おも)” の例文
他の人々は村から「五十六ポンド」おもりと荷車一台分の一インチ繩の荷をもって出かけたが、とうとう底をつきとめえなかった。
しようと、たとえば、千ポンドのおもりをつけようと、この風のなかは往けぬよ。しかし、氷罅クレヴァスをくだって洞を掘ったら、どうだ
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それに腕金は端の方に、時計の振子を大きくしたような相当なおもりがついていたから、腕金を上げるのにかなり骨が折れた。
鍵から抜け出した女 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そはエスキモーが斯かる事を爲す時に用ゐるおもりとたる石片角片の遺跡ゐせきより發見さるるに由りて推考すいかうせらるるなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
「こんな所で、人間の血脂ちあぶらをながしたら、すぐにあしがついてしまう。そのまま、おもりをかけて、沖の深くへ抛り込んでしまうのがいちばんだ」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
変装の品々は焼きすてるか、おもりをつけて川の底にでも沈める。架空の方の住宅へは、いつまでたっても主人が帰って来ない。ようとして行方を知らずというわけだね。
断崖 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
このトリックの変種として(これは密室事件ではないが)おもりのついた紐をピストルに結びつけておいて、発射後橋の欄干を越してピストルを水中に没せしめた例もある。
此所ここに畫きたるものは伊豆君澤郡久連くづら村より出でしものなるが、類品るゐひん諸地方しよちはうより出でたり。恐らくは網のおもりならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
小脇に抱えて来た紙包を解いてかねて用意の詰襟つめえりの学生服に着かえ、寝衣の方は紙包みにし、傍に落ちていた手頃の石をおもし代りに結び、河の中へドボーンと投げこんでしまった。
鍵から抜け出した女 (新字新仮名) / 海野十三(著)
遺跡よりは角製のはりの出でし事あり(第七回參照)。土器押紋中にはたしかに網のあと有るもの有り。切り目有る扁平石噐中には網のおもりと思はるるもの有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)