“五(い)” の例文
次に落別(おちわけ)の王は、小目の山の君、三川の衣の君が祖なり。次に五(い)十日帶日子(かたらしひこ)の王は、春日の山の君、高志の池の君、春日部の君が祖なり。
この間、旅先から手紙を寄越(よこ)しなすったそうだが、なぜもっと早く来ないのかって、お家様も噂(うわさ)をしていたのさ。船が出るのは五(い)ツ刻(つ)だから、まだちょっと間がある。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一(ひ)い、二(ふ)う、三(み)い、四(よ)お、五(い)つ、六(む)う、七(なな)、八(や)あ、九(ここ)、十(とを)、十一、十二……十三……
落葉日記(三場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
「見てみろ、また高楼に灯が入った。道益の一ノ姫は、今夜も船澗(ふなま)をあけて、谷戸の業平(なりひら)に夜舟を漕がせる気とみえる。これでもう五(い)つ夜(や)つづけうちだが、ようまァ精の出ることだ」
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
僕等がちょうど二丁目の角へ来ると、伊勢源(いせげん)と云う呉服屋の前でその男に出っ食わした。伊勢源と云うのは間口が十間で蔵(くら)が五(い)つ戸前(とまえ)あって静岡第一の呉服屋だ。今度行ったら見て来給え。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
部屋も五(い)ツ間(ま)しかないこの別荘のどの部屋に閉じこもっているのか、それすらも分らないほどに、どこかの部屋へ閉じこもったきりで、橋を渡って向う河岸(がし)の亀長(かめちょう)から運んで来る三度三度のお膳さえ
山県有朋の靴 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
つきて見む一(ひ)二(ふ)三(み)四(よ)五(い)六(む)七(な)八(や)九(ここ)の十(とを)手もて数へてこれの手鞠を
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「——五(い)ツ、六(む)ウ、……」
浮かぶ飛行島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いい正月だな、おれのような者にも、五(い)つ切れの餅を授(さず)かったところを見ると、天は誰へも、正月だけはさせてくれるものとみえる。——屠蘇(とそ)は満々と流れている加茂の水、門松(かどまつ)は東山三十六峰。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老いし兵笑(わらひ)落しつかきかぞへ一(ひ)二(ふ)三(み)四(よ)五(い)六(む)七(な)八(や)九人(ここなたり)の子
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
五(い)ツ切れの餅の力は、踵(かかと)にまで充溢(じゅういつ)していた。彼は、踵をめぐらして
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
色事五(い)ツ種(いろ)の仕立て方のこと。金蓮(きんれん)、良人(おっと)の目を縫うこと
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)