“後庭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうてい60.0%
あとにわ10.0%
しり10.0%
しりえ10.0%
バック・ヤード10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
老婆は後庭こうていに植ゑたる百合数株、惜気もなく堀りとりて我が朝餉あさげの膳に供し、その花をば古びたる花瓶にけて、我が前に置据ゑぬ。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
そして放送所の後庭あとにわに掘ってあるごみ捨て場の方へ持っていかれた。いろんなきたないものと一緒に、じめじめした穴の中に、ぼくは悲惨ひさんな日を送るようになった。身体はだんだんとさびて来た。
もくねじ (新字新仮名) / 海野十三(著)
かかる怪に基づいて馬絆と名づけたらしい。『想山著聞奇集』に見えたわが邦の頽馬というは、特異の旋風が馬を襲いたおすので、その死馬の肛門開脱する事、河童に殺された人の後庭しりと同じという。
人の後庭しりえを犯し、これを殺す奇蛇ある由、トンとは古老の説に、非道交会を昔の芝居者などが数うるに、一トン取る二トン取るといったそうだから、南米にあるてふ男色蛇ソドマイト・スネークと同義の名らしい。
歩道に建ち並んでいるのと同じような大木が、この前庭にも、また家のうしろにつづいている後庭バック・ヤードにも、ぽつんぽつんと到るところに立っている。
ウィネッカの秋 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)