躊躇ためらっ)” の例文
姉は流石さすが躊躇ためらっていたように見えた。さも哀しげに渓間たにまの月影を見下して、果ては二人してさめざめと泣くのである。
稚子ヶ淵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
文三はすこ躊躇ためらって梯子段を降果てお勢の子舎の入口まで参りは参ッたが、うちへとては立入らず、唯鵠立たたずんでいる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「しかし」と躊躇ためらった右近丸、「走れますかな、貴女には?」
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)