“バス”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:ばす
語句割合
低音35.1%
乗合13.5%
乗合自動車8.1%
低声8.1%
風呂8.1%
最低音5.4%
浴室5.4%
低音部2.7%
声量2.7%
2.7%
(他:3)8.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「開けてください、まことにお手数さま!」と誰かが門の外で、いんにこもった低音バスで言うのだった。「電報ですよ!」
可愛い女 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
やがてカーチャがめそめそ泣き出すと、彼は垂れ下った眉毛越しにぎろりと睨んで顔をしかめ、それから重々しい太い低音バスを出す。
天才 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いよいよ大野木の乗合バスの乗り場に着いてから小浜まで三里、麦畑と切り断ったような断崖だんがいの間を、乗合バスは走っているのです。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
その大野木まで行けば、小浜行きの乗合バスが出るということですし……仕方がない、草臥くたびれてもひもじくても、大野木まで行くほかはないのです。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
草川巡査は三拝九拝せんばかりにして裁判所を出た。乗合自動車バスに乗って日の暮れぬうちに谷郷村に帰った。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
何かしきりに考えながらも足取だけは小急ぎに国道へ出たが、ちょうど通りかかった乗合自動車バスを見ると、急に手を挙げて飛乗って町へ出た。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
私はその後も、折々停車場へ出掛けて行った。その帰り途、私はきっと、あの時彼が歌ったあの歌を、低声バスで歌って見たものであった。
郷愁 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
中から、金ボタンの仕着せ姿のボオイが上半身を廊下に突き出し、片手をメガフォンに口のはたにあて、太い低声バスで怒ったように叫んだ。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
夜遊神などというものの巣は、あさましいみすぼらしいものであって、よい音楽だの、よい風呂バスだの、よい絵画だのよい盆栽だのと、そんなものを備えてなんかいない筈です。
彌生はうしろの壁に短刈りの頭を持たせかけて、恰で寢風呂バスにでもつかつてゐるやうに、ヤグラの上に脚を伸し、掛つてゐる毛布をピラミツド型にして、胸の上で針を動かしてゐた。
痴日 (旧字旧仮名) / 牧野信一(著)
羅典ラテンの聖なる祈りの歌を、老宣教師が最低音バスで歌って行くと、その後を縋けてお夏の最高音ソプラノが、霜空に静かに静かに響きました。
馬をなだめる遥かな最低音バス
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
浴室バスから上って、セルを出させて着、食堂へ来てみると、幼い兄妹は、食器棚のうしろに付いている大きな鏡に向って、何か面白そうに騒いでいる。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
女は浴室バスから上ったらしい丈夫相な半裸体のまま朝の食事をって居た。
ドーヴィル物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
なるほど新来の歌手は巧みに低音部バスを勤めたには勤めたが、もしここに鍛冶屋がゐたものなら、とてもその足もとへも寄れることではなかつた。
氏の巾広い声量バスは氏の身代のやうに潤沢
(新字旧仮名) / 仲村渠(著)
緋でも、紅でも、黄でも、紫でも、碧でも、凡そ色と云う色皆ほのおと燃え立つ夏の日の花園を、経木きょうぎ真田さなだの帽一つ、真裸でぶらつく彼は、色のうたげ、光のバスに恍惚とした酔人である。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
あげくの果は驪山宮りさんきゅうという宏大もない宮殿の中に、金銀珠玉をちりばめた浴場バスを作って、玉のような温泉を引いて、貴妃ヤンと一緒に飛び込んで……お前とオーナラバ
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その垂幕の間から、隣りの化粧部屋と、その向うの白い浴槽バスがホノ暗くのぞいている。
ココナットの実 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
浴槽バスの向うには鏡の屏風びょうぶが立っている。
ココナットの実 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
丁度小児がチョークで描いた西洋浴槽バスみたようなもので、船の位置だけを見せるようなものである。
能とは何か (新字新仮名) / 夢野久作(著)