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謂
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い
ふりがな文庫
“
謂
(
い
)” の例文
からだがしびれるほどに、
謂
(
い
)
わば、私は、ばんざいであった。大歓喜。そんな言葉が、あたっている。くるしいほどの、歓喜である。
新樹の言葉
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
是等
(
これら
)
は
謂
(
い
)
わば従であり人が主であるから、必要に迫らるれば、随分無理をして、といっても、
巧
(
たくみ
)
に自然を利用することを忘れないで
峠
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
おまけに散々な目に
遭
(
あ
)
わされて、最後には命までも落すようなことになった相手は、
侍従
(
じじゅう
)
の
君
(
きみ
)
、———世に
謂
(
い
)
う本院の侍従であった。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「
紺屋
(
こうや
)
じゃあねえから
明後日
(
あさって
)
とは
謂
(
い
)
わせねえよ。
楼
(
うち
)
の
妓衆
(
おいらん
)
たちから三
挺
(
ちょう
)
ばかり来てる
筈
(
はず
)
だ、もう
疾
(
とっ
)
くに出来てるだろう、大急ぎだ。」
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大番頭の
佐兵衛
(
さへえ
)
は六十を越した老人で、忠実一点張りの男、本店からの付け人で、
謂
(
い
)
わば主人の又左衛門の後見役でもあったのです。
銭形平次捕物控:041 三千両異変
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
昔の美しさから
謂
(
い
)
えば、生地の美しさの見すかされるのではいけない。今の仁左衛門なども、あの素顔のよさがいけないのだと思う。
役者の一生
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
幾ら
人數
(
にんず
)
が少ないと
謂
(
い
)
ツて、書生もゐる
下婢
(
げぢよ
)
もゐる、それで
滅多
(
めつた
)
と笑聲さへ聞えぬといふのだから、
恰
(
まる
)
で冬の
野
(
の
)
ツ
原
(
ぱら
)
のやうな光景だ。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
ロレ いや、
其
(
その
)
語
(
ことば
)
の
鋭鋒
(
きっさき
)
を
防
(
ふせ
)
ぐ
甲胄
(
よろひ
)
を
與
(
おま
)
さう。
逆境
(
ぎゃくきゃう
)
の
甘
(
あま
)
い
乳
(
ちゝ
)
ぢゃと
謂
(
い
)
ふ
哲學
(
てつがく
)
こそは
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
の
慰
(
なぐさ
)
め
草
(
ぐさ
)
ぢゃ、よしや
追放
(
つゐはう
)
の
身
(
み
)
とならうと。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「兄を弄んで間接に、殺して置きながら、まだ二月と経たない今、この俺を! 箱根まで誘ひ出して、
謂
(
い
)
はれのない恥辱を与へる!」
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
……ということは古く存在した料理店「松田」のあとにカフェエ・アメリカ(いま改めてオリエント)の出来たばかりの
謂
(
い
)
いではない。
雷門以北
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
児童ばかりではなく、その父兄たち
謂
(
い
)
わば山間で警備や、教職についている人たちにとっても、最も楽しい年中行事の一つである。
霧の蕃社
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
稲田家は当時士族になっていたが、明治以前は香川という家老の家来で、
謂
(
い
)
わゆる
復家来
(
またげらい
)
であったから、私のうちより家柄は低かった。
御萩と七種粥
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
舌の戦ぎというのは、ロオマンチック時代のある小説家の云った事で、女中が主人の出た
迹
(
あと
)
で、近所をしゃべり廻るのを
謂
(
い
)
うのである。
あそび
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それで
謂
(
い
)
わば
矢鱈
(
やたら
)
に読んで見た方であるが、それとて矢張り一定の時期が来なければ、幾ら何と思っても解らぬものは解る道理がない。
私の経過した学生時代
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これが前にもちょいと申し上げて置きました、若殿様が
笙
(
しょう
)
だけを御吹きにならないと云う、その
謂
(
い
)
われに縁のある事なのでございます。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
謂
(
い
)
う心は、両足を
地面
(
じべた
)
に喰っつけていて歌う詩ということである。実人生と何らの間隔なき心持をもって歌う詩ということである。
弓町より
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
つまり
半
(
なか
)
ばねたみ心から、若者の一挙一動を、ラッパを吹きながら正面を切った、その眼界の及ぶ限り、
謂
(
い
)
わば見張っていたのである。
木馬は廻る
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
舌をもって草を
舐
(
な
)
め、その味によって種別した、とあり、齊の桓公の料理人易牙は、形の美を
謂
(
い
)
わずして味の
漿
(
しょう
)
を
嗜
(
たしな
)
んだ、という。
雪代山女魚
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
己はこれまで
謂
(
い
)
はば総ての人の同意を得て生きてゐた。己の周囲には己を援助して生を
聊
(
いささか
)
せしめてくれようと云ふ合意が成立してゐた。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
是故に汝もしさきにわがいへることゝ此事とを思ひみなば、わが
謂
(
い
)
ふところの
比類
(
たぐひ
)
なき智とは王者の
深慮
(
ふかきおもんばかり
)
を指すをみむ 一〇三—一〇五
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
今の言葉で
謂
(
い
)
う「宣伝」も大いに心がけているようで、格式の高い法隆寺や東大寺に比べて、
所謂
(
いわゆる
)
経営の心労のほどが察せられる。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
と
謂
(
い
)
うのは、この島に行けば、亡くなった人の顔を見ることができるそうなという言い伝えが、この時代にあったことを暗示している。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「およそ
人心
(
じんしん
)
の
裏
(
うち
)
絶
(
た
)
えて
無
(
な
)
きのこと、
夢寐
(
むび
)
に
形
(
あらわ
)
れず、
昔人
(
せきじん
)
謂
(
い
)
う、
男
(
おとこ
)
、
子
(
こ
)
を
生
(
う
)
むを
夢
(
ゆめ
)
みず、
女
(
おんな
)
、
妻
(
さい
)
を
娶
(
めと
)
るを
夢
(
ゆめ
)
みず、この
言
(
げん
)
良
(
まこと
)
に
然
(
しか
)
り」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
之
(
これ
)
が
俗
(
ぞく
)
に
謂
(
い
)
ふ
虫
(
むし
)
の
知
(
し
)
らせとでもいふものであらうかと、
後
(
のち
)
に
思
(
おも
)
ひ
當
(
あた
)
つたが、
此時
(
このとき
)
はたゞ
離別
(
りべつ
)
の
情
(
じやう
)
さこそと
思
(
おも
)
ひ
遣
(
や
)
るばかりで、
私
(
わたくし
)
は
打點頭
(
うちうなづ
)
き
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
若
(
も
)
し
謂
(
い
)
うところの芸術家のみが創造を
司
(
つかさど
)
り、他はこれに
与
(
あずか
)
らないものだとするなら、どうして芸術品が一般の人に訴えることが出来よう。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
一世の
崇仰
(
すうぎょう
)
を得たことは勿論であって、後には
天
(
あめ
)
が下を殆どおのが心のままにしたように
謂
(
い
)
われ、おのれも寛仁の二年の冬には
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
糞
(
ふん
)
を
喰
(
く
)
う餓鬼 とも
謂
(
い
)
うべきもので、まあ私の見た人種、私の聞いておる人種の中ではあれくらい
汚穢
(
おわい
)
な人間はないと思うです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
鼻の
辺
(
あたり
)
に
薄痘痕
(
うすいも
)
ありて、口を
引窄
(
ひきすぼ
)
むる癖あり。歯性悪ければとて常に
涅
(
くろ
)
めたるが、かかるをや
烏羽玉
(
ぬばたま
)
とも
謂
(
い
)
ふべく
殆
(
ほとん
)
ど
耀
(
かがや
)
くばかりに
麗
(
うるは
)
し。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
また上下の文ありて「入りては則ち髪を乱し形を
壊
(
やぶ
)
り、出でては則ち
窈窕
(
ようちょう
)
して態を
作
(
な
)
す……これ心を専らにし色を正すこと
能
(
あた
)
わずと
謂
(
い
)
う」
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
是等
(
これら
)
はおなじく、神経の
雋鋭
(
しゆんえい
)
になつたための一つの証候であるが、これは
気稟
(
きひん
)
に本づく
方嚮
(
はうかう
)
の違ひであると
謂
(
い
)
つていいだらう。
結核症
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
余かつて
謂
(
い
)
う、外国技芸、採用すべからざるものなし。ただに唱歌の法、外国のまま用うべからず。新曲の製の止むべからざるゆえんなり。
国楽を振興すべきの説
(新字新仮名)
/
神田孝平
(著)
景気といい景曲といい見様体という、皆わが
謂
(
い
)
うところの客観的なり。もって芭蕉が客観的叙述を
難
(
かた
)
しとしたること見るべし。
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
作者の思想観念が顕著に出ている小説でなければ価値がないという点から出発している小説の
謂
(
い
)
いであったのであろうと思う。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
与八こそは、全く世の
謂
(
い
)
うところの教育せられない民でありました。彼は
棄児
(
すてご
)
ですから、家庭の教育というものがありません。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
私が今日までの
謂
(
い
)
はゆる第一の牢で何にを苦しんだのでせう。同じ苦しみをした同じ処にはいつて行くほどの、私は馬鹿ではないと信じます。
書簡 大杉栄宛:(一九一六年五月三一日)
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
絵巻物のような単独鑑賞の絵画にしても「源氏物語絵巻」の如きは「つくり絵」と
謂
(
い
)
われる
胡粉
(
ごふん
)
ぬり重ねによる色彩の
諧和
(
かいわ
)
豊麗を志している。
美の日本的源泉
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
それだけに
謂
(
い
)
わば筑前の無二の
股肱
(
ここう
)
。いや官兵衛、
御辺
(
ごへん
)
とならば、きっと
肝胆
(
かんたん
)
相照らすものがあろうぞ。
刎頸
(
ふんけい
)
を誓ったがよい
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
実際
此
(
こ
)
の失恋でもない、
況
(
いは
)
んや得恋でもない、
謂
(
い
)
はゞ無恋の心もちが、一番悲惨な心持なんだ。此の
落寞
(
らくばく
)
たる心持が、俺には
堪
(
たま
)
らなかつたんだ。
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
因
(
よつ
)
て
齊
(
せい
)
に
家
(
いへ
)
せり。
世
(
よ
)
の・
老子
(
らうし
)
を
學
(
まな
)
ぶ
者
(
もの
)
は
則
(
すなは
)
ち
儒學
(
じゆがく
)
を
絀
(
しりぞ
)
け、
儒學
(
じゆがく
)
も
亦
(
また
)
老子
(
らうし
)
を
絀
(
しりぞ
)
く。『
道
(
みち
)
、
同
(
おな
)
じからざれば、
相
(
あひ
)
爲
(
た
)
めに
謀
(
はか
)
らず』とは、
豈
(
あに
)
是
(
これ
)
を
謂
(
い
)
ふ
邪
(
か
)
。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
誰
(
だれ
)
か
自分
(
じぶん
)
の
所
(
ところ
)
に
來
(
き
)
たのでは
無
(
な
)
いか、
自分
(
じぶん
)
を
尋
(
たづ
)
ねてゐるのでは
無
(
な
)
いかと
思
(
おも
)
つて、
顏
(
かほ
)
には
謂
(
い
)
ふべからざる
不安
(
ふあん
)
の
色
(
いろ
)
が
顯
(
あら
)
はれる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「
情人
(
いろ
)
でも何でもないものなら、お前が自腹を切る
謂
(
い
)
われはないじゃないか。家だってお前の親類の人から、勘定を取ろうとは言やしまいし。」
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
この坑の中はこの通り四通八達の市街になっていまして、丁度京都全体ぐらいの大きさです。太い線になっているのが
謂
(
い
)
わば
目貫
(
めぬき
)
の往来で石炭を
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
汽車に乗せたらと
謂
(
い
)
って、
荻窪
(
おぎくぼ
)
から汽車で
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
に送って、林の中に
繋
(
つな
)
いで置いたら、
頸
(
くび
)
に縄きれをぶらさげながら、一週間ぶりに
舞
(
ま
)
い
戻
(
もど
)
った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
あの市は本街道を離れて、
謂
(
い
)
はば非常な所にあるのだから、読者諸君のうちであそこへ往つたことのある人は少からう。
十三時
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
マカロンの、いささか濃厚な味は、然しフランスの乾菓(キャンディーではない。いまで
謂
(
い
)
うクッキー)の王者だった。
甘話休題
(新字新仮名)
/
古川緑波
(著)
子
(
し
)
、
子賤
(
しせん
)
を
謂
(
い
)
う。君子なるかな、かくのごときの人。魯に君子者無くんば、
斯
(
こ
)
れ
焉
(
いずく
)
んぞ
斯
(
これ
)
を取らんと。——公冶長篇——
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
と
云
(
い
)
うのは、ドイツでヴュルツブルグ大学の教授レンチェンが
謂
(
い
)
わゆるエックス線を発見して学界を驚かしたからです。
キュリー夫人
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
すなわち、第二に彼は、一種の「
船上出張商人
(
ヴェンデドゥル・デ・アポルド
)
」——英語で
謂
(
い
)
う—— ship-chandler「しっぷ・ちゃん」——を開業していたのだ。
踊る地平線:08 しっぷ・あほうい!
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
しからばここに
謂
(
い
)
うところの「憲法」とはいかなるものか。この憲法というものの意味を明らかにせざれば憲政という意味もまた明瞭にならない。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
信の尖鋭照著なるもの、即て見なりともいふべし。されど、こゝには唯だ普通
謂
(
い
)
ふ所の信の一義を取つて言説せるなり。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
謂
漢検準1級
部首:⾔
16画
“謂”を含む語句
所謂
由謂
以謂
謂捨
王勃所謂
謂出
謂予
謂集
丁謂
謂知
謂無
謂歟
謂可
敢問何謂浩然之気
所謂因縁
得謂
可謂
其謂
何如斯可謂之土矣
今之孝者是謂能養