)” の例文
旧字:
半五「へい、これ/\ばあやア、の六畳へ火鉢を持って、茶はいのをれて、菓子は羊羹があった、あれを切って持って来い、さア此方こちらへ、此処からかれます」
浪子は手匣てばこより母の写真取りでて床にかけ、千鶴子がて来し白菊のやや狂わんとするをその前に手向たむけ、午後には茶などれて、幾の昔語りに耳傾けしが、今は幾も看護婦もまかりて
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
よんどころなく善平は起き直りて、それでは仲直りに茶をれようか。あの持って来た干菓子を出してくれ。と言えば、知りませぬ。と光代はまだ余波を残して、私はお湯にでも参りましょうか。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
にがちゃれて、森永もりながのドロップスなど出してくれた。余等は注文ちゅうもんしてもぎ立ての玉蜀黍をの火で焼いてもらう。あるじは岡山県人、四十余の細作ほそづくりな男、余作君に過日こないだくすりは強過ぎ云々と云って居た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
和尚が茶をれたり菓子を出したり、また精進料理で旨くはないが、有合ありあいで馳走に成りまして、是から極楽水を出まして、れから壱岐殿坂いきどのざかの下へ出て参り、水道橋を渡って小川町へ来て
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
四時やゝまわると、妻がちゃれ、鶴子が焼栗やきぐりを持て入って来た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ちょうど此の時白島山平は少しも心得ませんから療治を致して一人の客を帰したあとで、茶をれて一服って居りますると、入口から年四十二三の色の浅黒い女が、半纒はんてんを着て居りましたが
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そのあとで茶をれて四方八方よもやまの話から、幽霊の有無ありなしの話をしましたが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)