トップ
>
痊
>
い
ふりがな文庫
“
痊
(
い
)” の例文
足の
疵
(
きず
)
はやがて
痊
(
い
)
えたが、その年の冬
風邪
(
かぜ
)
から引きつづいて
腹膜炎
(
ふくまくえん
)
に
罹
(
かか
)
り、赤十字病院に入ると間もなく
危篤
(
きとく
)
に陥った。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
文政七年の元日は、棕軒正精が老中の劇職を辞して、前年春杪以来の病が
痊
(
い
)
えたので、丸山の阿部邸には一種
便安舒暢
(
べんあんじよちやう
)
の気象が満ちてゐたかとおもはれる。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
ベルナルドオは痍の
痊
(
い
)
えし後、我身を愛する由聞え候ひしかど、私はその僞ならぬを
覺
(
さと
)
りながら、君をおもふ心よりうべなひ候はざりき。ベルナルドオは羅馬を去り候ひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
よしこの
疾
(
やまい
)
痊
(
い
)
ゆとも一たび絶えし縁は再びつなぐ時なかるべきを感ぜざるにあらざるも、なお二人が心は
冥々
(
めいめい
)
の
間
(
うち
)
に通いて、この愛をば
何人
(
なんびと
)
もつんざくあたわじと心に
謂
(
い
)
いて
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
更に進んで「
仄歩
(
しよくほ
)
山
嶮
(
けはし
)
けれども。
蕨
(
わらび
)
を
首陽
(
しゆやう
)
に折るの怨なく。
岩窓
(
がんさう
)
に梅遅けれども。
嫁
(
とつぎ
)
て胡語を学ぶの悲みなし。」といふに至りては、伏姫の心既に平滑になりて、苦痛全く
痊
(
い
)
え
処女の純潔を論ず:(富山洞伏姫の一例の観察)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
▼ もっと見る
病気の為に信心して幸に
痊
(
い
)
ゆれば平気で暴利を
貪
(
むさぼ
)
って居る者もある。信徒の労力を吸って
肥
(
こ
)
えて居る教師もある。然し
斯
(
この
)
せち
鹹
(
から
)
い世の中に、人知れず美しい心の花を咲かす者も
随処
(
ずいしょ
)
にある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
汝
(
なれ
)
は
痊
(
い
)
えなむ。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
蘭軒は八九月の交に病んで、次で病の
痊
(
い
)
ゆるに及んで、どこか田舎へ養生に往つてゐたかと思はれる。「山園雑興」の七律に、「病余只苦此涼秋」の句がある。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
我室に入りて相對せる時、
公子容
(
かたち
)
を改めて宣給ふやう。アントニオよ。御身の病はまだ
痊
(
い
)
えずと覺し。少しく世の人に立ち交りて、氣鬱を散ぜんかた、身の爲めに宜しからん。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
サンタの熱は未だ
痊
(
い
)
えず、されど
明日
(
あす
)
の興行には必ず往かんと誓へり。ヱズヰオは火を噴き灰を
雨
(
ふ
)
らすること
故
(
もと
)
の如し。而して我名を載せたる番付は早く
通衢
(
ちまた
)
に
貼
(
は
)
り出されたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
痊
漢検1級
部首:⽧
11画