)” の例文
かれその老夫、答へてまをさく「は國つ神大山津見おほやまつみの神の子なり。僕が名は足名椎あしなづちといひが名は手名椎てなづちといひ、むすめが名は櫛名田比賣くしなだひめといふ」
にして悪いとは、どういうわけじゃ。沙金をにするわしが、畜生なら、親を殺そうとするおぬしも、畜生ではないか。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「いかにも、都のあの変事で、去年は延々のびのびとなり申したが、どうやらこの秋には、部屋住みの高氏も、を持つ男並おとこなみとなりそうでござりまする」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あなたのような美しい姿の女をわたくしにあわせて下さいと祈っていたが、ある夜ついにこの天女像と婚する夢を見た。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
兵衛佐平定文ひやうゑのすけたひらのさだぶみと云ふ人ありけり、あざなをば平中とぞ云ひける、御子みこの孫にていやしからぬ人なり、そのころの色好みにて人の、娘、宮仕人みやづかへびと、見ぬは少くなんありける」
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
それ故 やごとなき君王のに等しきは我がごと一人思はるゝこと といふ歌もあり又 天地に一人を恋ふと云ふよりも宜しき言葉我は知らなく などいふのもある。
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)
そして自分が死水を取ってやった唯一の親友の檜垣の主人は、結局その姪を自分にあわして、後嗣のたねを取ろうとする仕掛を、死の断末魔の無意識中にあっさり自分に伏せている。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そのときに重瞳のは、 はやくまた闇を奔りし。
文語詩稿 五十篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
の止利よ、そはわがもとの——』
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
けふよりのと来てつる宵の春
俳句は老人文学ではない (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
を奪ひ行く夜半よわの暗きに 之兮しけい
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
よき家にを住まはしめ萩の花
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
「畜生呼ばわりは、おいてくれ。沙金しゃきんは、おぬしばかりのかよ。次郎殿のでもないか。されば、弟のをぬすむおぬしもやはり、畜生じゃ。」
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「きまったなどは持たぬにかぎる。男としては、独り住みして、折々通うてう女こそが、にくからぬものと」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここに天の日矛、そのの遁れしことを聞きて、すなはち追ひ渡り來て、難波に到らむとするほどに、その渡の神へて入れざりき。かれ更に還りて、多遲摩たぢまの國てつ。
やごとなき君王のに等しきは我がごと一人思はるゝこと
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)
夜半の春なほ処女なると居りぬ
俳句は老人文学ではない (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
さび斧は、やよて——と
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
もし沙金と別れまいと思えば、おばばといっしょになるばかりじゃ。よし、ならば、おばばをにしよう——こう思い切って、持ったのが、この猪熊いのくま痩世帯やせじょたいじゃ。………
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「北条の手下としては、忠義なやつだ。また欲心のためでもあろう。一領の大名ともなって都へも出、宿のには、小宰相を側においてみたいなどの、欲望でもあったろうに」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その將軍いくさのきみ山部やまべ大楯おほたてむらじ、その女鳥の王の、御手にかせる玉釧たまくしろ一三を取りて、おのがに與へき。この時の後、豐のあかりしたまはむとする時に、氏氏の女どもみな朝參みかどまゐりす一四
の止利はただ聽きに聽く。
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
朝餉あさげをひとつにするなどは、義貞、ほとんど忘れていたことだったな」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たとえ、北条一族の姻戚いんせきに列しようと、赤橋の妹をに持とうと、なんで初志を変えようぞ。むしろ、鎌倉御家人どもの眼をあざむくにも、徐々に大事を計ってゆくにも、よい階段きざはしとすら思うている
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「……あづまより……昨日来たれば……も持たず」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)