一所ひととこ)” の例文
まず厨子ずしの本尊仏をかつぎだし、燭台経机きょうづくえの類をはじめ、唐織からおりとばり螺鈿らでんの卓、えいの香炉、経櫃きょうびつなど、ゆか一所ひととこに運び集める。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あゝ有り難うござりますると喜び受けて此中の仕様を一所ひととこ二所ふたとこは用ひし上に、彼箇所は御蔭でうまう行きましたと後で挨拶するほどの事はあつても当然なるに、開けて見もせず覗きもせず
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)