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適
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い
ふりがな文庫
“
適
(
い
)” の例文
「どうせうたつて、お前の心一つぢやないか。
初発
(
はじめ
)
にお前が
適
(
い
)
きたいといふから、かう云ふ話にしたのぢやないかね。それを今更……」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その前は学校の近くの旅館にいたり、高燥なH街の某軍人の家などにおいて貰っていたが、最後に腰をすえたこの家が一番気に
適
(
い
)
っている。
日蔭の街
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
景は女が約束に
負
(
そむ
)
いて他の家へ
適
(
い
)
ったのを知って
憤
(
いきどお
)
りで胸の中が一ぱいになった。彼は大声をあげて叫ぶようにいった。
阿霞
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
服装
(
みなり
)
も汚くはないんだね、折目の附いたと言いたいが、それよりか、
皺
(
しわ
)
の無いと言った方が
適
(
い
)
い、坊さんか、尼のような、無地の、ぬべりとしたのでいた。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
併
(
しか
)
し一
番
(
ばん
)
に氣に
適
(
い
)
ツたのは、
眉
(
まゆ
)
と眼で、眉は
單
(
たゝ
)
温順
(
すなほ
)
にのんびりしてゐるといふだけのことであツたが
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
それは
然
(
そ
)
うよ、それは然うだけれど、
他家
(
ほか
)
から
嫁子
(
よめっこ
)
を貰やア田地が附いて来る、金が附いて来るたって、ま
宅
(
うち
)
へ呼ばって、
後
(
あと
)
で己が気に
適
(
い
)
らねえば仕様がねえ訳だ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
文中に「ワガ兄弟三人」とあるのは毅堂の弟蓉裳と小塚氏に
適
(
い
)
った妹某をいうのである。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
究竟
(
つまり
)
妾達
(
あたしたち
)
が
意
(
き
)
に
適
(
い
)
らないからさ。けれども、
妾
(
あたし
)
ア
必然
(
きっと
)
呼んで見せる。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
お前がそれ程に思ふのなら、何で自分から
適
(
い
)
きたいとお言ひなのだえ。さう
何時
(
いつ
)
までも気が迷つてゐては困るぢやないか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
親の石塔料の為奉公していると聞き、其の頃は武士を
尊
(
たっと
)
ぶから母は感心して、
然
(
そ
)
ういう者なれば金を出して、当人が気に
適
(
い
)
ったならどうせ嫁を貰わんではならんから貰い
度
(
た
)
いと
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
島津家の重臣某の
許
(
もと
)
に望まれて
適
(
い
)
ったが、文久三年
麻疹
(
ましん
)
流行の時、鷲津氏に
嫁
(
とつ
)
いだ妹美代の女恒がこの病に感染したのを聞いて見舞に来り、自身もまた感染してそれがために死した。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それだから私までが憎いので、いいえ、さうよ、私は何でも可いから、若し雅さんが引取つて下さらなければ、一生
何処
(
どこ
)
へも
適
(
い
)
きはしませんから
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
水街道の麹屋へ話してお隅を金で
身受
(
みうけ
)
して
家
(
うち
)
へ連れて来てまず様子を見るとしとやかで、器量といい、誠に母へもよく
事
(
つか
)
えます故、母の気にも
適
(
い
)
って村方のものを
聘
(
よ
)
んで
取極
(
とりきめ
)
をして
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
五「相談だって
手前
(
てめえ
)
は二十四五にも成りやアがって、ぶら/\
遊
(
あす
)
んでて、親の
脛
(
すね
)
ばかり
咬
(
かじ
)
っていやアがる、親の脛を咬っている内は親の自由だ、手前の勝手に気に
適
(
い
)
った女が貰えるか」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
適
常用漢字
小5
部首:⾡
14画
“適”を含む語句
適合
適当
適宜
快適
適當
適切
適々
悠々自適
適確
適中
不適當
適用
適例
胡適
閑適
適役
適否
室適
適応
適従
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