トップ
>
一所
>
いつしよ
ふりがな文庫
“
一所
(
いつしよ
)” の例文
ふいと
立
(
た
)
つて、「
一所
(
いつしよ
)
に
來
(
き
)
な。」で、
通
(
とほり
)
へ
出
(
で
)
て、
右
(
みぎ
)
の
濱野屋
(
はまのや
)
で、
御自分
(
ごじぶん
)
、めい/\に
似合
(
にあ
)
ふやうにお
見立
(
みた
)
て
下
(
くだ
)
すつたものであつた。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宗助
(
そうすけ
)
はもう
少
(
すこ
)
し
一所
(
いつしよ
)
に
歩
(
ある
)
いて、
屏風
(
びやうぶ
)
の
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
きたかつたが、わざ/\
回
(
まは
)
り
路
(
みち
)
をするのも
變
(
へん
)
だと
心付
(
こゝろづ
)
いて、
夫
(
それ
)
なり
分
(
わか
)
れた。
分
(
わか
)
れる
時
(
とき
)
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
二人は
何時
(
いつ
)
頃から
一所
(
いつしよ
)
の組になつたのでせう、それはもう余程小さい頃のことで、何年級制にならない何級制だつた頃のことかと思ひます。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
それぢや祝盃の主意を変へて、
仮初
(
かりそめ
)
にもああ云ふ美人と
一所
(
いつしよ
)
に居て寝食を
倶
(
とも
)
にすると云ふのが既に
可羨
(
うらやまし
)
い。そこを祝すのだ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
お光は立つて、小池の
背後
(
うしろ
)
から
皺
(
しわ
)
くちやになつたインバネスを
脱
(
ぬ
)
がし、自分の
單
(
ひと
)
へ
羽織
(
ばおり
)
と
一所
(
いつしよ
)
に黒塗りの
衣桁
(
いかう
)
へ掛けた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
▼ もっと見る
おまへも
世
(
よ
)
が
世
(
よ
)
ならば、
将軍様
(
せうぐんさま
)
の
御手
(
おて
)
にとまつて、
昔
(
むかし
)
は、
富士
(
ふじ
)
の
巻狩
(
まきがり
)
なぞしたものだが、
今
(
いま
)
ぢや
梟
(
ふくろう
)
と
一所
(
いつしよ
)
にこんなところへか※んでるのは
辛
(
つら
)
いだろうの。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
丁度自分が、お
祖父樣
(
ぢいさま
)
や
父樣
(
とうさま
)
や
母樣
(
かあさま
)
や
姉樣
(
ねえさま
)
と
一所
(
いつしよ
)
に、
夕餐
(
ゆうげ
)
の
團欒
(
まどゐ
)
の
最中
(
さなか
)
に、此の聲が起るのだから
耐
(
たま
)
らない。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「
御飯
(
ごはん
)
たべたら
迎
(
むか
)
ひに来てよ。」と
云
(
い
)
つたが
其
(
そ
)
の
後
(
あと
)
で、「をばさんも
一所
(
いつしよ
)
にいらツしやるでせうね。」
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
虫が知らせるといふものか
何
(
ど
)
うか分らぬが、「
慮
(
おも
)
つて而して知るにあらず、感じて而して然るなり」で、動物でも何でも
牝牡
(
ひんぼ
)
雌雄が引分けられてもいつか
互
(
たがひ
)
に尋ねあてゝ
一所
(
いつしよ
)
になる。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
ばんぶつは
一所
(
いつしよ
)
にあつまりて
純情小曲集:02 純情小曲集
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
悶えて居るゆゑ後藤は
可笑
(
をかし
)
く思ひ是はしたり
成程
(
なるほど
)
御前さんには持れぬはずどれ
此方
(
こつち
)
へと
引取
(
ひきとつ
)
て駕籠の棒へ
下緒
(
さげを
)
にて
縛
(
くゝ
)
りつけコレ御女中お前も
一所
(
いつしよ
)
に乘り給へ然すれば
却
(
かへつ
)
て道も
捗
(
はか
)
どらんと云ふに女は
否々
(
いへ/\
)
どう致して
勿々
(
なか/\
)
勿體
(
もつたい
)
なしと
辭退
(
じたい
)
なしければナニ遠慮なさるな夜中の事ゆゑ外に誰も見る者なしサア/\乘り給へと手を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ずぶ
濡
(
ぬれ
)
の、
一所
(
いつしよ
)
に
包
(
つゝ
)
んだ
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
に、
弱々
(
よわ/\
)
と
成
(
な
)
つて、
其
(
そ
)
のまゝ
縋着
(
すがりつ
)
いたのもあつたから、
手巾
(
ハンケチ
)
は
其
(
それ
)
なりに
土手
(
どて
)
に
棄
(
す
)
てて
身
(
み
)
を
起
(
おこ
)
した。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
は
時々
(
とき/″\
)
椅子の
角
(
かど
)
や、
洋卓
(
デスク
)
の前へ
来
(
き
)
て
留
(
と
)
まつた。それから又
歩
(
ある
)
き
出
(
だ
)
した。
彼
(
かれ
)
の
心
(
こゝろ
)
の動揺は、
彼
(
かれ
)
をして長く
一所
(
いつしよ
)
に
留
(
とゞ
)
まる事を許さなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
芝居で
与一平
(
よいちべい
)
などと云ふお
爺
(
ぢい
)
さん役の着て居ますあの茶色と
一所
(
いつしよ
)
の茶なんですものね。それは私の
姉
(
ねえ
)
さんの袢纏だつたのを私が貰つたのだつたらうと思ひます。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
併し何方にも何等の
興味
(
きようみ
)
を感ぜず、單に
一所
(
いつしよ
)
に行ツたお房とおふくろを悦ばせたといふに過ぎなかツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「
観音
(
くわんおん
)
さまの
市
(
いち
)
だわね。
今夜
(
こんや
)
一所
(
いつしよ
)
に行かなくつて。あたい
今夜
(
こんや
)
泊
(
とま
)
つてツてもいゝんだから。」
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
『十三の年から、もう一遍も出えしまへんがな。……あんたに別れてから一遍も出えしまへんのや。……十二の時、あんたと
一所
(
いつしよ
)
に祭に出ましたな、あれが
出納
(
でをさ
)
めだしたんや。』
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
利を入れるだけでも
方
(
ほう
)
が付かんのだから、長くこれを背負つてゐた日には、体も
一所
(
いつしよ
)
に沈没して了ふばかり、実に一身の浮沈に
関
(
かか
)
る大事なので、僕等も非常に心配してゐるやうなものの
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
お
隣
(
となり
)
の
方
(
かた
)
は
身代
(
みがは
)
りに
立
(
た
)
つて
下
(
くだ
)
すつたやうなものだから、
此方
(
こちら
)
が
治
(
なほ
)
つたら、お
墓
(
はか
)
を
尋
(
たづ
)
ねて、
私
(
わたし
)
も
參
(
まゐ
)
る、お
前
(
まへ
)
も
一所
(
いつしよ
)
に
日參
(
につさん
)
しようね。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
宗助
(
そうすけ
)
と
一所
(
いつしよ
)
になつて
以來
(
いらい
)
、
御米
(
およね
)
の
毎日
(
まいにち
)
膳
(
ぜん
)
を
共
(
とも
)
にしたものは、
夫
(
をつと
)
より
外
(
ほか
)
になかつた。
夫
(
をつと
)
の
留守
(
るす
)
の
時
(
とき
)
は、たゞ
獨
(
ひと
)
り
箸
(
はし
)
を
執
(
と
)
るのが
多年
(
たねん
)
の
習慣
(
ならはし
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ある夏の晩に、私は兄弟や
従兄
(
いとこ
)
等と
一所
(
いつしよ
)
に、大屋根の上の火の見台で涼んで居ました。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
『十五年も前の古い
馴染
(
なじみ
)
だから、ツイ
引
(
ひ
)
ツ
張
(
ぱ
)
られて、君と
一所
(
いつしよ
)
にこんなとこへ來たんだね。……初めて會つたんだと、僕は君なんぞ見向きもしないんだけど。』と、
不躾
(
ぶしつけ
)
に言ひ放つた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
もう返らない
幾年
(
いくねん
)
か
前
(
まへ
)
蘿月
(
らげつ
)
の
伯父
(
をぢ
)
につれられお
糸
(
いと
)
も
一所
(
いつしよ
)
に
酉
(
とり
)
の
市
(
いち
)
へ行つた事があつた………
毎年
(
まいとし
)
その日の事を思ひ出す
頃
(
ころ
)
から
間
(
ま
)
もなく、
今年
(
ことし
)
も去年と同じやうな寒い十二月がやつて来るのである。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「貴方がたも
一所
(
いつしよ
)
にお立ちなさらんか」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
雀
(
すゞめ
)
だつて、
四十雀
(
しじふから
)
だつて、
軒
(
のき
)
だの、
榎
(
えのき
)
だのに
留
(
と
)
まつてないで、
僕
(
ぼく
)
と
一所
(
いつしよ
)
に
坐
(
すわ
)
つて
話
(
はな
)
したら
皆
(
みんな
)
分
(
わか
)
るんだけれど、
離
(
はな
)
れてるから
聞
(
き
)
こえませんの。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
水
(
みづ
)
を
彈
(
はじ
)
いて
二
(
ふた
)
つが
一所
(
いつしよ
)
に
集
(
あつ
)
まつたと
云
(
い
)
ふよりも、
水
(
みづ
)
に
彈
(
はじ
)
かれた
勢
(
いきほひ
)
で、
丸
(
まる
)
く
寄
(
よ
)
り
添
(
そ
)
つた
結果
(
けつくわ
)
、
離
(
はな
)
れる
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
なくなつたと
評
(
ひやう
)
する
方
(
はう
)
が
適當
(
てきたう
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
さあ、
一所
(
いつしよ
)
に、
我家
(
うち
)
の日曜の朝の御飯。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
と、
誘
(
さそ
)
はれた
彼
(
かれ
)
も、ぐら/\と
地震
(
なゐ
)
ふる
墓
(
はか
)
の
中
(
なか
)
に、
一所
(
いつしよ
)
に
住
(
す
)
んで
居
(
ゐ
)
るもののやうな
思
(
おも
)
ひがして、をかしいばかり
不安
(
ふあん
)
でならぬ。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
其所迄
(
そこまで
)
御
一所
(
いつしよ
)
に
出
(
で
)
ませう。
可
(
い
)
いでせう」と云つた。三四郎は靴の
紐
(
ひも
)
を結びながら、「えゝ、
何
(
ど
)
うでも」と答へた。女は
何時
(
いつ
)
の間にか、
和土
(
たゝき
)
の
上
(
うへ
)
へ
下
(
お
)
りた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
さあ、
一所
(
いつしよ
)
に、
我家
(
うち
)
の日曜の朝の御飯。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
気
(
き
)
が
気
(
き
)
では
無
(
な
)
い。
一所
(
いつしよ
)
に
捜
(
さが
)
しに
出
(
で
)
かけやうと
言
(
い
)
ふと、いや/\
山坂
(
やまさか
)
不案内
(
ふあんない
)
な
客人
(
きやくじん
)
が、
暗
(
やみ
)
の
夜路
(
よみち
)
ぢや、
崖
(
がけ
)
だ、
谷
(
たに
)
だで、
却
(
かへ
)
つて
足手絡
(
あしてまと
)
ひに
成
(
な
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
一所
(
いつしよ
)
に居ることは居ますが、つい面倒だから
聞
(
き
)
いた
事
(
こと
)
もありません。何でも
能
(
よ
)
くこぼしてる様です」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
母と
一所
(
いつしよ
)
にしたその旅の記憶を
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
が、
誰
(
たれ
)
も
来
(
き
)
ては
不可
(
いけな
)
い、
屹
(
きつ
)
と
来
(
き
)
ては
不可
(
いけな
)
い、いづれ、やがて
其
(
そ
)
の
仕事
(
しごと
)
が
出来
(
でき
)
ると、お
浦
(
うら
)
と
一所
(
いつしよ
)
に、
諸共
(
もろとも
)
にお
目
(
め
)
に
懸
(
かゝ
)
つて
更
(
あらた
)
めて
御挨拶
(
ごあいさつ
)
をする。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
有意識か無意識か、
巴
(
ともえ
)
の
輪
(
わ
)
は
回
(
めぐ
)
るに従つて次第に
狭
(
せば
)
まつて
来
(
き
)
た。
遂
(
つい
)
に
三巴
(
みつどもえ
)
が
一所
(
いつしよ
)
に
寄
(
よ
)
つて、丸い円にならうとする少し前の所で、忽然其一つが
欠
(
か
)
けたため、残る二つは平衡を失なつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「お遊びな、
一所
(
いつしよ
)
にお遊びな。」とせまりて勧めぬ。
小家
(
こいえ
)
あちこち、このあたりに住むは、かたゐといふものなりとぞ。風俗少しく異なれり。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
もう
廃
(
よ
)
して、
一所
(
いつしよ
)
に
出
(
で
)
ちや。西洋軒で御茶でも
上
(
あ
)
げます。なに
私
(
わたし
)
は用があるから、どうせ
一寸
(
ちよつと
)
行かなければならない。——会の
事
(
こと
)
でね、マネジヤーに相談して置きたい事がある。懇意の男だから。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
もの
凄
(
すご
)
いと
言
(
い
)
つては、
濱野
(
はまの
)
さんが、
家内
(
かない
)
と
一所
(
いつしよ
)
に
何
(
なに
)
か
罐詰
(
くわんづめ
)
のものでもあるまいかと、
四谷通
(
よつやどほり
)
へ
夜
(
よ
)
に
入
(
はひ
)
つて
出向
(
でむ
)
いた
時
(
とき
)
だつた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
無論
(
むろん
)
、
婿
(
むこ
)
がねと
一所
(
いつしよ
)
で、
其
(
それ
)
は一
等室
(
とうしつ
)
はあつたかも
知
(
し
)
れない。が、
乗心
(
のりごゝろ
)
の
模様
(
もやう
)
も、
色合
(
いろあひ
)
も、いま
見
(
み
)
て
思
(
おも
)
ふのと
全
(
まつた
)
く
同
(
おな
)
じである。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此
(
こ
)
の
話
(
はなし
)
を——
或時
(
あるとき
)
、
弴
(
とん
)
さんと
一所
(
いつしよ
)
に
見
(
み
)
えた
事
(
こと
)
のある
志賀
(
しが
)
さんが
聞
(
き
)
いて、
西洋
(
せいやう
)
の
小説
(
せうせつ
)
に、
狂氣
(
きやうき
)
の
如
(
ごと
)
く
鉛筆
(
えんぴつ
)
を
削
(
けづ
)
る
奇人
(
きじん
)
があつて、
女
(
をんな
)
のとは
限
(
かぎ
)
らない
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
思切
(
おもひき
)
る、
断念
(
あきら
)
めた、
女房
(
にようばう
)
なんぞ
汚
(
けが
)
らはしい。
貴女
(
あなた
)
と
一所
(
いつしよ
)
に
置
(
お
)
いて
下
(
くだ
)
さい、お
爺
(
ぢい
)
さんも
頼
(
たの
)
んで
下
(
くだ
)
さい、
最
(
も
)
う
一度
(
いちど
)
手
(
て
)
を
取
(
と
)
つて
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「いかに
方々
(
かた/″\
)
、
御前
(
ごぜん
)
へ
申
(
まを
)
し、
何某殿
(
なにがしどの
)
の
御内室
(
ごないしつ
)
をも
一所
(
いつしよ
)
に
此中
(
このなか
)
へ
入
(
い
)
れ
申
(
まを
)
さむか、
雌雄
(
つがひ
)
ならでは
風情
(
ふぜい
)
なく
候
(
さふらふ
)
」などと
散々
(
さん/″\
)
。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
消
(
け
)
して
下
(
くだ
)
すつた
兵隊
(
へいたい
)
さんを、こゝでも
拜
(
をが
)
みませう。」と、
女中
(
ぢよちう
)
と
一所
(
いつしよ
)
に
折
(
を
)
り
重
(
かさ
)
なつて
門
(
かど
)
を
覗
(
のぞ
)
いた
家内
(
かない
)
に、「
怪我
(
けが
)
をしますよ。」と
叱
(
しか
)
られて
引込
(
ひきこ
)
んだ。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いや、そんな
事
(
こと
)
より、
力餅
(
ちからもち
)
さへ
食
(
く
)
はぬ
二人
(
ふたり
)
が、
辨當
(
べんたう
)
のうまさうなのに、ごくりと
一所
(
いつしよ
)
に
唾
(
つ
)
をのんでお
腹
(
なか
)
が
空
(
す
)
いて
堪
(
たま
)
らない。……
船頭
(
おやぢ
)
の
菜
(
さい
)
も
糠鰊
(
こぬかにしん
)
で。……
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
途中
(
とちう
)
で
出
(
で
)
あつたと
言
(
い
)
つて、
吉井勇
(
よしゐいさむ
)
さんが
一所
(
いつしよ
)
に
見
(
み
)
えた。これは、
四谷
(
よつや
)
に
居
(
ゐ
)
て
無事
(
ぶじ
)
だつた。が、
家
(
いへ
)
の
裏
(
うら
)
の
竹藪
(
たけやぶ
)
に
蚊帳
(
かや
)
を
釣
(
つ
)
つて
難
(
なん
)
を
避
(
さ
)
けたのださうである——
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
此
(
こ
)
の
分
(
ぶん
)
だけは、
鰐皮
(
わにがは
)
の
大分
(
だいぶ
)
膨
(
ふくら
)
んだのを、
自分
(
じぶん
)
の
晝夜帶
(
ちうやおび
)
から
抽出
(
ひきだ
)
して、
袱紗包
(
ふくさづつ
)
みと
一所
(
いつしよ
)
に
信玄袋
(
しんげんぶくろ
)
に
差添
(
さしそ
)
へて
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此方
(
こつち
)
で
其
(
そ
)
の
意氣
(
いき
)
の
顯
(
あらは
)
れる
時分
(
じぶん
)
には、
親仁
(
おやぢ
)
は
車
(
くるま
)
の
輪
(
わ
)
を
覗
(
のぞ
)
くやうに
踞込
(
しやがみこ
)
んで、
髯
(
ひげ
)
だらけの
唇
(
くちびる
)
を
尖
(
とんが
)
らして、
管
(
くだ
)
と
一所
(
いつしよ
)
に、
口
(
くち
)
でも、しゆツ/\
息
(
いき
)
を
吹
(
ふ
)
くのだから
面白
(
おもしろ
)
い。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それから
清水港
(
しみづみなと
)
を
通
(
とほ
)
つて、
江尻
(
えじり
)
へ
出
(
で
)
ると、もう
大分
(
だいぶん
)
以前
(
いぜん
)
に
成
(
な
)
るが、
神田
(
かんだ
)
の
叔父
(
をぢ
)
と
一所
(
いつしよ
)
の
時
(
とき
)
、わざとハイカラの
旅館
(
りよくわん
)
を
逃
(
に
)
げて、
道中繪
(
だうちうゑ
)
のやうな
海道筋
(
かいだうすぢ
)
、
町屋
(
まちや
)
の
中
(
なか
)
に
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
(
否
(
いえ
)
、
何
(
なん
)
の
貴僧
(
あなた
)
。お
前
(
まい
)
さん
後程
(
のちほど
)
に
私
(
わたし
)
と
一所
(
いつしよ
)
にお
食
(
た
)
べなされば
可
(
いゝ
)
のに。
困
(
こま
)
つた
人
(
ひと
)
でございますよ。)とそらさぬ
愛想
(
あいさう
)
、
手早
(
てばや
)
く
同一
(
おなじ
)
やうな
膳
(
ぜん
)
を
拵
(
こしら
)
えてならべて
出
(
だ
)
した。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
言
(
い
)
ふのが
情婦
(
いろ
)
で、「
一所
(
いつしよ
)
にキヤツと
言
(
い
)
つて、
跣足
(
はだし
)
で
露地
(
ろぢ
)
の
暗
(
くら
)
がりを
飛出
(
とびだ
)
しました。それつ
切
(
きり
)
音信
(
いんしん
)
が
分
(
わか
)
りませんから。」
慌
(
あわ
)
てて
歸
(
かへ
)
つた。——
此
(
こ
)
の
知合
(
しりあひ
)
を
誰
(
たれ
)
とかする。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“一所”の意味
《名詞》
一つの場所や地域。
同じ場所。
一緒。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
“一所”で始まる語句
一所不住
一所二所