)” の例文
いずれにしても、ことであろうとは考えられない。にもかかわらず、身を迎えにゆだねて行くからには、武蔵にも覚悟はあるのであろう。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昨日よりいという日は別に来なかった。熱い茶をすすった後のいくらかハッキリとした心持で彼は自分の机に対って見た。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
多「日はいか悪いか知らねえが、わしが国を出たのが八月十五日で、店を出したのも十五日だから、大切の日を忘れねえ為め十五日にしましょう」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「何かい事が有るのだ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
妹の滋子が、ある朝、ゆめをみたことを姉にはなした。すると政子が「その夢を私に売っておくれ」と、何かのかたちで妹の夢を買った。
なるべく、縁起のにしようぜ。御幣ごへいをかつぐ訳じゃないが、物は縁起ということもあるし、お互い様に明日あすの首の座は分らない。こちとら、白浪渡世——
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どん底のおら達に、縁起がいもわるいもあるもんか。これより下はありやしない」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ふム……? では何か、余りい事ではないのだな」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
予想ははずれた。だが、い事のほうに違っていた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『なにかある。どうせ、いことではあるまいぞ』