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圧
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おし
ふりがな文庫
“
圧
(
おし
)” の例文
旧字:
壓
と朝から晩まで食
好
(
ごのみ
)
、
食
(
くい
)
草臥
(
くたび
)
れれば、
緞子
(
どんす
)
の夜具に大の字
形
(
なり
)
の高枕、ふて寝の天井の
圧
(
おし
)
に打たれて、
潰
(
つぶ
)
れて死なぬが不思議なり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「もしどうしても返さなかったら」の一念が起ろうとする時、自分は
胸
(
むね
)
を
圧
(
おし
)
つけられるような気がするのでその一念を打消し打消し歩いた。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
宅では御米が、宗助に着せる春の羽織をようやく縫い上げて、
圧
(
おし
)
の代りに
坐蒲団
(
ざぶとん
)
の下へ入れて、自分でその上へ坐っているところであった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それを箱へ並べて
圧
(
おし
)
をして二、三時間置いた
後
(
のち
)
に三分位の幅に切って生姜を添えて食べます。切る時
庖丁
(
ほうちょう
)
へ酢をつけると御飯がつきません。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
抱え
娼妓
(
しょうぎ
)
に斯う我儘をされるようでは
他
(
はた
)
へ示しが付かぬ、何うにでも
圧
(
おし
)
つけて花里を身請させねばならぬと申す気が一杯でげすから堪りません。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
実母がそれを生意気だといって
罵
(
ののし
)
るのはまだしも、実父にまで、時々それを
圧
(
おし
)
つけようとする
口吻
(
こうふん
)
を洩されるのは、
堪
(
た
)
えられないほど情なかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
岩倉よりも胆力があって
圧
(
おし
)
が強い方であった、しかし気質と議論が違うからとうてい両立はできない、岩倉をやっつけるか、やっつけられるか、どちらかであろう
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
石で床を
鋪
(
し
)
きつめたその不気味な広い
室
(
へや
)
は、
息窒
(
いきづ
)
まるような沈黙で
圧
(
おし
)
つけられていた。屍体の
傍
(
そば
)
には、今までそれを包んでいたらしい、血痕の附着した敷布があった。
青蠅
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
これと同時に、敵は全力を振いて、
延
(
の
)
し始めたれば、
素
(
もと
)
より覚悟のこととて、左右三指ずつにて、
圧
(
おし
)
を加えながら繰り出す、その引力の強き、指さきの皮剥けんかと思うばかりなり。
大利根の大物釣
(新字新仮名)
/
石井研堂
(著)
岩壁
(
がんへき
)
の
裾
(
すそ
)
又は
大樹
(
たいじゆ
)
の
根
(
ね
)
などに
蔵蟄
(
あなごもり
)
たるを
捕
(
とる
)
には
圧
(
おし
)
といふ
術
(
じゆつ
)
を
用
(
もち
)
ふ、
天井釣
(
てんじやうづり
)
ともいふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
旨く
圧
(
おし
)
を利かせて下さって難有うございます。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
心を
圧
(
おし
)
鎮
(
しづ
)
めて問ひ返す。
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
その場合に、
圧
(
おし
)
に打たれ、火に包まれたものと進退をともにするのは、助けるのではない、自殺をするのだ、と思いました。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
先刻
(
さつき
)
まで
蒼
(
あを
)
かつた
空
(
そら
)
も、
何時
(
いつ
)
とはなし一
面
(
めん
)
に
薄曇
(
うすぐも
)
つて、
其処
(
そこ
)
らが
急
(
きふ
)
に
息苦
(
いきぐる
)
しく、
頭脳
(
あたま
)
は一
層
(
さう
)
圧
(
おし
)
つけられるやうになる。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
お登和嬢「あれは塩一合へ水一合を加えて鍋で煮てよく冷ましたものへ
山盛
(
やまもり
)
一升の一口茄子を漬けて軽い
圧
(
おし
)
を ...
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「ちょっと着てみてちょうだい。まだ
圧
(
おし
)
が好く
利
(
き
)
いていないかも知れないけども」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
難有
(
ありがと
)
う御座います。それで僕も安心しました。イヤ
真
(
まこと
)
に失礼しました
匆卒
(
いきなり
)
貴様を
詰
(
とが
)
めまして……」と彼は人を
圧
(
おし
)
つけようとする最初の気勢とは
打
(
うっ
)
て変り、
如何
(
いか
)
にも力なげに
詫
(
わび
)
たのを見て
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
圧
(
おし
)
もお利きなさろうけれど、この大旦那でさえ、旅の身ではねえと
喞
(
かこ
)
ち
言
(
ごと
)
をおっしゃる——まして、女興行師風情のわたしで、どうなるものか、それを考え出すと、腐ってしまわざるを得ない。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と手伝って、上包の
結目
(
むすびめ
)
を解くと、ずしりと
圧
(
おし
)
にある刀を取ったが、そのまま、するりと抜きかける。——
虹
(
にじ
)
のごとく、葉を漏る日の光に輝くや否や
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
時々胸からせぐりあげて来る涙を、強いて
圧
(
おし
)
つけようとしたが、どん底から
衝動
(
こみあ
)
げて来るような悲痛な
念
(
おもい
)
が、
留
(
とめ
)
どもなく波だって来て為方がなかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
その外に梅の糸といって上品なお菓子がございますがそれは
豊後梅
(
ぶんごうめ
)
の青いのを大根や里芋の
繊
(
せん
)
のように極く
細
(
こまか
)
い繊に
截
(
き
)
って塩漬にして
圧
(
おし
)
を置いて食べる時水で塩出しをして砂糖を
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
昔は
孔子
(
こうし
)
がたった一人だったから、孔子も幅を
利
(
き
)
かしたのだが、今は孔子が幾人もいる。ことによると天下がことごとく孔子かも知れない。だからおれは孔子だよと威張っても
圧
(
おし
)
が利かない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから
家
(
うち
)
の漬物はさっぱり気が無いの、土用
越
(
ごし
)
の沢庵、至って塩の辛きやつで黙らそうとは
圧
(
おし
)
が強い。早速当座漬を
拵
(
こせ
)
えて
醤油
(
おしたじ
)
も
亀甲万
(
きっこうまん
)
に改良することさ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
まったくだね、
股引
(
ももひき
)
の裾をぐい、と
端折
(
はしょ
)
った処は豪勢だが、下腹がこけて、どんつくの
圧
(
おし
)
に打たれて、猫背にへたへたと
滅入込
(
めいりこ
)
んで、
臍
(
へそ
)
から
頤
(
おとがい
)
が生えたようです。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
例の訛った下卑た
語調
(
ものいい
)
。
圧
(
おし
)
は利かないが
威
(
おどか
)
すと、両切の和煙草を
蝋巻
(
ろうまき
)
の口に挟んで、チュッと吸って
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
コオトの背中を
引抱
(
ひっかか
)
えて、
身体
(
からだ
)
を
圧
(
おし
)
にグサと刺した。それでも気が上ずったか、頭巾の端を切って、咽喉をかすって、剃刀の
尖
(
さき
)
は、紫の半襟の裏に留まったのである。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
南無三宝
(
なむさんぼう
)
、此の柱へ血が垂れるのが
序開
(
じょびら
)
きかと、
其
(
その
)
十字の里程標の
白骨
(
はっこつ
)
のやうなのを見て居る
中
(
うち
)
に、
凭
(
よっ
)
かゝつて居た
停車場
(
ステエション
)
の
朽
(
く
)
ちた柱が、風もないに、
身体
(
からだ
)
の
圧
(
おし
)
で動くから
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
なれども、僧都が身は、こうした墨染の
暗夜
(
やみ
)
こそ
可
(
よ
)
けれ、なまじ緋の
法衣
(
ころも
)
など
絡
(
まと
)
おうなら、ずぶ
濡
(
ぬれ
)
の
提灯
(
ちょうちん
)
じゃ、
戸惑
(
とまどい
)
をした
鱏
(
えい
)
の
魚
(
うお
)
じゃなどと申そう。
圧
(
おし
)
も石も利く事ではない。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「……外廻りをするにして、要心に事を欠いた。木魚を
圧
(
おし
)
に置くとは
何
(
あん
)
たるこんだ。」
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ええ、まだまだそれが三晩四晩と続きましたね、段々気味が悪くなって来るせいですか、さあ、おいでなすったと思うと
天窓
(
あたま
)
から
慄然
(
ぞっ
)
として、
圧
(
おし
)
を置かれるような
塩梅
(
あんばい
)
で動くこともなりません。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
圧
(
おし
)
にのせた石の数々はわずかに水を出た
磧
(
かわら
)
であった。
絵本の春
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「お前さんの
圧
(
おし
)
ぐらい掛ります。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
圧
常用漢字
小5
部首:⼟
5画
“圧”を含む語句
圧迫
圧伏
圧力計
抑圧
圧倒
鎮圧
圧石
威圧
圧附
消圧
圧逼
圧搾空気
圧倒的
押圧
圧殺
圧抑
圧縮
圧制者
低気圧
気圧
...