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凝
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ぢ
ふりがな文庫
“
凝
(
ぢ
)” の例文
平次の指さした方、輕業小屋の樂屋口には僅かに殘る雀色の夕あかりの中に、ほの白い顏が
凝
(
ぢ
)
つとこちらを見てゐるではありませんか。
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして電柱に
靠
(
もた
)
れて此方を見送つてゐる千登世と、圭一郎も車掌臺の窓から互ひに視線を
凝
(
ぢ
)
つと喰ひ合してゐたが、
軈
(
やが
)
て
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
呼ばれた犬は
凝
(
ぢ
)
つとした儘でその顏だけを仰向かせてみのるを見詰めたが、直ぐその顏を斜にして
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
欣之介は、彼自身、自分の考へてゐることを他の人達のやうに口に出して話すことをあまり好まなかつたが、さうした人達のさうした話を
凝
(
ぢ
)
つと聞いてゐるのが愉快で
堪
(
たま
)
らなかつた。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
振り返ると段の中程のところに立つて、不精らしく懷手をしたまゝ、
凝
(
ぢ
)
つと娘の樣子を見て居るのは、渡り
中間
(
ちうげん
)
らしい樣子をした中年男です。
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
川下からのぼつて來る配達夫をお父さまはあの高い丘の果樹園からどこに行くかを
凝
(
ぢ
)
つと視おろしてゐられます。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
中は塗りつぶしたやうに眞つ暗な上、
埃
(
ほこり
)
だらけで
蜘蛛
(
くも
)
の巣だらけで、
凝
(
ぢ
)
つとして居るのは樂な仕事ではありません。
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それからほんの半刻、平次も八五郎も、不思議な
焦燥
(
せうさう
)
に、
凝
(
ぢ
)
つとして居られないやうな心持でした。
銭形平次捕物控:107 梅吉殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お組は平次の顏をチラと見ましたが、そのまゝ首を垂れて、
凝
(
ぢ
)
つと、板の上を見詰めて居ります。
銭形平次捕物控:224 五つの壺
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さう言はれてハツと後ろを振り向いた平次の眼は、多勢の人間の後ろから、
凝
(
ぢ
)
つと此方を見詰めて居る、美しいが鋭い二つの
眸
(
ひとみ
)
と、刄金と刄金のやうに切結んだのです。
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
物慣れた平次も、思はずタジタジと
退
(
すさ
)
りましたが、次第に激しくなる煙硝の匂ひに、もう一度氣を取り直して、毒蛇の眼の如きお小夜の瞳を、精魂こめて
凝
(
ぢ
)
つと見詰めました。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二人は闇の中に、暫くは
凝
(
ぢ
)
つとして居りました。が、やがて八五郎は間の惡さうに、コソコソと闇の廊下を引返し、宗之助は身體の
濡
(
ぬ
)
れを拭いて、風呂場の外へ出て來た樣子です。
銭形平次捕物控:246 万両分限
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
凝
(
ぢ
)
つと聽いて居ると、師走らしいあわたゞしさが、江戸の街々を活氣づけて、障子に這ひ上がる晝の陽ざしの中を、餌をあさる小鳥が飛び交ふのも、冬の閑居にふさはしい忙しさでした。
銭形平次捕物控:260 女臼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は
凝
(
ぢ
)
つと若い男の顏に見入りました。精々二十五六でせう。身を持崩しては居りますが、百姓の子らしい堅實さの何處かに殘る樣子も、決して人を不愉快にさせるやうな男ではありません。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は八五郎の
饒舌
(
ぜうぜつ
)
を封じて、
凝
(
ぢ
)
つと庵室の中を見廻しました。
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「手前達は後で縛つてやる、
凝
(
ぢ
)
つとして待つて居やがれ」
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は腕を
拱
(
こまぬ
)
いて
凝
(
ぢ
)
つと考へ込みました。
銭形平次捕物控:004 呪ひの銀簪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
凝
常用漢字
中学
部首:⼎
16画
“凝”を含む語句
凝然
凝視
凝結
凝乎
混凝土
凝固
凝塊
凝滞
凝集
三上水凝刀自女
凝脂
凝灰岩
思凝
凝議
凝坐
煮凝
凝固土
凝如
凝着
唐太常凝菴
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