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瘥
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い
ふりがな文庫
“
瘥
(
い
)” の例文
雑誌『道楽世界』に、杵屋勝久は学者だと書いたのは、この頃の事である。三月三日に勝三郎は病のいまだ
瘥
(
い
)
えざるに東京に還った。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
さきにはポツジヨ我にマリアの病を告げて、その病は
瘥
(
い
)
えぬと云へり。されど病は再發して、マリアは既に死し、家人は我に祕して、こよひそを葬るなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ついでにいわく、支那で野猪を画いた古い例は、『
晋書
(
しんじょ
)
』に、
鄧
(
とう
)
氏の妻病篤く、医
巫
(
ふ
)
手をこまぬき尽しても及ばず、韓支
筮
(
ぜい
)
して野猪を画かせ、臥室の
屏風
(
びょうぶ
)
に貼らしめて
瘥
(
い
)
えたそうだ。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
創
(
きず
)
を
瘥
(
い
)
やし、病人を救って遣られる。その心身共に
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
中井は嘗て治を榛軒に請うて其病が
瘥
(
い
)
えた。そして謝恩のために銀器数種を贈つた。榛軒は固辞して受けなかつた。中井が其故を問うた時、榛軒は云つた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
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病は
瘥
(
い
)
えぬれども、聲潰れたれば、身を助くべき藝もあらず、貧しきが上に貧しき
境界
(
きやうがい
)
に陷いり、空しく七年の月日を過して、
料
(
はか
)
らずも君にめぐりあひ候ひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
頭が
瘥
(
い
)
えれば、体は皆瘥えるのです。10480
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
荏薇
(
じんび
)
問答に元旦に弟柏軒に与へた書がある。「狩谷お高快方之由大慶」の語がある。前年十一月二十八日の弟の書を得て、棭斎の
女
(
ぢよ
)
の病の
瘥
(
い
)
えたことを知つたのである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
瘥
(
い
)
えなんとする心の創は復た
綻
(
ほころ
)
びて、却りてわれに限なき苦痛を感ぜしむるなるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
蘭軒は
此
(
かく
)
の如く忽ち病み忽ち
瘥
(
い
)
ゆるを常としてゐたが、その病める間も大抵学業を廃せず往々公事をも執行してゐた。次年以下の勤向覚書を検すれば、此間の消息を知ることが出来る。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
瘥
部首:⽧
15画