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網
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い
ふりがな文庫
“
網
(
い
)” の例文
そのアーチのあいだには、鉄のわくどりがさながらくもの
網
(
い
)
のように一面に組みあげられて、それにガラスがはめこんでありました。
アッタレーア・プリンケプス
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
大気は死んだようにそよりともせず、長い蜘蛛の
網
(
い
)
が栗の梢から地上に力なく垂れ下がったまま、じっと揺れずにいた。
決闘
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
暁の冷い空気が顔を
撲
(
う
)
つ。
臭橘
(
からたち
)
の垣の蜘蛛の
網
(
い
)
に留まつてゐる雨の雫は、矢張真珠のやうに光つてゐる。藪には低い
靄
(
もや
)
が漂うてゐる。八は
身慄
(
みぶるひ
)
をした。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
そうなると男は女恋しさをいよいよ切に感じ出し、袖にかかる
蜘
(
くも
)
の
網
(
い
)
を払いながら、山吹の茂みのなかを掻き分けていった。男はもう一度空しく女の名を呼んだ。
曠野
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
機械を調べてみると、何とかいうあの蜘蛛の
網
(
い
)
の形をした
捲線
(
まきせん
)
が新しく取換えられてあるのである。
ラジオ雑感
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
榻
(
こしかけ
)
に坐ったまま板縁の地図へずっと手をさしのばして、そのこまかく図してあるところより
蜘蛛
(
くも
)
の
網
(
い
)
のように画かれた線路をたずねながら、かなたこなたへコンパスを歩かせているうちに
地球図
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
道翹
(
だうげう
)
は
蛛
(
くも
)
の
網
(
い
)
を
拂
(
はら
)
ひつゝ
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つて、
閭
(
りよ
)
を
豐干
(
ぶかん
)
のゐた
明家
(
あきや
)
に
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
つた。
日
(
ひ
)
がもう
暮
(
く
)
れ
掛
(
か
)
かつたので、
薄暗
(
うすくら
)
い
屋内
(
をくない
)
を
見𢌞
(
みまは
)
すに、がらんとして
何
(
なに
)
一つ
無
(
な
)
い。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
道翹は
蛛
(
くも
)
の
網
(
い
)
を払いつつ先に立って、閭を豊干のいたあき家に連れて行った。日がもう暮れかかったので、薄暗い屋内を見廻すに、がらんとして何一つない。
寒山拾得
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
竹藪の奥の
詰
(
つめ
)
まで来た。ここからは障子を
脱
(
はづ
)
してある八畳の間が見える。ランプの光は、裏の畠の
界
(
さかひ
)
になつてゐる、
臭橘
(
からたち
)
の垣を照して、
蜘
(
くも
)
の
網
(
い
)
に溜まつた雨の
雫
(
しづく
)
がぴかぴかと光つてゐる。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
蜘蛛
(
くも
)
は
網
(
い
)
を張って虫の掛かるのを待っています。あれはどの虫でも好いのだから、平気で待っているのです。若し一匹の
極
(
き
)
まった虫を取ろうとするのだと、蜘蛛の網は役に立ちますまい。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
“網”の解説
網(あみ、网)とは、柔軟性に富む糸や鋼線などを格子状に結びつけた形状の製品。ネット(en: net)ともいう。
(出典:Wikipedia)
網
常用漢字
中学
部首:⽷
14画
“網”を含む語句
金網
天網恢々
手網
玉網
大網
攩網
蛛網
横網町
鳥網
網曳
投網
網膜
網羅
鉄網
小網町
網引
小網
一網
鉄条網
天網
...