)” の例文
同時に、斎女王を持つ東海の大国にあつた、神と神のなる巫女と、其子なる人間との物語は、琉球の説話にも見る事が出来るのである。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
巫女の資格の第一は「神の」となり得るか如何と言ふ事である。村の処女は必神の嫁として神に仕へて後、人の妻となる事が許されたのである。
ひるめと言ふのは、日の即、日の神の・后と言ふことである。ひるめのるは、のである。水の神の后を、みぬめ又は、みるめと言ふのと同じである。
古代人の思考の基礎 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
即「ヒト」と「神の嫁」とは、別殊の人となるのである。かうした風の生じる以前の社会には、常世神の「一夜配偶ヒトヨヅマ」の風が行はれてゐたものと思ふ事が出来る。
オヤ(母)神に対して、乳母神オモカミをば(小母)と言つた処から、母方の叔母即、父から見たと言ふ語が出来た。此が亦、神を育む姥(をば・うば)神の信仰の元にもなる。
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
オヤ(母)神に対して、乳母神オモカミをば(小母)と言ったところから、母方の叔母すなわち、父から見たという語ができた。これがまた、神を育む姥(をば・うば)神の信仰の元にもなる。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
景行天皇記に、「恒に長目を経しめ、またしもせずて、物思はしめ給ひき(古訓)」と書いてある。めは男と女が逢ふことで、其が名詞的の感覚を強める様になつてからは、になつて来る。