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担
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にな
ふりがな文庫
“
担
(
にな
)” の例文
旧字:
擔
彼は偉大なるドイツの哲学者たちならびに彼らによって
担
(
にな
)
われた弁証法の記憶を荒れたる折衷主義の沼のうちに溺死せしめたのは
科学批判の課題
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
己の光栄だろうか。己はその光栄を
担
(
にな
)
ってどうする。それがなんになる。己の感情は己の感情である。己の思想も己の思想である。
余興
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
人形箱を梶子と
担
(
にな
)
い、宿の廊下まで出たところを、三十郎と一味とに襲われて、衆寡敵せずこのありさまと、面目なげに物語った。
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
微
(
かす
)
かなる
墨痕
(
ぼっこん
)
のうちに、光明の一
炬
(
きょ
)
を点じ得て、点じ得たる
道火
(
どうか
)
を解脱の方便門より
担
(
にな
)
い
出
(
いだ
)
して暗黒世界を
遍照
(
へんじょう
)
せんがためである。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そも、袁紹は何を考えだしたか、二十万の兵に工具を
担
(
にな
)
わせて、人工の山を築かせたのである。十日も経つと、完全な丘になった。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
私がどこへ行こうと、あなたたちはいつも私といっしょにいる。私を
負
(
おぶ
)
ってくれたお
母
(
かあ
)
さん、私は今あなたを自分のうちに
担
(
にな
)
っている。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
たとえば
仁義
(
じんぎ
)
のために死するとか、国家の責任を
双肩
(
そうけん
)
に
担
(
にな
)
って立つとか、
邦家
(
ほうか
)
のためには一身を
顧
(
かえり
)
みず、
知遇
(
ちぐう
)
のためには
命
(
いのち
)
を
堕
(
おと
)
すとか
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
個々の成員に
担
(
にな
)
われて存在するのであって、それ自体で超越的に独立している共同体というようなものもないということである。
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
渠
(
かれ
)
は山に
倚
(
よ
)
り、水に臨み、清風を
担
(
にな
)
い、明月を
戴
(
いただ
)
き、了然たる一身、
蕭然
(
しょうぜん
)
たる四境、自然の清福を占領して、いと
心地
(
ここち
)
よげに見えたりき。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
信子は女子大学にゐた時から、
才媛
(
さいゑん
)
の名声を
担
(
にな
)
つてゐた。彼女が早晩作家として文壇に打つて出る事は、
殆
(
ほとんど
)
誰も疑はなかつた。
秋
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それも直接
消火
(
ひけし
)
の用を足すというよりは、屋根に登って働いている仕事師の身体を濡らすに用いた位のもの……ゲンバという
桶
(
おけ
)
を棒で
担
(
にな
)
い
幕末維新懐古談:16 その頃の消防夫のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
一貫目余の
筍
(
たけのこ
)
を二本
担
(
にな
)
って往ったり、よく野茨の花や、白いエゴの花、野菊や
花薄
(
はなすすき
)
を道々折っては、親類へのみやげにした。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
若い男というのは、土地の者ではありましょうが、漁夫とも見えないような通りがかりの人で、肩に何か
担
(
にな
)
っていました。
溺れかけた兄妹
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「人は同時におのれの重荷たりおのれの誘惑たる肉体を身に有す。人はそれを
担
(
にな
)
い歩きしかしてそれに身を
委
(
ゆだ
)
ぬるなり。」
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
恭三の家とは非常に懇意にして居たので、
此処
(
こゝ
)
を宿にして毎日荷物を預けて置いて、朝来てはそれを
担
(
にな
)
って売り歩いた。
恭三の父
(新字新仮名)
/
加能作次郎
(著)
老イタル者ハ
簦
(
からかさ
)
ヲ
担
(
にな
)
ヒ
竿
(
さお
)
ヲ擁シテ以テ
己
(
おの
)
レガ任トナスといひ、
於戯
(
ああ
)
、
翠帳紅閨
(
すいちょうこうけい
)
、万事ノ礼法異ナリトイヘドモ、舟中浪上、一生ノ
観会
(
かんかい
)
ハ
是
(
こ
)
レ同ジ
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
荷物炭は、艀から、本船へ、長い
歩
(
あゆみ
)
板をかけ、その上を登り降りして、振りわけにした
担
(
にな
)
い
籠
(
かご
)
で、積みこむのが通常だ。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
そんなわけで、わたしはあゆを汽車で京都から運ぶ際に
担
(
にな
)
い桶をかついだまま汽車に乗り込ませ、車中でちゃぷんちゃぷんをやらせたものであった。
インチキ鮎
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
春信はわが工芸史上、彩色板刻術の完成者たる名誉を
担
(
にな
)
ふと共に、また浮世絵画面の大きさを決定したる功績を有す。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
実に彼は死よりもつらき不面目を
担
(
にな
)
いつつ、
折角
(
せっかく
)
新調したりし寒防具その他の手荷物を売り払いて旅費を
調
(
ととの
)
え、
漸
(
ようや
)
く帰京の
途
(
と
)
にはつき得たるなりき。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
信心においても強烈、国民すべての不幸を一身に
担
(
にな
)
われて、行くべき
処
(
ところ
)
まで行く激しい情熱の御方だったと思われる。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
ただそこに居る君だけが、その神聖なる使命を
担
(
にな
)
うべく選まれて、吾々の前に
差遣
(
さしつか
)
わされた唯一、無上の天使である。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
これはただ博士号を得るに足るだけの教科書に自由自在に通じて居るというただそれだけではこの名誉は
担
(
にな
)
われない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
買つて戻つた天秤棒で、早速翌朝から手桶とバケツトを振り分けに
担
(
にな
)
うて、汐汲みならぬ髯男の水汲みと出かけた。
水汲み
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
富籤の札が当ればこそ千両ですが、それは何万枚に一枚の幸運を
担
(
にな
)
った札で、あとは紙っ
屑
(
くず
)
の足しにもなりません。
銭形平次捕物控:018 富籤政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
さて、この村から
一
(
ひ
)
と
条
(
すじ
)
に
浄法寺
(
じょうほうじ
)
へとぬける街道がある。今でもそうだが、多くの者が
椀
(
わん
)
だとか
片口
(
かたくち
)
だとか木皿だとかを
担
(
にな
)
って
市日
(
いちび
)
へと出かけてゆく。
陸中雑記
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
どうして
頼政
(
よりまさ
)
がそういう
名誉
(
めいよ
)
を
担
(
にな
)
うようになったかと
申
(
もう
)
しますと、いったいこの
頼政
(
よりまさ
)
は、あの
大江山
(
おおえやま
)
の
鬼
(
おに
)
を
退治
(
たいじ
)
した
頼光
(
らいこう
)
には五
代
(
だい
)
めの
孫
(
まご
)
に
当
(
あ
)
たりました。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
其故如何となれば、彼は暗々裡に
仏国想
(
フレンチ・アイデア
)
を
担
(
にな
)
ひ入れて、奇抜は以て人を驚かすに足りしかども、遂に純然たる日本想の「一口剣」に及ばざるを
奈何
(
いかに
)
せむ。
「油地獄」を読む:(〔斎藤〕緑雨著)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
カムデン卿(Lord Camden)等の諸大家は、代る代るにこの空しき光栄を
担
(
にな
)
わしめられたのであった。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
だがそれをどうしても話してしまわなければ、僕は何だか大きな負債を
担
(
にな
)
っているような気がしてなりません。
単独行
(新字新仮名)
/
加藤文太郎
(著)
半蔵はそれを「せいた」に堅く結びつけ、半蓑の上から背中に
担
(
にな
)
って、日ごろ自分の家に出入りする百姓の兼吉らと共に、チラチラ雪の来る中を出かけた。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その最奥の内容は説くべからずとするも、その内容を
担
(
にな
)
える人格は、我々の前に明らかに提示せられている。我々はいかなる人格が道元を鍛錬したかを見た。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
日本科学協会々長の栄誉を
担
(
にな
)
っているばかりか、英国のローヤル・ソサエティーの名誉会長であり、米国のスミゾニアン・インステチュートの名誉顧問であり
国際殺人団の崩壊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
気がついて見ると、私は何時の間にか趙の銃を(砂の上に倒れていたのを拾って)彼の代りに
担
(
にな
)
っていた。
虎狩
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
対他性上の区別である渋味と甘味とは、それ自身には何ら一定の価値判断を
担
(
にな
)
っていない。価値的意味はその場合その場合の背景によって生じて来るのである。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
ことに心ひかれるのが東宝映画の争議だった。同じ文化の
担
(
にな
)
い
手
(
て
)
である親近感は、生きて動いている人たちの
息吹
(
いぶ
)
きが熱く頬にかかってくるような思いがした。
妻の座
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
内地から渡って来たばかりの元官吏でまだ朝鮮やその文化の事情に
疎
(
うと
)
い彼は、最初に近寄って来た玄竜こそ、彼の言葉の通りに朝鮮文壇を実際に
担
(
にな
)
う小説家であり
天馬
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
手桶ができて
後
(
あと
)
ならばバケツというものも考えだされようし、棒で両方に下げる
担
(
にな
)
い
桶
(
おけ
)
を、男にかつがせることも始まるであろうが、それがもしふつうであったら
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
老人は、何か長い丸いものを風呂敷に包んで、鉄砲を
担
(
にな
)
ったような具合に、細い紐で背負っていた。
再度生老人
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
しかも大きな長持を一
挺
(
ちょう
)
担
(
にな
)
わせて、その黒い影の塊りが左右四方から厳重に守りつつ現れたのです。
旗本退屈男:10 第十話 幽霊を買った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
やがて
大
(
おおい
)
なる
古菰
(
ふるごも
)
を拾ひきつ、これに肴を包みて上より
縄
(
なわ
)
をかけ。
件
(
くだん
)
の弓をさし入れて、
人間
(
ひと
)
の
駕籠
(
かご
)
など扛くやうに、二匹
前後
(
まえうしろ
)
にこれを
担
(
にな
)
ひ、金眸が洞へと急ぎけり。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
最近は、鉱毒問題以外にはあまり議会で意見を吐きたくないという心境だったし、今この案に反対する以上は自分として言責をどこまでも
担
(
にな
)
わねばならぬことを思った。
渡良瀬川
(新字新仮名)
/
大鹿卓
(著)
中老漢
(
ちゆうおやぢ
)
は岩の上に卸した背負籠を
担
(
にな
)
つて、
其儘
(
そのまゝ
)
歩き出さうとして居たが、自分に尋ねられて
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
わたしは、それでも、ある偉人とある名士とに連れ立って、大通りを散歩する光栄を
担
(
にな
)
った。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
ニ、そして、「組織」「闘争」——この初めて知った偉大な経験を
担
(
にな
)
って、漁夫、年若い雑夫等が、警察の門から色々な労働の層へ、それぞれ入り込んで行ったということ。
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
書生はいつもそれを
担
(
にな
)
いあるいて、かれを
担生
(
たんせい
)
と呼んでいたが、蛇はいよいよ長大になって、もう担い切れなくなったので、これを
范
(
はん
)
県の東の大きい沼のなかへ放してやった。
中国怪奇小説集:07 白猿伝・其他(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
其名
独逸
(
ドイツ
)
建国の歴史を
統
(
す
)
ぶる巨人ビスマルクの如きに候ふ
可
(
べ
)
く、普仏戦争に際して、非常の声誉と、莫大の償金と、アルサス、ローレンスと、烈火の如き仏人の怨恨とを
担
(
にな
)
ふて
渋民村より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そしてあたしは花聟といつしよに踊るのではなく、棺に入れて
担
(
にな
)
つてゆかれるのだつて。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:04 イワン・クパーラの前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
大岩魚はそのあたりの谷川にたまたまいることがあると云われているもので、頭から
尻尾
(
しっぽ
)
までが五尺ばかりもあった。人びとはその
鰓
(
あご
)
へ
藤葛
(
ふじかずら
)
をとおして二人がかりで
担
(
にな
)
って来た。
岩魚の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
朧
(
おぼろ
)
げに感得していたものの、先きは人も知った人格者であり、
尊
(
とうと
)
いあたりへも伺候して、限りない光栄を
担
(
にな
)
っている博士なので、もし葉子の
嬌態
(
きょうたい
)
に魅惑された人があるとしても
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
“担”の解説
担(たん dàn、本来は擔)は、中国の伝統的な質量の単位である。
1担は100斤と定義されているが、1斤の定義が国によって異なるため、1担の大きさもそれによって異なる。中国大陸の市制ではちょうど50 kg、香港では60.478982 kg、台湾の台制では日本の尺貫法に従い、ちょうど60 kgとなる。
(出典:Wikipedia)
担
常用漢字
小6
部首:⼿
8画
“担”を含む語句
荷担
差担
担桶
荷担夫
担売
加担
担架
引担
加担人
担保
担夫
担棒
担荷
担込
御幣担
石担
担人
担当
一担
分担
...