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のりあいじどうしゃ
人をふきとばしそうなサイレンをならしている
自動車、
往来いっぱいになってがたがた
走ってくる
乗合自動車、うるさくベルをならしながらとびまわる
自転車などで
旅人は、
道のかたわらにあった、
木の
切り
株の
上に
腰をおろして
休みました。そのとき、ちょうど
町の
方から、
村の
方へゆく
乗合自動車が、
白いほこりをあげて
前を
通ったのです。
「いまは、
会社への
出がけだから、どうすることもできない……。」と、
軽く、
心のうちでいって、
窓から
離れると、ちょうどそこへきあわせた、
乗合自動車に
乗っていってしまいました。