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居
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い
ふりがな文庫
“
居
(
い
)” の例文
嘘さえ言えぬ未完成な生命なのだ。教養の不足して
居
(
い
)
る小さな
粗暴漢
(
そぼうかん
)
だ。そして恥や遠慮を知る大人を無視した
横暴
(
おうぼう
)
な存在主張者だ。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
天井から、
釣鐘
(
つりがね
)
が、ガーンと落ちて、パイと白拍子が飛込む拍子に——
御矢
(
おんや
)
が
咽喉
(
のど
)
へ
刺
(
ささ
)
った。(
居
(
い
)
ずまいを直す)——ははッ、姫君。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『あんな
名僧
(
めいそう
)
知識
(
ちしき
)
と
謳
(
うた
)
われた
方
(
かた
)
がまだこんな
薄暗
(
うすぐら
)
い
境涯
(
ところ
)
に
居
(
い
)
るのかしら……。』
時々
(
ときどき
)
意外
(
いがい
)
に
感
(
かん
)
ずるような
場合
(
ばあい
)
もあるのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
太「これ
何処
(
どこ
)
へ参って
居
(
お
)
るかな、これ照や、狼藉者が這入ったが、何処へ参って
居
(
い
)
るか、これ早く
燈光
(
あかり
)
を持って参れ、燈光を……」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「それより
向
(
むこ
)
うのくだものの木の踊りの
環
(
わ
)
をごらんなさい。まん中に
居
(
い
)
てきゃんきゃん
調子
(
ちょうし
)
をとるのがあれが
桜桃
(
おうとう
)
の木ですか。」
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
むかしむかし
大昔
(
おおむかし
)
、
今
(
いま
)
から二千
年
(
ねん
)
も
前
(
まえ
)
のこと、
一人
(
ひとり
)
の
金持
(
かねも
)
ちがあって、
美
(
うつ
)
くしい、
気立
(
きだて
)
の
善
(
い
)
い、おかみさんを
持
(
も
)
って
居
(
い
)
ました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
あの実の落ちて
居
(
い
)
る木の下へ行ったことがありますか。あの
香
(
こう
)
ばしい木の実を集めたり食べたりして遊んだことがありますか。
二人の兄弟
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
でも
水
(
みず
)
の中に
居
(
い
)
る
少女
(
おとめ
)
たちがどうするか、
様子
(
ようす
)
を
見届
(
みとど
)
けて行きたいと
思
(
おも
)
って、
羽衣
(
はごろも
)
をそっとかかえたまま、木の
陰
(
かげ
)
にかくれて
見
(
み
)
ていました。
白い鳥
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そう言わないで
何卒
(
どうか
)
もすこし
此処
(
ここ
)
に
居
(
い
)
て下さいな、もすこし……。
噫
(
ああ
)
!
如何
(
どう
)
して
斯
(
こ
)
う僕は無理ばかり言うのでしょう!
酔
(
よっ
)
たのでしょうか。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
それは
勿論
(
もちろん
)
正氣
(
せうき
)
の
人
(
ひと
)
の
目
(
め
)
からは
氣
(
き
)
ちがひと
見
(
み
)
える
筈
(
はづ
)
、
自分
(
じぶん
)
ながら
少
(
すこ
)
し
狂
(
くる
)
つて
居
(
い
)
ると
思
(
おも
)
ふ
位
(
くらゐ
)
なれど、
氣
(
き
)
ちがひだとて
種
(
たね
)
なしに
間違
(
まちが
)
ふ
物
(
もの
)
でもなく
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
盗賊
(
とうぞく
)
どもが
居
(
い
)
なくなった時、
押入
(
おしいれ
)
の中に
隠
(
かく
)
れていた
猿
(
さる
)
は、ようようでてきて、甚兵衛の
縛
(
しば
)
られてる
繩
(
なわ
)
を
解
(
と
)
いてやりました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
来て見ると
此
(
こ
)
の始末で、
仔細
(
わけ
)
は知らぬが七兵衛
老爺
(
じじい
)
の箒の
下
(
もと
)
に、一人の女が殴り倒されているので、
制
(
と
)
めずには
居
(
い
)
られぬ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これは
山里村
(
やまざとむら
)
居
(
い
)
つきの農夫、
憐
(
あわれ
)
みの深いじょあん
孫七
(
まごしち
)
は、とうにこの童女の額へ、ばぷちずものおん水を注いだ上、まりやと云う名を与えていた。
おぎん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
甲
(
こう
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
を
空想
(
くうそう
)
しながら、
花屋
(
はなや
)
の
店頭
(
みせさき
)
にあった
二鉢
(
ふたはち
)
のアネモネは、ある
日
(
ひ
)
、
大学生
(
だいがくせい
)
が、
前
(
まえ
)
に
立
(
た
)
って、
自分
(
じぶん
)
たちを
見
(
み
)
つめて
居
(
い
)
るのに
気
(
き
)
づきました。
花と人の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
就
(
つい
)
ては
乃公
(
おれ
)
がお前に
云付
(
いいつ
)
けてこの原書を訳させると、
斯
(
こ
)
う
云
(
い
)
うことに
仕
(
し
)
よう、そのつもりで
居
(
い
)
なさいと
云
(
いっ
)
て、ソレカラ私は緒方の
食客生
(
しょっかくせい
)
になって
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
それがこの
不首尾
(
ふしゅび
)
となっては、先生にあわせる顔もないしだいだが、天下のこと
居
(
い
)
ながらにして知る先生、またきっと好いおさしずがあろうと思う
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御殿に上ってお
居
(
い
)
での御息女が、お宿下りのお日に当るとかいうことで、初日、正面の
桟敷
(
さじき
)
を、御付込みになりました
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
人に対する反抗と
敵愾心
(
てきがいしん
)
のために絶えず弾力づけられていなければ
居
(
い
)
られないような彼女は、小野田の顔を見ると、いきなり
勝矜
(
かちほこ
)
ったように言った。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
……しかし、それにしても訳のわからない事があんまり多過ぎるようで、身動きするのさえ恐ろしくなりつつ、椅子の中へヒッソリと
居
(
い
)
ずくまった。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
さすがは御商売柄ですね。その通りですよ。かも
居
(
い
)
の釘から細い紐でピストルをつり下げて、如何にも人間がねらいを定めている様に見せかけたのです。
盗難
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
然し文に「妻子同共討取」とあるから、
何様
(
どう
)
も妻子は殺されたらしく、
逃還
(
にげかへ
)
つたのは一緒に
居
(
い
)
た妾であるらしい。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
そして、みんなが
居
(
い
)
ずまいを正し、
恐縮
(
きょうしゅく
)
しているような顔を、にこにこしながら見まわしたあと、すぐ室を出た。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
それに、
陰嚢
(
いんのう
)
もその影響を受けて、
起
(
た
)
ち
居
(
い
)
にもだんだん不自由を感じて来る、医師は
罨法剤
(
あんぽうざい
)
と
睾丸帯
(
こうがんたい
)
とを与えた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
御可憐
(
おかはい
)
さうなは信太郎とやら云ふ
御子
(
おこ
)
どすえなー、
大方
(
をゝかた
)
其女
(
そのあま
)
に毎々/\、いぢめられて
居
(
い
)
やはりなはつたでしやろ、
妾
(
わたし
)
の
家
(
うち
)
の
隣
(
となり
)
にも
貴女
(
あなた
)
継子
(
まゝこ
)
がありましてなー
夜汽車
(新字旧仮名)
/
尾崎放哉
(著)
羅はびっくりしてほとんど気絶しそうになったので、いたずら心もなくなって、きちんと
居
(
い
)
ずまいを直して坐っていると、だんだん変って来て
故
(
もと
)
の着物になった。
翩翩
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
消した。しかし全然
居
(
い
)
なくなったのではない。どこかに居るのだ。僕たちの目には見えないが、あの怪物はたしかに居るのだ。君は、僕のいうことを否定するかね
宇宙戦隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
分
(
わか
)
らないだって? まあ、そんなばかげた
事
(
こと
)
は
考
(
かんが
)
えない
方
(
ほう
)
がいいよ。お
前
(
まえ
)
さんここに
居
(
い
)
れば、
温
(
あたた
)
かい
部屋
(
へや
)
はあるし、
私達
(
わたしたち
)
からはいろんな
事
(
こと
)
がならえるというもの。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ことに倉地の帰りのおそい晩などは、葉子は座にも
居
(
い
)
たたまれなかった。倉地の
居間
(
いま
)
になっている十畳の
間
(
ま
)
に行って、そこに倉地の
面影
(
おもかげ
)
を少しでも忍ぼうとした。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
憾
(
うら
)
み参らせ候 家政の事は女の本分なればよくよく心を用い候よう
平生
(
かねがね
)
父より戒められ候事とて宅におり候ころよりなるたけそのつもりにて
居
(
い
)
参らせ候えども何を
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
起
(
た
)
ち
居
(
い
)
もきちんとしていた、みなしごという陰影など少しもないし、云いたいこと
為
(
し
)
たいことは臆せずにやる、爽やかなほど明るいまっすぐな性質に恵まれていた。
日本婦道記:墨丸
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
大正
(
たいしやう
)
六
年
(
ねん
)
の九
月
(
ぐわつ
)
十二
日
(
にち
)
から
金
(
きん
)
の
輸出禁止
(
ゆしゆつきんし
)
がしてあるから、
外國
(
ぐわいこく
)
から
物
(
もの
)
は
買
(
か
)
ふが
併
(
しかし
)
ながら
日本
(
にほん
)
から
金
(
きん
)
は
出
(
だ
)
すことはならぬ、
從
(
したがつ
)
て
日本
(
にほん
)
に
流通
(
りうつう
)
して
居
(
い
)
る
通貨
(
つうくわ
)
の
高
(
たか
)
は
減
(
へ
)
らぬ。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
五時より六時の間なりしが例の如く珈琲館にて
戯
(
たわむ
)
れ
居
(
い
)
たるに、衣類も
穢
(
むさ
)
くるしく
怪
(
あや
)
しげなる男
一人
(
いちにん
)
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
吾
曾
(
かつ
)
て象山師に聞くことあり、
云
(
いわ
)
く、
出
(
で
)
交易は可なり
居
(
い
)
交易は不可なり、余曰く、国力強盛にて外夷を
駕馭
(
がぎょ
)
するに余らば、居交易もまた可なり、いわんや出交易をや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
もし彼がどこかに
居
(
い
)
るものとすれば、事実彼の名は教会名簿にも大冊の赤い華族名鑑にもまだ載っているのだ、だが誰にも彼れを太陽の下に見たと云うものがないのだ。
作男・ゴーの名誉
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
怪談の
中
(
うち
)
でも、人間が死ぬ
断末魔
(
だんまつま
)
の
刹那
(
せつな
)
に遠く離れて
居
(
い
)
る、親しい者へ、知らせるというのは、決して怪談というべき
類
(
るい
)
では無かろうと思う、これは立派な精神的作用で
テレパシー
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
かすめたり、こそッと人の
居
(
い
)
ん
所
(
とこ
)
い
閉
(
と
)
じ
籠
(
こも
)
ったりするようなんは、健全な交際とは認められん。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
薫物
(
たきもの
)
が煙いほどに
焚
(
た
)
かれていて、この室内に
起
(
た
)
ち
居
(
い
)
する女の
衣摺
(
きぬず
)
れの音がはなやかなものに思われた。奥ゆかしいところは欠けて、
派手
(
はで
)
な現代型の
贅沢
(
ぜいたく
)
さが見えるのである。
源氏物語:08 花宴
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「それがようござる。
及
(
およ
)
ばずながら
愚老
(
ぐろう
)
が
看護
(
かんご
)
して
居
(
い
)
る
以上
(
いじょう
)
、
手落
(
ておち
)
はいたさぬ
考
(
かんが
)
えじゃ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
其所
(
そこ
)
へ彼女の
癇性
(
かんしょう
)
が手伝った。彼女はどんなに
気息苦
(
いきぐる
)
しくっても、いくら
他
(
ひと
)
から忠告されても、どうしても
居
(
い
)
ながら用を足そうといわなかった。
這
(
は
)
うようにしてでも
厠
(
かわや
)
まで行った。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いつまで
饒舌
(
しやべ
)
つて
居
(
い
)
やがるのだ、
井戸端
(
ゐどばた
)
は米を
磨
(
と
)
ぐ所で、油を売る所ぢやねえぞと。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
無いよ、
蔀
(
しとみ
)
の隙間からは、どんな槍の名人でも、二間半先に
居
(
い
)
る人は突けない。
銭形平次捕物控:282 密室
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
歯の根も合わぬほどなるも、風雨の中を縦横奔走して、指揮監督し、
或
(
あ
)
る時は自ら
鍬
(
くわ
)
を
揮
(
ふる
)
い、または自ら
衣
(
い
)
を
剥
(
ぬい
)
で人夫に与え、
力
(
つと
)
めて平気の
顔色
(
がんしょく
)
を粧い
居
(
い
)
たりしも、予も
均
(
ひと
)
しく人間なれば
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
その夜はちょうど私の当直番でしたが、夜半に看護婦があわたゞしく起しに来ましたので、駈けつけて見ると、彼女はベッドの上に、のた打ちまわって、悲鳴をあげ
乍
(
なが
)
ら苦しんで
居
(
い
)
ました。
痴人の復讐
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
左の折詰を持った手で、
傘
(
かさ
)
を持ってる手の下をさぐってみたが何物も
居
(
い
)
ない、こいつまた何かござったなと、
早速
(
さっそく
)
気がついたので、私はまた
御陵
(
みささぎ
)
の石段へどっかと腰を下ろして怒号ったのだ
狸問答
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
その頃フランスにビュッフォンという学者が
居
(
い
)
ましたが、この人も動物をいろいろ研究しているうちに、食物や気候などによってやはり種類が変ってゆくのではないかという説を
称
(
とな
)
えました。
チャールズ・ダーウィン
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
二十間もはなれて、その間に、大勢の人が
居
(
い
)
ながら、すぐ傍にいた学生を除いては、第一に
馳
(
かけ
)
つけて来た、ということは、その娘にずーっと注意していた、ということの証拠になると思うね。
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
「しなが鳥」は
猪名
(
いな
)
につづく枕詞で、しなが鳥即ち
鳰鳥
(
におどり
)
が、
居並
(
いなら
)
ぶの
居
(
い
)
と
猪
(
い
)
とが同音であるから、猪名の枕詞になった。猪名野は摂津、今の豊能川辺両郡に
亙
(
わた
)
った、猪名川流域の平野である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
此
(
こ
)
の
朝
(
あさ
)
になつてからもお
品
(
しな
)
の
容態
(
ようだい
)
がいゝので
勘次
(
かんじ
)
はほつと
安心
(
あんしん
)
した。さうして
斜
(
なゝめ
)
に
遠
(
とほ
)
くから
射
(
さ
)
す
冬
(
ふゆ
)
の
日
(
ひ
)
を
浴
(
あ
)
びながら
庭葢
(
にはぶた
)
の
上
(
うへ
)
に
筵
(
むしろ
)
を
敷
(
し
)
いて
俵
(
たはら
)
を
編
(
あ
)
みはじめた。
薦
(
こも
)
つくこは
兩端
(
りやうたん
)
に
足
(
あし
)
が
附
(
つ
)
いて
居
(
い
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
現今
(
いま
)
私の
家
(
うち
)
に
居
(
い
)
る門弟の
実見談
(
じっけんだん
)
だが、所は
越後国西頸城郡市振村
(
えちごのくににしくびきぐんいちふりむら
)
というところ、その男がまだ十二三の頃だそうだ、自分の
家
(
うち
)
の
直
(
じ
)
き近所に、
勘太郎
(
かんたろう
)
という
樵夫
(
きこり
)
の
老爺
(
おやじ
)
が住んでいたが、
倅
(
せがれ
)
は漁夫で
千ヶ寺詣
(新字新仮名)
/
北村四海
(著)
大佐閣下
(
たいさかつか
)
も
餘程
(
よほど
)
前
(
まへ
)
から
此
(
この
)
企
(
くはだて
)
はあつたので、すでに
製圖
(
せいづ
)
まで
出來
(
でき
)
て
居
(
を
)
るのだが、
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
の
方
(
ほう
)
が
急
(
いそ
)
がしいので、
力
(
ちから
)
を
分
(
わ
)
ける
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ず、
何
(
いづ
)
れ
艇
(
てい
)
の
竣成
(
しゆんせい
)
後
(
ご
)
、
製造
(
せいぞう
)
に
着手
(
かゝ
)
らうと
仰
(
おつ
)
しやつて
居
(
い
)
るのだが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
居
常用漢字
小5
部首:⼫
8画
“居”を含む語句
住居
芝居
居眠
居住
居候
起居
被居
常居
居室
居合
居堪
居据
居酒屋
蹲居
居所
居間
居処
籠居
安居
芝居気
...