“いきなり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
突然69.6%
突如19.9%
唐突3.5%
卒然1.8%
匆卒1.2%
不意0.6%
行也0.6%
匇卒0.6%
単直0.6%
直接0.6%
直然0.6%
行成0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と停車場(ステエション)の後(うしろ)は、突然(いきなり)荒寺の裏へ入った形で、芬(ぷん)と身に沁(し)みる木(こ)の葉の匂(におい)、鳥の羽で撫(な)でられるように、さらさらと——袖が鳴った。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
梯子段(はしごだん)を踏轟(ふみとどろ)かして上ッて来て、挨拶(あいさつ)をもせずに突如(いきなり)まず大胡坐(おおあぐら)。我鼻を視るのかと怪しまれる程の下眼を遣ッて文三の顔を視ながら
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
『汝(なんぢ)、覺悟(かくご)をせよ』女王樣(ぢよわうさま)は唐突(いきなり)聲(こゑ)を怒(いか)らし、斯(か)う云(い)ひながら地韛踏(ぢだんだふ)んで、『頭(あたま)を刎(は)ねるが、宜いか、唯(たつ)タ今(いま)!さァ!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
森影暗く月の光を遮(さえぎ)った所へ来たと思うと少女(むすめ)は卒然(いきなり)僕に抱きつかんばかりに寄添って
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「難有(ありがと)う御座います。それで僕も安心しました。イヤ真(まこと)に失礼しました匆卒(いきなり)貴様を詰(とが)めまして……」と彼は人を圧(おし)つけようとする最初の気勢とは打(うっ)て変り、如何(いか)にも力なげに詫(わび)たのを見て
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ところがそこから折り返して旧(もと)の位置に戻ると、法水は卓子灯(スタンド)の中に何を認めたものか、不意(いきなり)検事を振り向いて
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
内部(なか)は漆黒(しっこく)の闇で、穴蔵のような湿った空気が、冷やりと触れてくる。ところが、どうしたことか、中途で法水は不意(いきなり)動作を中止して、戦慄(せんりつ)を覚えたように硬くなってしまった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「厭(いや)な色だ、何んだ。」と湯村は行也(いきなり)その髪油の壜を取つて流しに投付けた。三和土(たゝき)になつてる。ひどい音して粉々に壊れた。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
「六郎さんが丈夫ですと、今年は一緒に大学へ来るんでした。一昨日の晩停車場(ステーション)でお母様が然(さ)う云つて泣かれました。」と、坐ると行也(いきなり)、その事を云出す。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
心(こゝろ)は不覺(そゞろ)、氣(き)は動顛(どうてん)して、匇卒(いきなり)、室(へや)を飛出(とびだ)したが、帽(ばう)も被(かぶ)らず、フロツクコートも着(き)ずに、恐怖(おそれ)に驅(か)られたまゝ、大通(おほどほり)を眞(ま)一文字(もんじ)に走(はし)るのであつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
其所(そこ)へのっそり帰って来たのが亭主の磯吉である。お源は単直(いきなり)前借の金のことを訊(き)いた。磯は黙って腹掛から財布を出してお源に渡した。お源は中を査(あらた)めて
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
何んだか信用出来ない話だけれど、乃公はお父さんを驚(おど)かす積りで心待ちに待っていた。けれどもお父さんは驚かないで、直接(いきなり)と怒ってしまった。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
井下伯もせめて娘だけでも世話をしてやらんと富岡が可憐(かわい)そうだと言ッて、大変乃公を気の毒がっていたとこう言うじゃアないか、乃公は直然(いきなり)彼奴(きゃつ)の頭をぽかり一本参ってやった
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
雜然たる叫聲の中、殺氣は既に滿ち渡つて、氣早の若者は行成(いきなり)横合から飛び出して、思ひ切り芳の天窓(あたま)を擲つた、續いて何處よりともなく、拳の雨は彼の頭上に降り注いだのである。意外。
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)