直接ちよくせつ)” の例文
コロボツクルはいづれの仕方にしたがつて火を得たるか。直接ちよくせつ手段しゆだんにては到底たうてい考ふ可からず。コロボツクルの遺物中ゐぶつちうには石製の錐有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
實際じつさい大地震だいぢしん損害そんがいおいて、直接ちよくせつ地震動ぢしんどうよりきたるものはわづか其一小部分そのいつしようぶぶんであつて、大部分だいぶぶん火災かさいのためにしようずる損失そんしつであるといへる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
それはかんなか空氣くうき侵入しんにゆうしてくさやすいが、直接ちよくせつ土中どちゆううづめるとき空氣くうきにくいので、かへってよく保存ほぞんされるのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
それ以外いぐわい品物しなもの爲替回復かはせくわいふく影響えいきやう直接ちよくせつにはけないのであるから、此程度このていど物價ぶつか低落ていらくもつと適當てきたうところであらうとおもはれる。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
(ハ)精神せいしん保養ほよう。 しかし、ずっと最近さいきんでは、森林しんりん利用りようを、もっとすゝめて、直接ちよくせつ人々ひとびと健康けんこうのために應用おうようすることをかんがへつきました。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
かれ直接ちよくせつちゝ紹介せうかいた。ちゝとほして間接かんせつその知人ちじん紹介せうかいた。さうして自分じぶん將來しやうらい影響えいきやうやうひと物色ぶつしよくして、二三の訪問はうもんこゝろみた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
やさしいこゑ時々とき/″\く。から直接ちよくせつに、つかひのようのうけわたしもするほどなので、御馳走ごちそうまへに、たゞあづけだ、と肝膽かんたんしぼりつつもだえた。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
老人らうじん若者わかもの自殺じさつ覺悟かくご最初さいしよからつてたのですけれども最後さいごまで直接ちよくせつにさうとは一言いちごんひませんでした。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
それをたとへのようにいはないで、直接ちよくせつにまれびとなるかりといふふうにいつたところに、にごりがなくなつてをります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
與吉よきち繃帶ほうたいをしてから疼痛いたみもとれた。繃帶ほうたいまた直接ちよくせつものとの摩擦まさつふせいで、かれこゝろよく村落むらうち彷徨さまよはせた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
真面目しんめんもくならざる宗教家しふけうかとは、直接ちよくせつ間接かんせつ外国ぐわいこく伝道でんだう会社ぐわいしや補助ほじよあづかり居りながら外国ぐわいこく宣教師せんけうし悪口あくこう批難ひなんするものなり、社界しやかい先導者せんだうしやを以て自らにんじ居りながら社界しやかい引摺ひきづられつゝ行くものなり
時事雑評二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
そのころおう直接ちよくせつ撮影塲さつえいぜうに出るといふやうなことはなかつたが、あたまのすつかり銀髮ぎんはつになつた、ひたいひろい、あごの角張かどはつたおうかほを、この人が寫眞しやしん元祖ぐわんそだといふ風な一しゆ敬意けいいを以てながめたことが
たとひ家屋かおく倒伏とうふくすることがあつても、小屋組こやぐみだけはもとのまゝのかたちをして地上ちじよう直接ちよくせつ屋根やねあらはすことは、大地震だいぢしん場合ばあひ普通ふつう現象げんしようである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
それも卯平うへい直接ちよくせつではなくてみなみたのんで卯平うへいわたしてもらつた。勘次かんじつてからぜにされたとき卯平うへい
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それゆゑ日本につぽん支那しなかゞみは、朝鮮ちようせんないでおそらく南支那邊みなみしなへんから、直接ちよくせつたものとおもはれます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
外國ぐわいこくから直接ちよくせつ日本にほん輸入ゆにふするものは一わりみなたかはなければならぬのである。同時どうじ外國ぐわいこくから直接ちよくせつ輸入ゆにふされるもの競爭品きやうさうひんあるひ類似るゐじ品物しなものみな大同小異だいどうせうい騰貴とうきするのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
りようかけたひとが、つゆれておでになるだらう。おきのひとが、おかさをさしげてくれゝばよいのにとかんじてゐるのを、直接ちよくせつにいひかけたように、んだのであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
彼等かれら複雜ふくざつ社會しやくわいわづらひたとともに、その社會しやくわい活動くわつどうから樣々さま/″\經驗けいけん直接ちよくせつれる機會きくわいを、自分じぶんふさいで仕舞しまつて、都會とくわいみながら、都會とくわい文明人ぶんめいじん特權とくけんてたやう結果けつくわ到着たうちやくした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
此事このこと教師きようし父兄ふけい注意ちゆういうながすとともにわが小國民しようこくみんに、むかつても直接ちよくせついましめてきたいことである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
爲替相場かはせさうばあがることは日本にほん通貨つうくわ對外價値たいぐわいかちあがることであるから外國ぐわいこくから直接ちよくせつ輸入ゆにふせらるゝものはこと/″\値段ねだんやすくなる、一ヤール五ゑん羅紗ラシヤが五ゑん五十五せんであつたものが
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
さうしてそれはてるふゆ季節きせつのぞいては大抵たいてい直接ちよくせつあしそこつちについてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)