“下手(ぺた)” の例文
出来ない相談だから仕方がない。美事(みごと)撃退されてしまった。俺は駄目だよ。勧められることは上手だが、勧めることは赤(あか)っ下手(ぺた)だからね
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
剣術はからっ下手(ぺた)にて、放蕩(ほうとう)を働き、大塚の親類に預けられる程な未熟不鍛錬(ふたんれん)な者なれども、飯島は此の深傷(ふかで)にては彼の刃に打たれて死するに相違なし
「それには演題(だしもの)——演題の選び方、立て方が大専(だいせん)だ。むろん、芸が空(から)っ下手(ぺた)じゃいけないが、何よりアッといわせるような演題の案文(あんもん)がつかないことには仕方がない、ねえ小糸」
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
侍(さむらひ)のくせに弓馬槍劍は空(から)つ下手(ぺた)、ちよいと男がよく、辯舌が達者で、算盤(そろばん)が出來て、風流氣があつた——そこを見込まれて、元々身上の良い増田屋の後家に惚れられ、増田屋の庭先の
「静かに(シランス)!」とフランス語のからっ下手(ぺた)なマイダーノフが、フランス語で叫んだ。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
その点を、信長公にも買われていたのじゃろうが、なんの戦争はからッ下手(ぺた)だ。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
併(しか)し狂歌は猿丸太夫(さるまるだいふ)のお尻(いど)という赤(あか)ッ下手(ぺた)だが一中節(いっちゅうぶし)を少し呻(うな)るので、それで客の幇間(たいこ)を持って世を渡るという男、唯此の男の顔を見ると何となく面白くなるという可愛らしい男で
吐いても通らないぞ、お前は博奕(ばくち)が空(から)つ下手(ぺた)で、勝負事で儲けた例の無い人間だ