トップ
>
低音
>
バス
ふりがな文庫
“
低音
(
バス
)” の例文
やがてカーチャがめそめそ泣き出すと、彼は垂れ下った眉毛越しにぎろりと睨んで顔をしかめ、それから重々しい太い
低音
(
バス
)
を出す。——
天才
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
まず、身長三尺五寸程と思われる小児の姿が法水の眼に映ったのであるが、なんと意外なことには、次の瞬間幅広い
低音
(
バス
)
が
唸
(
うな
)
り出した。
聖アレキセイ寺院の惨劇
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
跛
(
びっこ
)
を引き歩きながら「
丸葉柳
(
まるばやなぎ
)
は、
山
(
やま
)
オコゼは」と、少し舌のもつれるような
低音
(
バス
)
で
尻下
(
しりさ
)
がりのアクセントで呼びありくのであった。
物売りの声
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「
停れ
(
ストップ
)
——」太い
低音
(
バス
)
で叫んだのは、髪の縮れた、仁王のような安南人だ。右手を
突出
(
つきだ
)
し、ピストルの銃口を二人の胸に向けた。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
低音
(
バス
)
の最低音部を勤める、スウェルブイグーズといふ、補祭の縁つづきの哥薩克や、まだ誰や彼やが招ばれてゐる筈だ。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:02 降誕祭の前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
▼ もっと見る
「まあ、あの方はいゝ
低音
(
バス
)
のお聲なんですよ。そして音樂に對しても立派な趣味を持つてゐらつしやいますよ。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
たとえば
導入節
(
アインライツング
)
や幽暗な或る
低音
(
バス
)
の明暗や幻想的なスケルツォーにおいて、われわれはまことに大きな感動をもって、やがてきたるべき天才的精神のひらめきを
ベートーヴェンの生涯:02 ベートーヴェンの生涯
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「おやすみなさい」ベンスンは太い
低音
(
バス
)
の声で言った。
井戸
(新字新仮名)
/
ウイリアム・ワイマーク・ジェイコブス
(著)
続いて東海さんの
低音
(
バス
)
が、小声でなにか言っています。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
「開けてください、まことにお手数さま!」と誰かが門の外で、
陰
(
いん
)
にこもった
低音
(
バス
)
で言うのだった。「電報ですよ!」
可愛い女
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それは本當だつた——何とも云へず
快
(
こゝろよ
)
い、力のある
低音
(
バス
)
で、その中には彼の感じ、彼の力がこもつてゐて、耳から心の中に沁み入り不思議な感じを起させるのであつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ある者は口笛を吹き、ある者は皮肉な
喝采
(
かっさい
)
をした。最も気のきいた連中は「
も一度
(
ビス
)
」と叫んだ。一つの
低音
(
バス
)
が舞台前の一
隅
(
ぐう
)
から響いてきて、
道化
(
どうけ
)
た主題を
真似
(
まね
)
しはじめた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「この靴の底あ、変えなくちゃいけねえ」と、病気の水兵が
低音
(
バス
)
で寐言をいう。「そうとも、そうだとも。」
グーセフ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
シャツ一枚になって、家の中を上下に
往
(
ゆ
)
き来し、アリアに
歌劇
(
オペラ
)
の身振りを伴わせて、響きわたる好きな
低音
(
バス
)
で、しきりなしに歌っていた。——その後で、彼は出かけた、どんな天気にも。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
さうして、
嚴
(
おごそ
)
かに、
低音
(
バス
)
の聲で云つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「そりゃわかるとも」と、病気の水兵が
低音
(
バス
)
を出す、「死ねば当直日誌へ書き込むんだ。オデッサへ着くと司令官に報告を出す。そこから
郷
(
ごう
)
かどこかへ報らせが廻る……。」
グーセフ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
“低音”の意味
《名詞》
低いまたは弱い音や声。
声楽の一番低い声部。バス。
器楽で一番低い部分
(出典:Wiktionary)
低
常用漢字
小4
部首:⼈
7画
音
常用漢字
小1
部首:⾳
9画
“低音”で始まる語句
低音部
低音喇叭
低音歌手