“にな”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ニナ
語句割合
53.3%
38.6%
2.2%
荷担1.8%
1.1%
擔荷0.4%
0.4%
0.4%
荷菜0.4%
荷負0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
己の光栄だろうか。己はその光栄をになってどうする。それがなんになる。己の感情は己の感情である。己の思想も己の思想である。
余興 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
鍛冶屋のお爺さんはいよいよ慌てて、お金を払って荷物をになって出てゆこうとしました。その袖を店の主人はしっかりと捕えまして
豚吉とヒョロ子 (新字新仮名) / 夢野久作三鳥山人(著)
數多あまたの人にまさりて、君の御覺おんおぼえ殊にめでたく、一族のほまれを雙の肩にになうて、家には其子を杖なる年老いたる親御おやごもありと聞く。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
と、小屋のうしろから、二つの水桶を荷担になって、河原のほうへ立去ってゆくのを、介三郎と石権は、いま気がついたように振向いて見ていた。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
加賀かが大野おほの根生ねぶはま歩行あるいたときは、川口かはぐちいたところあしひとむらさへあれば、行々子ぎやう/\しこゑうづてた、にななぎされば、さら/\とそでずれの、あしのもとに、幾十羽いくじつぱともない
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あまつさ野町のまち野田寺町のだでらまち地黄煎口ぢくわうぜんぐちあるひ鶴來往來つるぎわうらいより、野菜やさい擔荷になひて百姓ひやくしやう八百物市やほものいちおもむもの前後疾走ぜんごしつそう相望あひのぞみて、氣競きほひ懸聲かけごゑいさましく、御物見下おものみしたとほること、絡繹らくえきとしてるがごとし。
鉄槌の音 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
東京には、かういふ娘がひとりで蹣跚まんさんの気持ちをになひつつ慰み歩く場所はさう多くなかつた。大川端にはアーク燈がきらめき、涼み客の往来は絶ゆる間もない。
蝙蝠 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
こどもを山にかずける度びに翁の腹にできたはらわたの捻纏ねんてんは、だんだん溜って翁の腹をになの貝の形に張り膨らめた。それに腹の皮を引攣ひきつられ翁はいつも胸から上をえびづるのようにたわめて歩いた。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
次ぎに掲げるのは日高国ひだかこく沙流郡さるぐん平取村びらとりむら荷菜にな平目ひらめカレピア婆さんが久保寺逸彦氏に伝えたもので、訳文も同氏の手になる。
訶和郎は垂れ下ったまま蜜柑の枝に足を突っ張って、遠くへ荷負になわれてゆく卑弥呼の姿をにらんでいた。兵士たちの松明は、谷間から煙のように流れて来た夜霧の中を揺れていった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
それと共に翳もしだいに大きくなって、数日の後には厚くなって銭のようになり、右の睛にはになの殻のような渦まきが出来ていた。
瞳人語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
だが——一党四十幾名の生命をになって、薄氷うすらいを踏んでいるのだ。亀裂ひびを見たら、もう全部の潰滅かいめつである。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しんち五じやうけり、の・しやうたる、士卒しそつ最下さいかなるもの衣食いしよくおなじうし、ぐわするにせきまうけず、くに(七〇)騎乘きじようせず、みづかかてつつになひ、士卒しそつ勞苦らうくわかつ。そつ(七一)しよものり。