乗合自動車バス)” の例文
何かしきりに考えながらも足取だけは小急ぎに国道へ出たが、ちょうど通りかかった乗合自動車バスを見ると、急に手を挙げて飛乗って町へ出た。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
望月刑事は更に藤沢平塚間の乗合自動車バスについて調べて見た。冬期で回数も少く、定員が少い上に乗客は定員以下であるから、車掌は殆ど乗客を暗記している。
青服の男 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
乗合自動車バスが右往左往に疾走ってゆく、両側に立並んだ、明るい飾窓ショーウィンドウの前を、黒い人影が隙間もなく、ギッシリとかたまり合って、宛然、黒い川を押流したように、動いている。
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
乗合自動車バスに乗って日の暮れぬうちに谷郷村に帰った。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)