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矣
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い
ふりがな文庫
“
矣
(
い
)” の例文
この一条を
田代玄甫
(
たしろげんぽ
)
は「
胆
(
きも
)
の太きこそ恐ろしけれ」と
称
(
たた
)
え、
小泉孤松
(
こいずみこしょう
)
は「伝吉の沈勇、極まれり
矣
(
い
)
」と嘆じている。
伝吉の敵打ち
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
天子より
以
(
もっ
)
て庶人に至るまで、一に
是
(
こ
)
れ皆身を修むるをもって
本
(
もと
)
を
為
(
な
)
す。その本乱れて末治まる者は
否
(
あら
)
じ
矣
(
い
)
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
「しすましたり
矣
(
い
)
と
此家
(
ここ
)
へ飛びこんだのであろうが、ドッコイ! そうは問屋がおろさん。貴様もここへはいるだろうと思って、おれは一足先にあがったのだ」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
遠山と丹平は、長き廊下の遠き
方
(
かた
)
に、電燈の澄める影に、月夜に霞の
漾
(
ただよ
)
うなかに、その三人の白衣の乙女。あわれ、魂を迎うべく、天使
来
(
きた
)
る
矣
(
い
)
、と憂えたのである。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
で公徳と申すと何か新しく外国から輸入して来たように考える諸君もあるかも知れんが、そう思うのは
大
(
だい
)
なる誤りで、
昔人
(
せきじん
)
も
夫子
(
ふうし
)
の
道一
(
みちいつ
)
以
(
もっ
)
て
之
(
これ
)
を
貫
(
つらぬ
)
く、
忠恕
(
ちゅうじょ
)
のみ
矣
(
い
)
と云われた事がある。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
しかし喬木風強し
矣
(
い
)
! 幕府の執政に疑がわれて「寄合い」の身に左遷された。
開運の鼓
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この憤慨たるや、決して私憤を意味しない。正しく一片の私情をも挟まざる公憤であると、僕は信じ、
且
(
か
)
つ、人、何が故に黙視するかを疑うものに対してのみ発するので、
由
(
よ
)
って来る所
亦
(
また
)
久
(
ひさ
)
し
矣
(
い
)
。
青バスの女
(新字新仮名)
/
辰野九紫
(著)
「……然り
矣
(
い
)
」
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山客、
偶
(
たまたま
)
「文芸春秋」二月号を読み、我鬼先生の愚を
嗤
(
わら
)
ふと共に佐佐木君の
屈
(
くつ
)
を歎かんと欲す。佐佐木君、請ふ、安心せよ。君を知るものに山客あり
矣
(
い
)
。
八宝飯
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その父、今や
亡
(
な
)
し
矣
(
い
)
——かなしみの涙におぼれて、身も世もない萩乃は、じぶんの座敷にひそかにたれこめて、侍女のすすめる白絹の葬衣に、袖をとおす気力だにない。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
叱られぬだけに塞いで、樹下石上の身の構え、電燈の花見る
面色
(
つらつき
)
、九分九厘に
飲酒
(
おみつ
)
たり
矣
(
い
)
。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「七歳ヨリ綴ル所ノ詩筆、四十
載
(
さい
)
、向フ
矣
(
い
)
、約千有余篇」
岷山の隠士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
氏子は
呆
(
あき
)
れもしない顔して、これは買いもせず、貰いもしないで、隣の木の実に
小遣
(
こづかい
)
を出して、枝を
蔓
(
つる
)
を提げるのを、じろじろと
流眄
(
ながしめ
)
して、世に伯楽なし
矣
(
い
)
、とソレ青天井を向いて
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
百官戦慄して言なし
矣
(
い
)
であった。
岷山の隠士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いよいよ宗春救われたり
矣
(
い
)
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
聖者星の光芒燦然たり
矣
(
い
)
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「我過ぎたり
矣
(
い
)
」
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ああ動中静あり
矣
(
い
)
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
矣
漢検1級
部首:⽮
7画
“矣”を含む語句
万事休矣
可矣
好矣
嗟矣
而弗失之矣
然矣
牛矣
用亦窮矣
疾篤矣
百活矣
矣乎
晩矣
萬事休矣
行矣
誰不知矣
誰昔然矣
調高矣
諾矣
遅矣
雖千万人吾往矣
...