“ぐずぐず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
愚図愚図60.0%
愚図々々30.0%
愚頭々々3.3%
愚図〻〻1.7%
躊躇1.7%
遅々1.7%
遅鈍1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「東京市民は、愚図愚図ぐずぐずしていると、毒瓦斯で、全滅するぞ。兵営に、防毒マスクが、沢山貯蔵されているから、押駆けろッ」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「何を愚図々々ぐずぐずしているんだえ? ほんとうにお前位、ずうずうしい女はありゃしないよ。きっと又台所で居睡いねむりか何かしていたんだろう?」
アグニの神 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
もう好加減いいかげんに通りそうなもの、何を愚頭々々ぐずぐずしているのかと、一刻千秋の思い。死骸の臭気はいささかも薄らいだではないけれど、それすら忘れていた位。
何処へ往っても直ぐぜにになる種々の工場があるので、男も女も愚図〻〻ぐずぐず云われると直ぐぷいと出て往って了う。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
仕方がないと舌打したうちしながら、倒れた戸のあいだから表を覗いて見ると、風も雪もますますれて来た。こんな所に何時いつまでも躊躇ぐずぐずしていたら、こごえて死んでしまうかも知れぬ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
こんな場合にいつも先陣を争う髯将軍はいかにせしぞとのちに聴けば、将軍、剛力の遅々ぐずぐずしゃくに触って堪らず、暫時しばし叱咜しった督励していた為に、思わず大いに遅れたという事だ。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
然し、それが旦那様の御人おひといいという証拠で、御天性おうまれつき普通なみの人とは違ったところでしょう。一体、寒い国の殿方には遅鈍ぐずぐずした無精な癖があるものですけれど、旦那様にはそれがありません。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)