トップ
>
活
>
い
ふりがな文庫
“
活
(
い
)” の例文
予のいわゆる
活
(
い
)
ける人間とは、死せる人間に対する
言辞
(
ことば
)
にあらずして、死せる智識や活用されざる学問を有する者に対して言うのみ。
教育の最大目的
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
私も鷄二も城崎の宿の二階に上つて、女中がすゝめてくれるさつぱりとした浴衣に着更へた時は、
活
(
い
)
き返つたやうな心地を味はつた。
山陰土産
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
老婆は
後庭
(
こうてい
)
に植ゑたる百合数株、惜気もなく堀りとりて我が
朝餉
(
あさげ
)
の膳に供し、その花をば古びたる花瓶に
活
(
い
)
けて、我が前に置据ゑぬ。
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
私は、何よりもその
活
(
い
)
き
活
(
い
)
きとした景気の好い
態度
(
ようす
)
に
蹴落
(
けおと
)
されるような心持ちになりながら、おずおずしながら、
火鉢
(
ひばち
)
の
脇
(
わき
)
に座って
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
まだ二三日は命が
繋
(
つな
)
がれようというもの、それそれ
生理
(
せいり
)
心得草
(
こころえぐさ
)
に、水さえあらば
食物
(
しょくもつ
)
なくとも人は
能
(
よ
)
く一週間以上
活
(
い
)
くべしとあった。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
▼ もっと見る
然
(
しか
)
し
是
(
これ
)
は
活
(
い
)
きた
話
(
はなし
)
とか、
交際
(
かうさい
)
とかと
云
(
い
)
ふものとは
又
(
また
)
別
(
べつ
)
で、
餘
(
あま
)
り
適切
(
てきせつ
)
な
例
(
れい
)
では
有
(
あ
)
りませんが、
例
(
たと
)
へば
書物
(
しよもつ
)
はノタで、
談話
(
だんわ
)
は
唱歌
(
しやうか
)
でせう。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
田山白雲も、ここでは、水が
活
(
い
)
きて五情をほしいままにする、という気焔を吐き兼ねて、駒井のいうところに傾聴するのみであった。
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
……何も私ばかりが澄まして
活
(
い
)
きているのじゃない、今ここに、君とこうやっている時を、行方知れず、と思っているものもあろう。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
現在もこの語の
活
(
い
)
きて行われているのは沖縄県の島々で、ここでは
妻覓
(
つまもと
)
めをトゥジムトゥミ、またはトゥジカミユンという語もある。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
これはつまり
土地
(
とち
)
の
御守護
(
ごしゅご
)
に
当
(
あた
)
らるる
神様
(
かみさま
)
でございまして、その
御本体
(
ごほんたい
)
は
最初
(
はじめ
)
から
活
(
い
)
き
通
(
どお
)
しの
自然霊
(
しぜんれい
)
……つまり
竜神様
(
りゅうじんさま
)
でございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
幸か不幸か今に至ってその意義を深く
省
(
かえりみ
)
るべきよき機会が到来したと思えます。日本は手仕事の日本を更に
活
(
い
)
かさねばなりません。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
それ等の庭の花や、又到来の花なぞ、すべて自分で
活
(
い
)
けられた。別に何流を習われたと云う事もきかなかったが、自然の風格があった。
解説 趣味を通じての先生
(新字新仮名)
/
額田六福
(著)
いつでも
上
(
うわ
)
の
空
(
そら
)
で素通りをする事になっているから、自分がその賑やかな町の中に
活
(
い
)
きていると云う自覚は近来とんと起った事がない。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし、幸運に会しても、よくその幸運を生涯に
活
(
い
)
かしえない者はいくらもある。その点、彼は以後、水をえた魚のようなものだった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「海石」はその眺望と、海の
活
(
い
)
き魚料理が売りもので、開業してから二年足らずだが、かなり繁昌しているし、ひいき客も付いていた。
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
世の中に
活
(
い
)
きながら世の中との縁が切れてしまうのだ。木村との婚約で世の中は葉子に対して最後の
和睦
(
わぼく
)
を示そうとしているのだ。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
又人
活
(
い
)
きながらにして鬼に
化
(
け
)
するもあり。
五八
楚王
(
そわう
)
の宮人は
蛇
(
をろち
)
となり、
五九
王含
(
わうがん
)
が母は
六〇
夜叉
(
やしや
)
となり、
六一
呉生
(
ごせい
)
が妻は
蛾
(
が
)
となる。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
だから、希臘人といふ希臘人は
皆
(
みんな
)
垢
(
あか
)
まみれで、
側
(
そば
)
へ寄つてみると、(考古学者だつて、
偶
(
たま
)
には
活
(
い
)
きた人間の側に寄らないとも限らない)
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
でも私は思う十分一もできませんで、今でも思い出すたびにもう一度
活
(
い
)
かして思う存分喜ばして見たいと思わぬ時はありませんよ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
卓上に
蘭
(
らん
)
の花を
活
(
い
)
けた
花瓶
(
かびん
)
が置いてあり、「お帰りになったらお知らせ下さい、御一緒にお茶を戴くつもりでお待ちしております」
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
室内は
流石
(
さすが
)
に詩人の神経質な用意が
行
(
ゆき
)
渡つて、筆一つでも
歪
(
ゆが
)
んで置かれない程整然として居た。小さな卓に菊の花が
活
(
い
)
けてあつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「出かけに急いだもんですから、ほんの少しばかり切らせて来ました。たくさんお
活
(
い
)
けになるなら、いくらでも取りにおよこしなさいよ」
安井夫人
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
現在の生活で自分を
活
(
い
)
かさうとするのに、たゞ一つの大きな苦しみと困難はそれだ。そして、それは打ち克たないでは済まされないのだ。
惑ひ
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
いつの間にか鯉魚という万有の片割れにも天地の全理が籠っているのに気が付いて、
脱然
(
だつぜん
)
、昭青年の答え振りは
活
(
い
)
きて来ました。
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
さま/″\の力その
活
(
い
)
かす
貴
(
たふと
)
き物體(力のこれと結びあふこと
生命
(
いのち
)
の汝等におけるが如し)と合して造る
混合物
(
まぜもの
)
一
(
いつ
)
ならじ 一三九—一四一
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
それにどんな花が
活
(
い
)
けてあったとかいったようなことから、夫人がその時着ていた着物の色のことまで、記憶をたどって話した。
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
帰り路に、若尾、輿石両君から、故
大町桂月
(
おおまちけいげつ
)
氏の、南アルプス登山旅行に同行した話を聞く。桂月氏の風采が、
活
(
い
)
けるが如く浮んで来る。
不尽の高根
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
が、その時賑かな笑い声が、静な谷間に
谺
(
こだま
)
しながら、
活
(
い
)
き
活
(
い
)
きと彼の耳にはいった。彼は我知らず足を止めて、声のする方を振り返った。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
イエスの敵は神との
活
(
い
)
ける交わりを欠いたがゆえに、彼らの神観は形式的であり、概念的でありで、化石したる公式主義的把握となった。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
認識をより高き立場の「行」において
活
(
い
)
かせ、行の権利によって認識するがゆえである。「悉有仏性と道取する力量ある」がゆえである。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
「さうだが、
俺
(
お
)
ら
家
(
ぢ
)
なんぞぢや、それまでにや
無
(
な
)
く
成
(
な
)
つちまあから一
度
(
ど
)
でもさういに
活
(
い
)
けて
置
(
お
)
いたことあねえな」と
一人
(
ひとり
)
がいへば
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
しかも、それと同時に私の頭の痛みが、何となく神秘的な脈動をこめて、
新
(
あらた
)
に
活
(
い
)
き
活
(
い
)
きと
疼
(
うず
)
き出したように思えてならなかった。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
これは
活
(
い
)
きたる
観世音菩薩
(
かんぜおんぼさつ
)
に仕えるのである、
供養
(
くよう
)
するのであるという観念をもって
心服
(
しんぷく
)
して居りますから、兵隊は沢山
要
(
い
)
らない訳です。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
かく
基督
(
キリスト
)
教を以て徳育の基礎とせられたのであるが、その教育の理想とせられたところはいわゆる「人はパンのみにて
活
(
い
)
くるものにあらず」
新島先生を憶う:二十回忌に際して
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
賀茂川の河原に小屋住居して、賤職をも厭わず
活
(
い
)
きねばならぬという河原者が、多くこの嫌われる屠者、すなわちエタになるのであります。
融和問題に関する歴史的考察
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
私達は鼠捕りに入っている鼬鼠を、庭の隅に
活
(
い
)
けてある水瓶の中に沈めて殺した。蝦蟇は鼬鼠や青大将に比べれば、可愛いところがあった。
生い立ちの記
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
岩牀
(
いわどこ
)
の上に、再白々と横って見えるのは、身じろきもせぬからだである。唯その真裸な骨の上に、鋭い感覚ばかりが
活
(
い
)
きているのであった。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
合手して身を虎の前に投じ母虎これを食うて母子ともに
活
(
い
)
くるを得た、王夫人の使
飲食
(
おんじき
)
を齎し翌日来ってこの事を聞き走り帰って王に報じ
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
我々の教育は、民衆からそのセンチメンタリズムを殺すのでなく、逆にそれを高く
活
(
い
)
かして、より程度の高い山頂に導くのだ。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
上には、秋草の花を
活
(
い
)
けた小花瓶を右左に置き、正面には
橢円形
(
だえんけい
)
の小さな鏡を立て、其前に火を入れた
青磁
(
せいじ
)
の香炉、紫の香包を
傍
(
そば
)
に置いた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
鞄
(
かばん
)
を置いたる
床間
(
とこのま
)
に、
山百合
(
やまゆり
)
の花のいと大きなるを
唯
(
ただ
)
一輪
棒挿
(
ぼうざし
)
に
活
(
い
)
けたるが、
茎形
(
くきなり
)
に
曲
(
くね
)
り傾きて、あたかも
此方
(
こなた
)
に向へるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
いっさいを棄てて、おやじといっしょに
林檎
(
りんご
)
の世話でもして、とにかく永く
活
(
い
)
きる工夫をしたい。僕も死にたくないからね。
父の出郷
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
などと宮のことも
活
(
い
)
かせも殺しもしながら訓戒めいたことを言っている源氏は、いつもそうであるが、若々しく美しかった。
源氏物語:25 蛍
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
以上はいわば精神論だけであって、それを
活
(
い
)
かす技術を研究しないでは、この頃流行の或る種の議論見たようなものである。
南画を描く話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
とある横町の貧しげな家ばかり並んでいる中に
挾
(
はさ
)
まって九尺間口の二階屋、その二階が「
活
(
い
)
ける西国立志編」君の巣である。
非凡なる凡人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
今晩は特に若い方に十二三名参加して頂き、その方々から
活
(
い
)
きの良いお話を承わって、大いに我々老人共のホルモン剤にいたし度いと存じます。
奇談クラブ〔戦後版〕:06 夢幻の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
おれが生きてるためには、おれが自分を
活
(
い
)
かさなきゃならないんだ。おれは、おれの腕で食おう! と僕は決心したんだ。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
我れ知る我を
贖
(
あがな
)
う者は
活
(
い
)
く、後の日に
彼
(
か
)
れ必ず地の上に立たん、我この皮この身の
朽果
(
くちは
)
てん後われ肉を離れて神を見ん、我れ
自
(
みずか
)
ら彼を見奉らん
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
あの人をして今十年も
活
(
い
)
かして置いたならどんなに名歌を沢山残したかも知れ不申候。とにかくに第一流の歌人と
存
(
ぞんじ
)
候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
即ち
活
(
い
)
きた仏教に接し、陽明学に接し、
基督
(
キリスト
)
教に接し、自然主義に接し、その他幾多の新思想に接した。これはまた賀すべき現象ではあるまいか。
進化論より見たる沖縄の廃藩置県
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
“活”の意味
《名詞》
(カツ)気合い、気合いを入れること。
(出典:Wiktionary)
活
常用漢字
小2
部首:⽔
9画
“活”を含む語句
生活
活溌
活計
復活
快活
活動
復活祭
活動写真
活惚
生活状態
活々
独活
活仏
活返
活栓
活用
活力
瑞典小農生活
活劇
花活
...