)” の例文
次に落別おちわけの王は、小目の山の君、三川の衣の君が祖なり。次に日帶日子かたらしひこの王は、春日の山の君、高志の池の君、春日部の君が祖なり。
この間、旅先から手紙を寄越よこしなすったそうだが、なぜもっと早く来ないのかって、お家様もうわさをしていたのさ。船が出るのはだから、まだちょっと間がある。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
い、う、い、お、つ、う、ななあ、こことを、十一、十二……十三……
落葉日記(三場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
「見てみろ、また高楼に灯が入った。道益の一ノ姫は、今夜も船澗ふなまをあけて、谷戸の業平なりひらに夜舟を漕がせる気とみえる。これでもうつづけうちだが、ようまァ精の出ることだ」
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
僕等がちょうど二丁目の角へ来ると、伊勢源いせげんと云う呉服屋の前でその男に出っ食わした。伊勢源と云うのは間口が十間でくら戸前とまえあって静岡第一の呉服屋だ。今度行ったら見て来給え。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
部屋もしかないこの別荘のどの部屋に閉じこもっているのか、それすらも分らないほどに、どこかの部屋へ閉じこもったきりで、橋を渡って向う河岸がし亀長かめちょうから運んで来る三度三度のお膳さえ
山県有朋の靴 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
つきて見むこことを手もて数へてこれの手鞠を
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「——ツ、ウ、……」
浮かぶ飛行島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いい正月だな、おれのような者にも、つ切れの餅をさずかったところを見ると、天は誰へも、正月だけはさせてくれるものとみえる。——屠蘇とそは満々と流れている加茂の水、門松かどまつは東山三十六峰。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老いし兵わらひ落しつかきかぞへ九人ここなたりの子
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ツ切れの餅の力は、かかとにまで充溢じゅういつしていた。彼は、踵をめぐらして
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
色事いろの仕立て方のこと。金蓮きんれん良人おっとの目を縫うこと
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)