)” の例文
為朝ためともすじかれてゆみすこよわくなりましたが、ひじがのびたので、まえよりもかえってながることができるようになりました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そのうちに皇子はすきまをねらって、さっと矢をおつがえになり、罪もない忍歯王おしはのみこを、だしぬけに落としておしまいになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
大弓場だいきゅうばへいって弓を引いている間もそうだ。照彦様は楽なことだけをする。すなわちるばかりで、矢を拾いにはけっしてゆかない。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
そのとたんに、竹童はおもわずひじをまげて顔をよけた。まえの萱葺屋根かやぶきやねの家から、るようなするどい目がキラッとこちらへ光った。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とおい、とおい、むかしのこと、ある武士ぶしが、このはまでかもめをました。しかし、は、すこしはずれて、片方かたほうつばさきずつけたばかしです。
はまねこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
M大尉エムたいいはおよそ二時間あまり熱心に研究しました。的をては、弾丸たまのあたった場所をしらべて研究すること、数十回におよびました。
国際射的大競技 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
ここおいせいぐんものをして、(五三)萬弩ばんどみちはさんでふくせしめ、(五四)していはく、『くれがるをともはつせよ』
まぶしいものが一せん硝子ガラスとほしてわたしつた。そして一しゆんのち小松こまつえだはもうかつた。それはひかりなかひかかゞや斑點はんてんであつた。
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
「かれくろがねうつわを避くればあかがねの弓これをとおす、ここにおいてこれをその身より抜けばひらめやじりそのきもよりで来りて畏怖おそれこれに臨む」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
眉深まぶかに鳥打帽をかぶっても、三日月形みかづきがたひさしでは頬から下をどうする事もできないので、直下じかりつけられる所は痛いくらいほてる。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
其処そこでぢや……松平大島守、やしきは山ぢやが、別荘が本所大川ほんじょおおかわべりにあるにり、かた/″\大島守か都鳥をて取る事に成つた。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
『太平記』に「雨の降るが如くにける矢、二人の者共がよろいに、蓑毛の如くにぞ立たりける」。一つはさぎくびに垂れたる蓑の如き毛のこと。
蓑のこと (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
六時、起きて雨戸をあけると、白いひかりがぱっと眼をた。縁先えんさきまで真白だ。最早もう五寸から積って居るが、まださかんに降って居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
その時だった! どこからともなく飛来した一本の短剣が、折りから栄三郎へかかろうとしていた岡崎兵衛の咽喉ぼとけに立ったのは……!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それから彼らは竹で弓を拵えて竹の矢に草の毒を付けて、それで動物をる事をやるです。それはなかなか巧みなものです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「そうですか。もうじきです。」三人はむこうをきました。瓔珞ようらくは黄やだいだいみどりはりのようなみじかい光をうすものにじのようにひるがえりました。
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
またいろひとるようにつよくらい相違そういで、そしてその総髪そうはつにしたあたまうえにはれい兜巾ときんがチョコンとってりました。
「おじいさん、ぼくを知らない? ほら、そこにあるのが、ぼくの弓。その弓で、ぼく、矢をるんだよ。あっ、天気がよくなったよ。お月さまも出た」
やがあめまつたれるとともに、今度こんど赫々かく/\たる太陽たいようは、ごと吾等われらうへてらしてた。印度洋インドやうちう雨後うご光線くわうせんはまた格別かくべつで、わたくしころされるかとおもつた。
三日みつかあひだ城内じやうないりでございまして、やうや歸宅きたくいたしますと町方まちかた病家びやうかから、見舞みまひ催促さいそくるやうで、其處そこをどうにかけてまゐりました。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「こんどは、きみが手をあげるばんだよ。でないと、こいつが、きみの心臓のまんなかをぬくからね。もうすこし、ぼくのうでまえを、お目にかけようか」
怪人と少年探偵 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ロミオ あゝ/\! こひめは始終しゞゅう目隱めかくしをしてゐて、けれども存分ぞんぶんそのまとをばとめをる!……え
明日霊銑むらの少年と湖辺に鼓噪こそうすると須臾しばらくして波湧き激声雷のごとく、二牛あいせるを見るにその一いとくるしんで腹肋皆白し、霊銑後の蜃にてると水血に変じ
ちらとまなこたるは火なり。こはいかに、われらの火燃えつきぬと叫べば、童ら驚ろき怪しみ、たち返えりて砂山の頂に集まり、一列に並びてこなたを見下ろしぬ。
たき火 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
溪間たにまの温泉宿なので日がかげり易い。溪の風景は朝遅くまでは日影のなかに澄んでいる。やっと十時頃溪向こうの山にきとめられていた日光が閃々せんせんと私の窓をはじめる。
冬の蠅 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
喜びて共に河辺かへんに至る。洋々たる水はさながら一大湖水をただよわし、前岸有れども無きが如くにして、遠く碧天に接し、上り下りの帆影、真艫まともに光をりて、眩きまでに白し。
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)
つきのすごくてひとるやうなるも威嚴いげんそなはれるかとうれしく、かみみちかくかりあげて頬足ゑりあしのくつきりとせしなど今更いまさらのやうにながめられ、なにをうつとりしてるとはれて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
思ひがけなき雪の夜に御封ごふう祖師そし利益りやくにて、不思議といのちたすかりしは、妙法蓮華経めうほふれんげきやうの七字より、一おとかまふちる水より鉄砲てつぱうの肩をこすつてドツサリと、岩間いはまひゞ強薬つよぐすり
東向きの腰高窓こしだかまどには、もう冬といっていい十一月末の日が熱のない強い光をつけて
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
また私は上の二つを落としてしまいました。三度目はただの一発で成功しました。お内儀さんは敷島の箱を六つ私の前に置いて『すみませんがこれでお帰り下さい』と言うのです。
悪魔の聖壇 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
だが、橘の顔はぞくぞくするほどの予感で、あおざめてその色をうしのうて行った。それは彼らがそのいのちの的をりあうために遠くにかけって行ったものに、毛毫もうごう相違なかったからだった。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
あるひはるやうな一瞥が、現し得るよりも強く、壓しつけられた熱情を現した。
私の知っている三河みかわの或る山村では、氏神うじがみの祭礼に金的きんてきあてる神事がある。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
破れた荒筵のあいだから黄金こがね火箭ひやのような強い光りを幾すじも込んだ。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
利をり、名をむさぼり、犯すべからざるの不品行を犯し、忍ぶべからざるの刻薄こくはくを忍び、古代の縄墨じょうぼくをもってただすときは、父子君臣、夫婦長幼の大倫も、あるいはめいを失して危きが如くなるも
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
若し窓辺によってるとして、的の下っている樹まで十メートルをへだて置きたらんには、中々あたることむつく、ことに風に樹のゆれて的のクルクル動き出すに於ては、更に難中の難であって
白銅貨の効用 (新字新仮名) / 海野十三佐野昌一(著)
彼等かれらいたゞいて裝飾さうしよくそのひかりれゝばことごとるやうにはつきりとしろした。ほとんど疲勞ひらうといふことをかんじないであらうかとあやしまれる彼等かれら益々ます/\きようじようじてすこ亂雜らんざつけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
させさらばとて西濱の港より友綱ともつなとき順風じゆんぷう眞帆まほ十分に引上ひきあげ走らせけるにぞ矢をる如く早くも中國四國の内海ないかい打過うちすぎ晝夜の差別さべつなくはしり晦日みそかの夜のこくごろとは成れり船頭せんどう杢右衞門はやうや日和ひより
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
〔評〕南洲守庭吏しゆていりと爲る。島津齊彬なりあきら公其の眼光がんくわう烱々けい/\として人をるを見てぼん人に非ずと以爲おもひ、拔擢ばつてきして之を用ふ。公かつて書をつくり、南洲に命じて之を水戸みとれつ公に致さしめ、初めより封緘ふうかんを加へず。
『ナニ、「るか」ですッて?』とあいちやんがひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
赤、黄、青、金、緑などの色がまばゆくみんなの顔をた。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「では、矢をることができるかね。」と、聞きました。
この二人のさまのことなるは、早くわが目をき。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
俊寛 わしをる気か。(身構えする)
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
たてならべてる、そのイナサの山の
てもゆくその銛を、止利
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
るごとく飛來とびきたる、やあ
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そののち新院しんいんはおとらわれになって、讃岐さぬきくにながされ、頼長よりながげて途中とちゅうだれがたともしれないられてにました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
公孫瓚こうそんさんは、味方をかえりみて、「果てしもない懸引き、思うに、敵の備えは虚勢とみえる。一息につぶして、盤河橋ばんがきょうをふみ渡れ」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それも、そのはずで、おじいさんはわか時分じぶんからゆみることが上手じょうずで、どんなちいさなとりでも、ねらえば、かならず射落いおとしたものです。
からすとかがし (新字新仮名) / 小川未明(著)