“揷(い)” の例文
柱掛に紅梅が一と枝揷(い)けてあって、その下で顎十郎が口の端から涎を垂らして、ぼんやりと眼を見ひらいている。
顎十郎捕物帳:01 捨公方 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
式台の端の花揷(い)けに昼顔が揷けてある。水をやらないものだから、花が、みな、のたりと首を垂れている。
キャラコさん:06 ぬすびと (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
画のじょうずなトクさんは雪の下から掘り出したはりえにしだの枝で奇妙な生花を揷(い)けた。
床(とこ)の間(ま)に、瓢斎(ひょうさい)の竹籠に揷(い)けた黄色い夏(なつ)薔薇がある。
キャラコさん:06 ぬすびと (新字新仮名) / 久生十蘭(著)