)” の例文
山窟さんくつの賊が、鎮台の将と内通しているようなみだれでは、まるで無政府同様なざまではないか。すぐさまって、黒白をつけてまいれ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遠祖ファイト・バッハはハンガリーにってパン屋を開いているうち、十六世紀の中頃ルーテル派の信仰をまもるために
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
あるいは富山とやまき、高岡に買われ、はた大聖寺だいしょうじ福井に行き、遠くは故郷の新潟に興行し、身をいとわず八方にかせまわりて、幸いにいずくもはずさざりければ
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
途中の警衛役としてった佐々木道誉と帝との間には、恐らく史家もうかがいえぬ史外の関係が生れていただろうと思う。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、はやくも形勢を察し、みずからって、直義をたすけたい旨を、再三、朝廷へ奏請していた。しかるに朝廷では、これにたいして、断じておゆるしをくださなかった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と存じて、御著にかれるようにたのみ申すのだ。何分たのむ。——そして岡山の宇喜多直家うきたなおいえと聯絡をとられ、児島地方にとりでをかためて、一先ずは、毛利の大軍をそこに喰いとめておかれよ。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)