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突然
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いきなり
ふりがな文庫
“
突然
(
いきなり
)” の例文
そこまでがほんとの話で、
突然
(
いきなり
)
、まつは
愁
(
つら
)
いとみな
仰
(
おし
)
ゃんすけれどもなア——とケロケロと
唄
(
うた
)
いだすのだった。そして小首を
傾
(
かし
)
げて
旧聞日本橋:09 木魚の配偶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
と
停車場
(
ステエション
)
の
後
(
うしろ
)
は、
突然
(
いきなり
)
荒寺の裏へ入った形で、
芬
(
ぷん
)
と身に
沁
(
し
)
みる
木
(
こ
)
の葉の
匂
(
におい
)
、鳥の羽で
撫
(
な
)
でられるように、さらさらと——袖が鳴った。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして果せる哉、
本統
(
ほんとう
)
に伊勢鰕のように真赤な顔になった。
乃公
(
おれ
)
は困ったと思うと、富田さんが
突然
(
いきなり
)
乃公の手を捉えたのには
喫驚
(
びっくり
)
した。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それから、彼は窓の障子をあけて、土蜘蛛の押絵をあちこちから眺めすかしていたが、
突然
(
いきなり
)
背伸びをして、右眼の膜を剥ぎ取った。
後光殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
と云いながら、
突然
(
いきなり
)
國藏の
胸
(
むな
)
ぐらを取って、奥座敷の小間へ引摺り込みましたが、此の跡はどう相成りましょうか、明晩申し上げます。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
と言ふより早く、智恵子の手は
突然
(
いきなり
)
男の肩に捉つた。
強烈
(
はげし
)
い感動が、女の全身に溢れた。強く/\其顔を男の二の腕に
摩
(
こす
)
り付けて
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
先刻
(
さっき
)
突然
(
いきなり
)
這入ッて来て、今朝
慈母
(
おッか
)
さんがこうこう言ッたがどうしようと相談するから、それから
昨夜
(
ゆうべ
)
慈母さんが言た通りに……」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「——切下げ髪にして、黒い
袴
(
はかま
)
を
穿
(
は
)
いてネ。
突然
(
いきなり
)
入って来たかと思うと、説教を始めました。恐しい
権幕
(
けんまく
)
でお雪を責めて行きましたッけ」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「どうしてって、本堂で
和尚
(
おしょう
)
さんと御経を上げてると、
突然
(
いきなり
)
あの女が飛び込んで来て——ウフフフフ。どうしても
狂印
(
きじるし
)
だね」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると美留藻は乱暴にも、
突然
(
いきなり
)
馬を紅矢に乗りかけて、逃げる間もなく踏み
蹂
(
にじ
)
り蹴散らして、大怪我をさせてしまいました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
小柄
(
こがら
)
な
爺
(
ぢい
)
さんは
突然
(
いきなり
)
疊
(
たゝみ
)
へ
口
(
くち
)
をつけてすう/\と
呼吸
(
いき
)
もつかずに
酒
(
さけ
)
を
啜
(
すゝ
)
つてそれから
強
(
つよ
)
い
咳
(
せき
)
をして、ざら/\に
成
(
な
)
つた
口
(
くち
)
の
埃
(
ほこり
)
を
手拭
(
てぬぐひ
)
でこすつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ビアトレスは軽く会釈をして、手をかけた
把手
(
ハンドル
)
を廻しながら、扉を開けた瞬間、
背後
(
うしろ
)
に立っていた給仕が
突然
(
いきなり
)
躍り
蒐
(
かか
)
った。
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
其
(
その
)
当時の事だから、
祖父
(
おじい
)
さんも腰に刀を
佩
(
さ
)
していたので、
突然
(
いきなり
)
にひらりと
引抜
(
ひきぬ
)
いて、
背後
(
うしろ
)
から「待てッ」と声をかけた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彦は何かぶつぶつ口の中で呟きながら表の板戸を
閉
(
た
)
てようとしていた時、その彦兵衛の足を
掬
(
すく
)
わん許りに
突然
(
いきなり
)
一匹の大きな四つ足が飛び込んで来た。
釘抜藤吉捕物覚書:08 無明の夜
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
お浪は呆れ且つ案ずるに、のつそり少しも頓着せず
朝食
(
あさめし
)
終ふて立上り、
突然
(
いきなり
)
衣物を脱ぎ捨てゝ股引腹掛
着
(
つけ
)
にかゝるを、飛んでも無い事何処へ行かるゝ
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
家近くの露地で相島は
突然
(
いきなり
)
雪の上にすべつた。彼れは元氣よく起き上つて手袋を脱いで腰の雪を拂ひかけた途端
半日
(旧字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
半死半生になっていたのですって。可哀相に、何でも
突然
(
いきなり
)
、後ろから来て縛られちゃったので、どんな奴にやられたのか少しも分からないというのです。
ニッケルの文鎮
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
それを倒れていた小虎が
密
(
そっ
)
と取った。抜くや、
突然
(
いきなり
)
、お鉄の横腹へ突立てた。お鉄の悲鳴は唯一声であった。
死剣と生縄
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
息も出来ないで夢中に木立を抜けた私は縁側から座敷へ馳け上ると
突然
(
いきなり
)
端近に坐っていた母の
懐
(
ふところ
)
にひしと
縋
(
すが
)
って声も惜しまずに泣いた。涙が尽きるまで泣いた。
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
琢次が起きて帰った後で、宵から薬師堂で通夜をしていた隣村の男が、朝になって帰って見ると寝床があったので
突然
(
いきなり
)
その中にもぐり込んで寝たところであった。
不動像の行方
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
彼等は寄ってたかって無礼な振舞に及ぼうとする時に、
妙詮寺
(
みょうせんじ
)
の角から
突然
(
いきなり
)
飛び出して来た強そうな男。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
来たのは工事専用の汽車で、それがまだ
普請中
(
ふしんちゆう
)
のステーションの側で
停
(
とま
)
ると、屈強な機関手と其見習が機関車を飛降りて、
突然
(
いきなり
)
飯屋へ駈付ける。
他
(
ほか
)
の連中も其例に
傚
(
なら
)
ふ。
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
流
(
なが
)
し
斯
(
かく
)
突然
(
いきなり
)
に
御尋問
(
おたづね
)
申せば
御不審
(
ごふしん
)
も
御道理
(
ごもつとも
)
なれど私しは彦兵衞が
悴
(
せがれ
)
にて
當年
(
たうねん
)
十五歳に相成一人の
母
(
はゝ
)
御座
(
ござ
)
候
處
(
ところ
)
彦兵衞
御仕置
(
おしおき
)
に成しと聞て
打驚
(
うちおどろ
)
き
素
(
もと
)
より正直なる父彦兵衞人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そして読み終るとすぐさま手紙を懐中へねじ込んで、まるで蹴飛ばされたように急いで雪駄をつっかけると
突然
(
いきなり
)
駈け出した。寺の門のところでちょっと振りかえって見た。
性に眼覚める頃
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
先
(
せん
)
の人が死んだのはわたしが攻殺したやうなものだと言つたり、こんどはわたしが殺される番だと言つたりして、
突然
(
いきなり
)
蒲団の上に坐り直つて泣出したりするんださうです。
来訪者
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
貞之進の
肚裡
(
はらのうち
)
は一層二層三層倍に
沸返
(
にえかえ
)
って、
突然
(
いきなり
)
その手紙を取って丸め、丸めたのを噛んで前なる川へ
投
(
ほう
)
り込み、現在封を破った上で、持って帰ればいゝとはどこがいゝ
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
「インデアナの美貌の寡婦」が、例の広告へ「応募」した一人に過ぎない、一面識もないアンドルウ・ヘルグラインへ、かれの照会に対して
突然
(
いきなり
)
こんな手紙を寄越したのだ。
斧を持った夫人の像
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
突然
(
いきなり
)
叫び声が響いて来た。内陣の奥から響いたのである。ザワザワと群集はざわめき出した。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
昨日
(
きのふ
)
の朝東京を立つて、晩は京都へ着き、
祇園
(
ぎをん
)
の宿に一泊して、今日の
正午過
(
ひるす
)
ぎには、大阪の
停車場
(
ステーシヨン
)
の薄暗い待合室で、手荷物を一
時
(
じ
)
預
(
あづ
)
けにしやうとしてゐるところを、
突然
(
いきなり
)
背後
(
うしろ
)
から
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
と声をかけながら、気付を呑ませるとようよう息を吹き返したと思えば
突然
(
いきなり
)
月世界競争探検
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
恰度その時、彼等の
傍
(
かたわら
)
を空車が二三台通りかかりました。と、見るや、
突然
(
いきなり
)
彼女はその一つを止めて、急いで扉を開けました。その
敏捷
(
すばや
)
さに男は面喰って彼女を止める暇がありませんでした。
耳香水
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
すると浜野はあつけに取られたやうに私の顔を視詰めましたが、
突然
(
いきなり
)
嘆きの孔雀
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
ある時、高等小学の修身科で彼は熱心に忍耐を説いて居たら、生徒の一人がつか/\立って来て、教師用の
指杖
(
さしづえ
)
を取ると、
突然
(
いきなり
)
劇
(
はげ
)
しく先生たる彼の
背
(
せなか
)
を
殴
(
なぐ
)
った。彼は
徐
(
しずか
)
に顧みて何を
為
(
す
)
ると問うた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
けれども
亜米利加
(
アメリカ
)
人が往来を歩いた靴の
儘
(
まま
)
で
颯々
(
さっさつ
)
と
上
(
あが
)
るから
此方
(
こっち
)
も麻裏草履でその上に
上
(
あがっ
)
た。上ると
突然
(
いきなり
)
酒が出る。徳利の口を明けると恐ろしい音がして、
先
(
ま
)
ず変な事だと思うたのはシャンパンだ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
義男は
突然
(
いきなり
)
、手の傍にあつた煙草盆をみのるに投げ付けた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
すると、仕事師の一人が、
突然
(
いきなり
)
、私を突き飛ばして
幕末維新懐古談:14 猛火の中の私たち
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
彼は盃をあげて
突然
(
いきなり
)
六月
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
じれったいから
突然
(
いきなり
)
肩に手を懸けると、その女中は苦しくッてか、袷も
透
(
とお
)
すような汗びっしょり、ぶるぶる震えているんでしょう。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
併
(
しか
)
し海岸は遠浅で、岩角が沢山有りますから思うように舟が出ませぬ。是幸いに文治は
突然
(
いきなり
)
海へ飛込み、カノーの
小縁
(
こべり
)
に取付きました。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
渠は
突然
(
いきなり
)
其硝子戸を開けて、腰を屈めて白木綿を潜つたが、左の肩を上げた其影法師が、二分間許りも
明瞭
(
くつきり
)
と
垂帛
(
カーテン
)
に映つて居た。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「さあ、
此方
(
こっち
)
へお入りなさい。遠慮しないでね、家にいる積りで何でもしてお遊びなさい」と云ったから、乃公は
突然
(
いきなり
)
鯱鉾立
(
しゃちほこだち
)
をしてやった。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
が、空しく戻って来ると、法水に鋭く訊ねた。すると、法水は
突然
(
いきなり
)
窓際へ歩み寄って行き、そこから窓越しに、前方の噴泉を指差して云った。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
こう
見
(
め
)
えたって、と云って、だらりと首を垂れてしまうかと思うと、
突然
(
いきなり
)
思い出したように、人間だいと大きな声を出す。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もうもう
堪
(
こら
)
えきれないという御様子で、
突然
(
いきなり
)
、奉書を
鷲掴
(
わしづか
)
みにして、
寸断々々
(
ずたずた
)
に引裂いて了いました。
啜泣
(
すすりなき
)
の涙は男らしい御顔を流れましたのです。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
白い
顎
(
あご
)
を
襟
(
えり
)
へうずめて、侍は上眼使いに
媚
(
こ
)
びを送る。いやな野郎だな、と思うと、文次はかあっとなった。そして
突然
(
いきなり
)
そこにあるからの鎧櫃を指さした。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
神保町
(
じんぼうちょう
)
の停留場で我々は降りた。その辺の迷路にも似た
小路
(
こじ
)
を、あちこちと二三丁歩いて、ある建物の前に来た時に、彼は立止って
突然
(
いきなり
)
その
呼鈴
(
ベル
)
を押した。
真珠塔の秘密
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
それをお浪が知っていようはずは無いが、雁坂を越えて
云々
(
しかじか
)
と云い
中
(
あて
)
られたので、
突然
(
いきなり
)
に
鋭
(
するど
)
い矢を胸の
真正中
(
まっただなか
)
に
射込
(
いこ
)
まれたような気がして驚いたのである。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
白
(
しろ
)
い
鷄
(
にはとり
)
はお
品
(
しな
)
の
足
(
あし
)
もとへちよろ/\と
駈
(
か
)
けて
來
(
き
)
て
何
(
なに
)
か
欲
(
ほ
)
し
相
(
さう
)
にけろつと
見上
(
みあげ
)
た。お
品
(
しな
)
は
平常
(
いつも
)
のやうに
鷄
(
にはとり
)
抔
(
など
)
へ
構
(
かま
)
つては
居
(
ゐ
)
られなかつた。お
品
(
しな
)
は
戸口
(
とぐち
)
に
天秤
(
てんびん
)
を
卸
(
おろ
)
して
突然
(
いきなり
)
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
睨
(
にら
)
めば
後家
(
ごけ
)
お深は
堪
(
こら
)
へず悴惣内を押伏せ
打擲
(
ちやうちやく
)
なせば源藏は堪り兼逃出す所を九助が親より召使ひの三五郎飛で出
突然
(
いきなり
)
襟髮
(
えりがみ
)
掴
(
つか
)
んで
捻倒
(
ねぢたふ
)
しコリヤヽイ源藏汝は
能
(
よく
)
も/\己が旦那を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お千代も先刻から聞くともなしに耳をすましていたと見え、
突然
(
いきなり
)
慶三の横腹を軽く突いて
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“突然”の解説
「突然」(とつぜん)は、FIELD OF VIEWの2枚目のシングル。
(出典:Wikipedia)
突
常用漢字
中学
部首:⽳
8画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“突然”で始まる語句
突然変異