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愚図愚図
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ぐずぐず
ふりがな文庫
“
愚図愚図
(
ぐずぐず
)” の例文
「とにかく、車に乗りたまえ。そんなところに
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
しているとまた風邪を引くよ」と、車の方へコン吉を押しやろうとする。
ノンシャラン道中記:02 合乗り乳母車 ――仏蘭西縦断の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「東京市民は、
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
していると、毒瓦斯で、全滅するぞ。兵営に、防毒マスクが、沢山貯蔵されているから、押駆けろッ」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
してはいられぬから、
我身
(
わがみ
)
を笑いつけて、まず乗った。
引
(
ひっ
)
かかるよう、
刻
(
きざ
)
が入れてあるのじゃから、気さえ
確
(
たしか
)
なら
足駄
(
あしだ
)
でも
歩行
(
ある
)
かれる。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
話はとうとう
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
になってしまった。そのうちに
昏睡
(
こんすい
)
が来た。例の通り何も知らない母は、それをただの眠りと思い違えてかえって喜んだ。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あの人の好さそうな
乳母
(
うば
)
に聴いたら、詳しい事情がわかるだろうと思いましたが、この上
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
して居ると、恩を売るようで面白くありません。
悪人の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
すると面倒な国際問題にまでも引っかかって行きそうな形勢になって来たので、ジッとしておれなくなった。
S岬西洋婦人絞殺事件
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「ふふう、あの老人連中と来た日には、何と言えば集まって
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
いうのが好きなのじゃ。それだけのことじゃ」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
私はいつでも、まだ二十日もある、十日あると思いながら
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
しているうちに、ずるずると
土壇場
(
どたんば
)
に追い込まれてしまうのがおきまりなのであった。
犬の生活
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
何かにつけて緑雨は万年博士を
罵
(
ののし
)
って、
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
いやア万年泣拝という手紙を何本も発表してやると
力
(
りき
)
んでいた。
斎藤緑雨
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
家を出る時でも、編上靴のように、永いこと玄関にしゃがんで
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
している必要がない。すぽり、すぽりと足を突込んで、そのまますぐに出発できる。
服装に就いて
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
している場合じゃない——そんな事もはっきり感じられた。彼はすぐに立ち上ると、
真鍮
(
しんちゅう
)
の手すりに手を触れながら、どしどし
梯子
(
はしご
)
を下りて行った。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「有難てえ。長引いたら、今度ばかりゃ、ほうぼうから集まって来るに違えねえから、
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
しちゃいられねえ仕事、兄貴が来ておくんなさりゃ、千人力だ」
乳を刺す:黒門町伝七捕物帳
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「とにかく無事でよかった。
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
していて又海嘯が来てやられてはつまらないし、火事もこっちが風下だから、何か持って行けるものだけ持って引上げよう。」
九月一日
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「心配しないだっていいです。僕はどこまでもあなたと一緒に行きます。サア、
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
している時じゃありません。逃げましょう。逃げられる所まで逃げましょう」
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
刑罰もなく、咎めることもなく、叱られることもなく、
五月蠅
(
うるさ
)
く
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
いわれることもない。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
いくら
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
云ったところでどうにもならんと云ったらならんのだから、と
最後
(
しまい
)
には、
焦立
(
いらだ
)
たしそうに卓を叩いて、文句があるなら市長に云いたまえ、と云うのであった。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「何を
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
申しておるぞ!」長者は憎々しく怒鳴り立てた。「
穏
(
おとな
)
しく
各自
(
めいめい
)
の
室
(
へや
)
へ帰って、鳰鳥の行くのを待つがいい! 鳰鳥の言葉は
俺
(
わし
)
の言葉、決して抗弁はならぬぞよ!」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ことによると人跡未到の地かも知れぬ、よし
夫
(
それ
)
なら私達が真先に蹈み込んでやろうという
考
(
かんがえ
)
が心の中に閃めいた。
然
(
しか
)
し様子が知れないので
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
している間に三年は過ぎて仕舞った。
奥秩父の山旅日記
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
その
時
(
とき
)
俺
(
わし
)
ははっとして、これは
最
(
も
)
う
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
していられないと
思
(
おも
)
った。それから
何年
(
なんねん
)
になるか
知
(
し
)
れぬが、
今
(
いま
)
では
少
(
すこ
)
し
幽界
(
ゆうかい
)
の
修行
(
しゅぎょう
)
も
積
(
つ
)
み、
明
(
あか
)
るい
所
(
ところ
)
に一
軒
(
けん
)
の
家屋
(
かおく
)
を
構
(
かま
)
えて
住
(
すま
)
わして
貰
(
もら
)
っている……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
風が
吹
(
ふ
)
いて
騒
(
ざわ
)
ついた厭な日だったもの、釣れないだろうとは思ったがね、
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
していると
叱
(
しか
)
られるから、ハイと云って釣には出たけれども、どうしたって日が悪いのだもの、釣れやしないのさ。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
しかし
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
することは許されない。係員を半分にわけ、一隊は芝浦港へ、一隊は横浜港へ。そして課長自身は信ずるところあって横浜へ——。
地中魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかも学校まではまだ五
基米
(
キロ
)
以上あるのだから、
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
すると時間の余裕が無くなるかも知れない……だから俺はここに
立佇
(
たちど
)
まって考えていたのだ。
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
明治十七年、貴方がたがまだ生れない先、私は
其所
(
そこ
)
へ這入ったのです。それから——実は落第しております。落第して
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
している内にこの学校が出来た。
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「気が張っておりますから、大したことはございません、——でもいい
按排
(
あんばい
)
でございました。今頃まで
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
していたら、どんな事になったかわかりません」
奇談クラブ〔戦後版〕:12 乞食志願
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
畜生
(
ちくしょう
)
! まだ
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
しているな。これでもか? これでもか?」砂利は続けさまに飛んで来ました。中には白の耳のつけ根へ、血の
滲
(
にじ
)
むくらい当ったのもあります。
白
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
殆
(
ほと
)
んどあっけに取られる程であったが、兎も角
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
している場合でないと思ったので、博士と共に、門前に待たせてあった警視庁の自動車に乗り込んで、U公園の科学陳列館へ走らせた。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
もし刑罰とすれば、
恵
(
めぐみ
)
の
杖
(
しもと
)
、
情
(
なさけ
)
の
鞭
(
むち
)
だ。実際その罪を罰しようとするには、そのまま無事に置いて、平凡に
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
に
生存
(
いきなが
)
らえさせて、
皺
(
しわ
)
だらけの
婆
(
ばば
)
にして、その娘を終らせるが
可
(
い
)
いと、私は思う。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
きのうは一日、家にいて「
綴方
(
つづりかた
)
教室」を読了し、いろいろ考えて夜もなかなか眠られなかった。「綴方教室」の作者は、僕と同じ
歳
(
とし
)
なのだ。僕もまったく、
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
しては居られないと思ったのだ。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
何を
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
してるんだと、叱り飛ばす権幕だった。
九月一日
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
先生は直ぐ駈けつけて下さいましたけれど、あたくしが、
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
しているうちに、
頭髪
(
かみ
)
についていた硫酸らしいものが眼の中へ流れこんだのです。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
コック部屋に無けあ船長室に在る筈だ。そいつを
掻
(
か
)
っ
払
(
ぱら
)
って来い。なぐられるもんか。
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
吐
(
ぬ
)
かしたら俺が
命令
(
いいつけ
)
たと云え。
船長
(
おやじ
)
には貸しがあるんだ。……行って来い……。
焦点を合せる
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
よし主人が小供をつらまえて
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
理窟
(
りくつ
)
を
捏
(
こ
)
ね廻したって、落雲館の名誉には関係しない、こんなものを
大人気
(
おとなげ
)
もなく相手にする主人の
恥辱
(
ちじょく
)
になるばかりだ。敵の考はこうであった。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
に一日一日延びていた。
果樹
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
君江はそれを
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
云ったものだから、金は
怒
(
おこ
)
って、それじゃお前には今までのように薬をやらないぞといって、薬の制限で君江を黙らせようとしたのだ。
ゴールデン・バット事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そうだ、もう
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
はしていられないのだ。こんなに停頓することは、われわれの予定にはなかったことだ。そうだ、
先刻
(
さっき
)
本国の参謀局から指令が来ていた。それを
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「オイ『赤毛』君。——しっかりするんだ。
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
していると、俺達は死んでしまうぞ」
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そんなに
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
手間どっていると、この蠅は象のように大きくなってしまうことだろう。
蠅
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「よオし。
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
していないで、その吸血鬼を
捉
(
とら
)
えてやらねばならん」
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「そう、
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
してられないわねエ」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
ぬかすと、のしちまうぞ」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
愚
常用漢字
中学
部首:⼼
13画
図
常用漢字
小2
部首:⼞
7画
愚
常用漢字
中学
部首:⼼
13画
図
常用漢字
小2
部首:⼞
7画
“愚図”で始まる語句
愚図
愚図々々
愚図〻〻