ。
妻
(
つま
)
と
呼
(
よ
)
ぶことさへ
叶
(
かな
)
へば、
心殘
(
こゝろのこ
)
りはない。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
それでも、どうにかして
赫映姫
(
かぐやひめ
)
を
自分
(
じぶん
)
の
妻
(
つま
)
にしようと
覺悟
(
かくご
)
した
五人
(
ごにん
)
は、それ/″\いろいろの
工夫
(
くふう
)
をして
註文
(
ちゆうもん
)
の
品
(
しな
)
を
見
(
み
)
つけようとしました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
妻
(
つま
)
の
青
(
あを
)
ざめた
顔色
(
かほいろ
)
は
漸
(
やうや
)
く
花
(
はな
)
のためにやはらぎ出した。しかし、やがて、
秋風
(
あきかぜ
)
が立ち出した。
花
(
はな
)
々は
葉
(
は
)
を落す前に、その
花
(
はな
)
を
散
(
ち
)
らすであらう。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
老母、妻にも、こころざしは申し聞けず、様子にて、
覚
(
さと
)
り候も
不知
(
しらず
)
、いよいよ
相果
(
あいは
)
て候わば、
母
(
はは
)
妻
(
つま
)
の儀、御芳志たのみ奉り候。
日本名婦伝:小野寺十内の妻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『これが
私
(
わたくし
)
の
妻
(
つま
)
春枝
(
はるえ
)
。』と
私
(
わたくし
)
に
紹介
(
ひきあは
)
せ、
更
(
さら
)
に
夫人
(
ふじん
)
に
向
(
むか
)
つて、
私
(
わたくし
)
と
彼
(
かれ
)
とが
昔
(
むかし
)
おなじ
學
(
まな
)
びの
友
(
とも
)
であつた
事
(
こと
)
、
私
(
わたくし
)
が
今回
(
こんくわい
)
の
旅行
(
りよかう
)
の
次第
(
しだい
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其方儀
主人
(
しゆじん
)
妻
(
つま
)
何程
(
なにほど
)
申付候共又七も主人の
儀
(
ぎ
)
に
付
(
つき
)
致方
(
いたしかた
)
も
有之
(
これある
)
べき處主人又七に
疵
(
きず
)
を
付
(
つけ
)
剩
(
あまつ
)
さへ
不義
(
ふぎ
)
の申
掛
(
かけ
)
を致さんとせし段
不屆至極
(
ふとゞきしごく
)
に付
死罪
(
しざい
)
申
付
(
つく
)
る
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ここでは、
妻
(
つま
)
が死んだら、夫はそれと一しょにうずめられるのです。そしてもし、夫の方が先に死ねば、妻がそれと一しょにうずめられるのです。
アラビヤンナイト:04 四、船乗シンドバッド
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
あのような女はすてた方がよい。お前がこれから出世をして、高い地位についた場合あの女は
妻
(
つま
)
としてふさわしくない。心は美しくとも
知能
(
ちのう
)
の
程度
(
ていど
)
が低い。
おしどり
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
某は心中
深
(
ふか
)
く
立腹
(
りつぷく
)
して、
他
(
ほか
)
の事にかこつけて雲飛を
中傷
(
ちゆうしやう
)
し
遂
(
つひ
)
に
捕
(
とら
)
へて
獄
(
ごく
)
に
投
(
とう
)
じたそして人を以て
竊
(
ひそか
)
に
雲飛
(
うんぴ
)
の
妻
(
つま
)
に、
實
(
じつ
)
は石が
慾
(
ほし
)
いばかりといふ
内意
(
ないゝ
)
を
傳
(
つた
)
へさした。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
わたしは
妻
(
つま
)
や
夫
(
おっと
)
や
両親
(
りょうしん
)
や、かわいらしい天使のようなこどもたちの間にも、まさかとおもわれるようなことが、行われているのを見ました。——またわたしは
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
力尽
(
ちからつ
)
きたしし、
翼
(
つばさ
)
の自由を失ったわし、またはめすを失ったはとのように、ロボも
妻
(
つま
)
のブランカにさきだたれて力をおとし、この世に望みを絶ったのであろう。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
長谷
(
はつせ
)
の
五百槻
(
ゆつき
)
が
下
(
もと
)
に
吾
(
わ
)
が
隠
(
かく
)
せる
妻
(
つま
)
茜
(
あかね
)
さし
照
(
て
)
れる
月夜
(
つくよ
)
に
人
(
ひと
)
見
(
み
)
てむかも 〔巻十一・二三五三〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「おかえりなさいまし」お
内儀
(
かみ
)
のお
妻
(
つま
)
は、夫の手から、
印鑑
(
いんかん
)
や
書付
(
かきつけ
)
の入った小さい
折鞄
(
おりかばん
)
をうけとると、
仏壇
(
ぶつだん
)
の前へ載せ、それから
着換
(
きが
)
えの羽織を
衣桁
(
いこう
)
から取って
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
妻
(
つま
)
や子どもとも
別
(
わか
)
れて、いままで持っていた
猟場
(
りょうば
)
や、
住居
(
すまい
)
や、
隠
(
かく
)
れ
場
(
ば
)
から立ちのくように言われました。いよいよ、よその国で
幸福
(
こうふく
)
をさがさなければなりません。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
これだけわたしのむかしの友だちの集まるということが、わたしの
妻
(
つま
)
をおどろかした。かの女はこの一夜に、父親と、
姉
(
あね
)
と、兄と、おばさんに会うはずであった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
稽古
(
けいこ
)
の男は
小稲半兵衛
(
こいなはんべゑ
)
をさらつた
後
(
のち
)
同じやうなお
妻
(
つま
)
八郎兵衛
(
はちろべゑ
)
の
語出
(
かたりだ
)
しを二三度
繰返
(
くりかへ
)
して帰つて行つたのである。
蘿月
(
らげつ
)
は
尤
(
もつと
)
もらしく
坐
(
すわ
)
り
直
(
なほ
)
して
扇子
(
せんす
)
で軽く
膝
(
ひざ
)
を
叩
(
たゝ
)
いた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
だから
父
(
ちゝ
)
が、自分の自然に
逆
(
さか
)
らつて、
父
(
ちゝ
)
の計画通りを強ひるならば、それは、去られた
妻
(
つま
)
が、離縁状を
楯
(
たて
)
に夫婦の関係を証拠
立
(
だ
)
てやうとすると一般であると考へた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
勿論
(
もちろん
)
、
彼女
(
かれ
)
の
夫
(
をつと
)
は、
彼女
(
かれ
)
以上
(
いじやう
)
、あきらめてゐるに
違
(
ちが
)
ひない。
彼
(
かれ
)
は、
松葉杖
(
まつばつえ
)
にすがつた、
淋
(
さび
)
しい
乙女
(
おとめ
)
であつた
彼女
(
かれ
)
あはれな
妻
(
つま
)
である
彼女
(
かれ
)
よりも、
知
(
し
)
らないのであつたから。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
又左衛門は三年前に本妻が死んで、子供のない淋しさを慰めるために、長く外に囲っていた
妾
(
めかけ
)
のお
妻
(
つま
)
を家へ入れました。これは二十七八の水の
滴
(
したた
)
るような美しい女です。
銭形平次捕物控:041 三千両異変
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
呉起
(
ごき
)
は
衞人也
(
ゑいひとなり
)
。
好
(
この
)
んで
兵
(
へい
)
を
用
(
もち
)
ふ。
嘗
(
かつ
)
て
曾子
(
そうし
)
に
學
(
まな
)
び、
魯君
(
ろくん
)
に
事
(
つか
)
ふ。
齊人
(
せいひと
)
、
魯
(
ろ
)
を
攻
(
せ
)
む。
魯
(
ろ
)
、
呉起
(
ごき
)
を
將
(
しやう
)
とせんと
欲
(
ほつ
)
す。
呉起
(
ごき
)
、
齊
(
せい
)
の
女
(
ぢよ
)
を
取
(
めと
)
つて
妻
(
つま
)
と
爲
(
な
)
し、
而
(
しかう
)
して
魯
(
ろ
)
、
之
(
これ
)
を
疑
(
うたが
)
へり。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
「え、ありがとう、うれしいなあ、僕もお約束しますよ。あなたはきっと、私の
未来
(
みらい
)
の
妻
(
つま
)
だ」
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
幾
(
いく
)
すぢもの
雲
(
くも
)
が、どん/\と
騰
(
のぼ
)
つてゐる。その
現
(
あらは
)
れてゐる
雲
(
くも
)
の
廻
(
めぐ
)
つて
作
(
つく
)
つた、
幾重
(
いくへ
)
の
垣
(
かき
)
のような
雲
(
くも
)
。
私
(
わたし
)
の
妻
(
つま
)
を
中
(
なか
)
に
入
(
い
)
れるために、
幾重
(
いくへ
)
もの
垣
(
かき
)
を
作
(
つく
)
つてゐる、その
幾重
(
いくへ
)
もの
垣
(
かき
)
よ。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「こんなものを少しやってみたことがありますか。
吾
(
わ
)
が
妻
(
つま
)
という琴などは弾いたでしょう」
源氏物語:52 東屋
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
人
(
ひと
)
故
(
ゆえ
)
妻
(
つま
)
を逐はれて、心悲しく
遊
(
あそ
)
びに來た友達と、
曉
(
あかつき
)
深
(
ふか
)
く湖上に
泛
(
うか
)
んだ時である。
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
町
(
まち
)
の
小學校
(
せうがつかう
)
の
校長
(
かうちやう
)
をしてゐた
彼女
(
かのぢよ
)
の
夫
(
をつと
)
は、一
年間
(
ねんかん
)
肺
(
はい
)
を
病
(
や
)
んで、そして
二人
(
ふたり
)
の
子供
(
こども
)
を
若
(
わか
)
い
妻
(
つま
)
の
手許
(
てもと
)
に
遺
(
のこ
)
したまゝ
死
(
し
)
んでいつた。
殘
(
のこ
)
つたものは
彼女
(
かのぢよ
)
の
重
(
おも
)
い
責任
(
せき
)
と、
極
(
ごく
)
僅
(
わづ
)
かな
貯
(
たくは
)
へとだけであつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
愛
(
あい
)
するお
前
(
まへ
)
の
父
(
ちゝ
)
、お
前
(
まへ
)
の
母
(
はゝ
)
、お
前
(
まへ
)
の
妻
(
つま
)
、お
前
(
まへ
)
の
子
(
こ
)
、そして
多
(
おほ
)
くのお
前
(
まへ
)
の
兄妹
(
きやうだい
)
たちが、
土地
(
とち
)
を
逐
(
お
)
はれ
職場
(
しょくば
)
を
拒
(
こば
)
まれ、
飢
(
う
)
えにやつれ、
歯
(
は
)
を
喰
(
く
)
い
縛
(
しば
)
り、
拳
(
こぶし
)
を
握
(
にぎ
)
って、
遠
(
とほ
)
く
北
(
きた
)
の
空
(
そら
)
に
投
(
な
)
げる
憎
(
にく
)
しみの
眼
(
め
)
は
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
並に
妻
(
つま
)
由其の
他
(
た
)
関係の者一同をお呼出しになって白洲を立てられました。
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
医者
(
いしゃ
)
の
玄庵
(
げんあん
)
をはじめ、
妻
(
つま
)
のおむら、
座元
(
ざもと
)
の
羽左衛門
(
うざえもん
)
、三五
郎
(
ろう
)
、
彦
(
ひこ
)
三
郎
(
ろう
)
、その
他
(
た
)
の
人達
(
ひとたち
)
が、ぐるりと
枕許
(
まくらもと
)
に
車座
(
くるまざ
)
になって、
何
(
なに
)
かひそひそと
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
っている
声
(
こえ
)
が、
遠
(
とお
)
い
国
(
くに
)
の
出来事
(
できごと
)
のように
聞
(
きこ
)
えていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
若い
妻
(
つま
)
や、幼い子供を連れて、箱根や日光へ行つた時の
光景
(
さま
)
が描き出された。
土産
(
みやげ
)
を
樂
(
たのし
)
みにしながら
留守
(
るす
)
をしてゐるものゝことが、
頻
(
しき
)
りに考へられた。二年も居る下女の顏までが眼の前に浮び出た。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
見
(
み
)
よ
飮酒
(
いんしゆ
)
は
彼
(
かの
)
非職官吏
(
ひしよくくわんり
)
を
殺
(
ころ
)
しつゝあるにあらずや
非職官吏
(
ひしよくくわんり
)
の
放蕩懶惰
(
はうとうらんだ
)
は
其
(
その
)
愛
(
あい
)
らしき
妻
(
つま
)
を
殺
(
ころ
)
しつゝあるにあらずや
其
(
その
)
無邪氣
(
むじやき
)
の
娘
(
むすめ
)
を
殺
(
ころ
)
しつゝあるにあらずや、婬賣と名け肺病と名け、※慢と名つくるもの
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
と
語
(
かた
)
つたし、メッキ
工場
(
こうじょう
)
の
中内技師
(
なかうちぎし
)
は、
自宅
(
じたく
)
でその
妻
(
つま
)
に
対
(
たい
)
し
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
高山の雪に火縄の火の
消
(
け
)
なと
拝
(
をが
)
み
希
(
こ
)
ひのるは
愛
(
かな
)
し
妻
(
つま
)
ばかり
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「よろしい、では、お別れいたす。……お
妻
(
つま
)
行こう」
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
にあらばと
頻
(
しき
)
りに
妻
(
つま
)
なる
鬼
(
おに
)
を
罵
(
のゝし
)
りぬ
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
妻
(
つま
)
が
家
(
いへ
)
のあたり。 (歌謠番號七七)
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
“妻”の解説
妻(つま)は、女性の配偶者を示す言葉である。
(出典:Wikipedia)
妻
常用漢字
小5
部首:⼥
8画
“妻”を含む語句
後妻
老妻
吾妻
妻覓
亡妻
妻子
妻君
梵妻
新妻
妻妾
妻籠
吾妻鏡
妻女
妻恋
吾妻山
下妻
夫妻
愛妻
吾妻川
嫡妻
...