おそれ)” の例文
たけびに猛ぶ男たちの心もその人の前にはやはらぎて、つひに崇拝せざるはあらず。女たちは皆そねみつつもおそれいだけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
おそれおほき教育御勅語ごちよくごなどを引きて論ずることの流行は、この方かへつて危険と申すものに候はずや。
ひらきぶみ (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
○余越後の夏にあひしに、五こく蔬果そくわ生育そだち少しも雪をおそれたる色なし。山景野色さんけいやしよくも雪ありしとはおもはれず、雪の浅き他国に同じ。五雑組ござつそに(天部)百草雪をおそれずして霜を畏る。
因つて其犬の四足をとらへ、力を極めて之を蘆原の彼方かなたへ投げたるに、向ふよりも直ちに之を投げ返す。之を見ておそれいだき家に帰る。犬には薬など飲ませたれど、終に死したり。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その朝朝飯あさはんをパンとコーヒーとだけですませたばかしの口で噂をするのは、おそれ多いやうな調子だつた。牧師は英語読みにすると、マリヤはメリイで、ヨハネはジヨンであることを説明した後で
ほがらかに子らはあるべしおそれ無く心揺り遊び常すこやかに
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ひとり、かのおそれも悔も無く眠る人こそ善けれ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
おそれがお前を襲う。3800
○余越後の夏にあひしに、五こく蔬果そくわ生育そだち少しも雪をおそれたる色なし。山景野色さんけいやしよくも雪ありしとはおもはれず、雪の浅き他国に同じ。五雑組ござつそに(天部)百草雪をおそれずして霜を畏る。
私よくは存ぜぬことながら、私の好きな王朝の書きもの今に残りをり候なかには、かやうに人を死ねと申すことも、おそれおほく勿体もつたいなきことかまはずに書きちらしたる文章も見あたらぬやう心得候。
ひらきぶみ (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ひとり、かのおそれも悔も無く眠る人こそ善けれ
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
しきおそれの滿ちわたる海と空との原の上。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
しきおそれの満ちわたる海と空との原の上。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
おそれをなすか、深淵しんえん
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)