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凝
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こご
ふりがな文庫
“
凝
(
こご
)” の例文
不安動揺の人間の悲劇が
凝
(
こご
)
って、この無比の菩薩像が立ちあらわれたに違いないが、あの駘蕩としてのっぺりした御顔を仰いでいると
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
兄の
不甲斐
(
ふがい
)
ない性質に対する日頃の不満と、この弟を
凝
(
こご
)
つた
瑩玉
(
えいぎょく
)
のやうに美しくしてゐる生れ付き表現の
途
(
みち
)
を知らない情熱と
過去世
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
蒼白
(
あをじろ
)
う、
灰
(
はひ
)
のやうに
蒼白
(
あをじろ
)
うなって、
血
(
ち
)
みどろになって、どこもどこも
血
(
ち
)
が
凝
(
こご
)
りついて。
見
(
み
)
ると
其儘
(
そのまゝ
)
、わしゃ
氣
(
き
)
を
失
(
うし
)
なうてしまひましたわいの。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
変に
凝
(
こご
)
った雲のかたまりが少しずつ動いているらしく、その上方の鋭い山脈の色合が黒から藍と変って来ても、西洋人どもは誰ひとり見に来なかった。
リギ山上の一夜
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
線を
為
(
な
)
し、筋を為し、円を描き、方形を
形成
(
かたちづく
)
り、流れ
凝
(
こご
)
り、紙帳の
面貌
(
おもて
)
は、いよいよ怪異を現わして来た。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
勃然
(
ぼつぜん
)
として焼くような
嫉妬
(
しっと
)
が葉子の胸の中に堅く
凝
(
こご
)
りついて来た。葉子はすり寄っておどおどしている岡の手を力強く握りしめた。葉子の手は氷のように冷たかった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
みんな天の川の砂が
凝
(
こご
)
って、ぼおっとできるもんですからね、そして始終川へ帰りますからね、川原で待っていて、鷺がみんな、
脚
(
あし
)
をこういう風にして下りてくるとこを
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
早や早やも土は
凝
(
こご
)
りて、岩角の犬羊歯が下、枯れ枯れの雑木の根ごと、そくそくと
氷柱
(
つらら
)
さがれり。ほきほきと
氷柱
(
つらら
)
掻き折り、かりかりと噛みもて行けば、あな
冷
(
つめ
)
た、つめたかりけり。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
この草を煮とらかすとよく
凝
(
こご
)
るので、「ここりぶと」からココロブトといい出した時代が久しく、意味とは何の関係もなしに、心太の文字を使い出したのが、文字はそのままにしておいて
食料名彙
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
鉞を研ぐ前に立った鼻筋の太いのは熱心に鉞の物凄く光るのを見守っていた——
晩方
(
ばんがた
)
の冷気が膚に浸みて、鼻から出る息が白く
凝
(
こご
)
った。この際は三人とも等しく歌に心を取られていたらしい。
捕われ人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
雫
(
しづく
)
は丁度秋の野の黄色い草に置く露のやうに、籠に
凝
(
こご
)
りつきました。
孝行鶉の話
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
日や落入りて
溺
(
おぼ
)
るゝは、
凝
(
こご
)
るゆふべの
血潮雲
(
ちしほぐも
)
。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
焼きつくされた娘心を
凝
(
こご
)
らせるあなたに
対
(
むか
)
い
原爆詩集
(新字新仮名)
/
峠三吉
(著)
すいて
凝
(
こご
)
った泉の中に
まざあ・ぐうす
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
空は
凝
(
こご
)
って青く澄み、大陸のような雲が少し雨気で色を濁しながらゆるゆる移って行く。隣の
乾物
(
ほしもの
)
の陰に桐の花が咲いている。
老妓抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
血が一筋吹き上り、五寸あまりも宙に躍ったのはその痙攣と同時であったが、しかしそれも一
刹那
(
せつな
)
で、乙女の振り撒いた茶褐色の粉が、流れる
血汐
(
ちしお
)
を
凝
(
こご
)
らせた。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「磐が根の
凝
(
こご
)
しき山に入り
初
(
そ
)
めて山なつかしみ出でがてぬかも」という歌があり、これは寄
レ
山歌だからこういう表現になるのだが、
寧
(
むし
)
ろ民謡風に
楽
(
らく
)
なもので
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
早や早やも土は
凝
(
こご
)
りて、岩角の犬羊歯が下、枯れ枯れの雑木の根ごと、そくそくと
氷柱
(
つらら
)
さがれり。ほきほきと、氷柱掻き折り、かりかりと噛みもて行けば、あな
冷
(
つめ
)
た、つめたかりけり。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
白い髭に微かに洩れる鼻息が白く
凝
(
こご
)
ってかかった。
点
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
日や落入りて溺るゝは、
凝
(
こご
)
るゆふべの血潮雲
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
凝
(
こご
)
えた
豌豆汁
(
えんどうじる
)
で
まざあ・ぐうす
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
格幅
(
かっぷく
)
のいゝ身体に豊かに着こなした
明石
(
あかし
)
の着物、
面高
(
おもだか
)
で眼の大きい智的な顔も一色に紫がゝつた
栗
(
くり
)
色に見えた。古墳の中の空気をゼリーで
凝
(
こご
)
らして身につけてゐるやうだつた。
過去世
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
厳
(
いつ
)
かしき国の境や椴松に雲白うゐて
凝
(
こご
)
りたりけり
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
凝
(
こご
)
えた
豌豆汁
(
えんどうじる
)
で
まざあ・ぐうす
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
青く
凝
(
こご
)
って
澄
(
す
)
んだ東北特有の初夏の空の下に町家は
黝
(
くろず
)
んで、
不揃
(
ふぞろ
)
いに
並
(
なら
)
んでいた。
廂
(
ひさし
)
を長く
突出
(
つきだ
)
した低いがっしりした二階家では窓から
座敷
(
ざしき
)
に積まれているらしい
繭
(
まゆ
)
の山の
尖
(
さき
)
が白く
覗
(
のぞ
)
かれた。
みちのく
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
精舎
(
しやうじや
)
また水晶と
凝
(
こご
)
る
時
(
とき
)
愁
(
うれひ
)
やぶれて
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
凝
(
こご
)
りかけつつ行き消えぬ。
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
立ち
凝
(
こご
)
る夜霧なり。
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
まだ
凝
(
こご
)
りて。
第二海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
凝
常用漢字
中学
部首:⼎
16画
“凝”を含む語句
凝然
凝視
凝結
凝乎
混凝土
凝固
凝塊
凝滞
凝集
三上水凝刀自女
凝脂
凝灰岩
思凝
凝議
凝坐
煮凝
凝固土
凝如
凝着
唐太常凝菴
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