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宜
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い
ふりがな文庫
“
宜
(
い
)” の例文
ハツ/\
何
(
ど
)
うも
御親切
(
ごしんせつ
)
に
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じます、
何卒
(
どうか
)
貴方
(
あなた
)
お
宅
(
たく
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
下
(
くだ
)
さいまし。金「
帰
(
かへ
)
らんでも
宜
(
い
)
いからお
喫
(
あが
)
りな、
私
(
わつし
)
の見て
居
(
ゐ
)
る
前
(
めえ
)
で。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あなたは三十三間堂も御嫌いか知らないが、私に聞かせるのだからいっしょに行って下すっても
宜
(
い
)
いでしょうと
手詰
(
てづめ
)
の談判をする。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今ならばこんな馬鹿げた事は
勿論
(
もちろん
)
なかろうが、
既
(
すで
)
にその時にも
亜米利加
(
アメリカ
)
人などは日本政府で払わなければ
宜
(
い
)
いがと
云
(
いっ
)
て居たことがある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
卓子
(
テーブル
)
の
側
(
そば
)
が
僅
(
わづか
)
に
少
(
すこ
)
しばかり
明
(
あか
)
るいだけで、
其
(
そ
)
の
外
(
ほか
)
は
電灯
(
でんとう
)
一
(
ひと
)
つ
点
(
つ
)
けず、
真黒闇
(
まつくらやみ
)
のまゝで
何処
(
どこ
)
を
何方
(
どちら
)
に行つて
宜
(
い
)
いかさツぱり
分
(
わか
)
らぬ。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
「さア、迎が来ました、又来月の今日、渋谷駅の八公の銅像の前で——逢引の場所は通俗な方が人目に立たなくて
宜
(
い
)
いでしょう、ウ、フ」
法悦クラブ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
食えない学校を卒業して、兎にも角にも
餒
(
ひもじ
)
い思いはしないのだから
宜
(
い
)
い。万事諦めている。しかし、せめてものことに、後世を益したい。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「貴娘内へ帰って、父様にこんな事を話しては
不可
(
いか
)
んですよ。貴娘の名誉を重んじて忠告をしただけですから、ね、
宜
(
い
)
いですかね、ね。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
緑雨はお抱えの俥が
毎次
(
いつ
)
でも待ってるから
宜
(
い
)
いとしても、こっちはわざわざ高い
宿俥
(
やどぐるま
)
で遠方まで出掛けるのは無駄だと思って
斎藤緑雨
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「連中の遣り口はそんなものです。所で獲物があったかしら……が、まあ夫れは
宜
(
い
)
いとして、あなたは失敗をなさいましたね」
西班牙の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「君、君、悲観しなくても
宜
(
い
)
いぜ。犯人は分っているのだから、そら向うから二人来るだろう、君はどっちが犯人だと思う?」
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
己
(
おい
)
らの
言
(
い
)
ふのは
嫁
(
よめ
)
さんの
事
(
こと
)
さ、
年寄
(
としよ
)
りは
何
(
どう
)
でも
宜
(
い
)
いとあるに、
夫
(
そ
)
れは
大失敗
(
おほしくじり
)
だねと
筆
(
ふで
)
やの
女房
(
にようぼう
)
おもしろづくに
御機嫌
(
ごきげん
)
を
取
(
と
)
りぬ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
洋食ではいけない、なるべくなら日本料理が
宜
(
い
)
いが、日本料理はないだろうかと思った。しかし、それは絶対に洋食が
厭
(
いや
)
と云うでもなかった。
港の妖婦
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
少しは
宜
(
い
)
いですか。大事になさい。僕の
家
(
うち
)
バカンボ誕生やはり女です。妻君発熱「猫」はかけないと思うたらすぐ下熱。まずまず大丈夫です。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
蚊帳です! もうこの蚊帳があれば今年の夏は煙い
辛抱
(
しんばう
)
をしなくとも
宜
(
い
)
いです。障子を閉めきらないでも宜いです。これを
蚊帳の釣手
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
「
誰方
(
どっち
)
が失敬だ……アラあんな事言ッたら
尚
(
な
)
お
故意
(
わざ
)
と
愚頭々々
(
ぐずぐず
)
しているよ。チョッ、ジレッタイネー、
早々
(
さっさ
)
としないと姉さん知らないから
宜
(
い
)
い」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
その成金の一人に、神戸に
上西
(
うへにし
)
亀之助氏がゐる。
懐
(
ふところ
)
加減が
宜
(
い
)
いだけに金の
蒐
(
かゝ
)
るものならどんな物でも好きだが、たつた一つ自動車だけは好かない。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
……しかもこの名探偵と共犯者の追求から救われ得る道は唯二つ『自殺』と『発狂』以外にないと言っても
宜
(
い
)
い位、その恐ろしさが徹底している。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
丁度
(
ちょうど
)
某氏
等
(
ら
)
が同じ夢を見た晩と同じ晩の同じ時刻に、その病人が『今、自分は、色んな人に
逢
(
あっ
)
て、色んな愉快な話をして来たので、
宜
(
い
)
い
心持
(
こころもち
)
になった』
取り交ぜて
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
拙者が
家
(
うち
)
だと思へば
宜
(
い
)
いハテ百年住み遂げる人は無いわサト痩我慢の悟りを開き
此所
(
このところ
)
の新築見合せとし田へ引く流に口を
漱
(
そゝ
)
ぎ
冗語
(
むだ
)
を
勞
(
つか
)
れの忘れ草
笑聲
(
わらひ
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
やっぱり
小父
(
おじ
)
さんが
先刻
(
さっき
)
話したようにした方が
宜
(
い
)
い。
明日
(
あした
)
また小父さんに
遇
(
あ
)
ったら、小父さんその時に少しおくれ。
蘆声
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
これは至極
宜
(
い
)
い案であるから、人名が多いか、
些
(
すく
)
ないか、精細に調べさせて見ようと相談はたちまち一決して早速人名録作成の人に補助することにして
幕末維新懐古談:47 彫工会の成り立ちについて
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
『
無論
(
むろん
)
お
前
(
まへ
)
には
解
(
わか
)
らないサ!』
帽子屋
(
ばうしや
)
は
輕蔑
(
けいべつ
)
するものゝ
如
(
ごと
)
く、
其
(
そ
)
の
頭
(
あたま
)
を
突
(
つ
)
き
出
(
だ
)
して
云
(
い
)
ひました。『
宜
(
い
)
いかい、
决
(
けつ
)
して
最
(
も
)
う
時間
(
じかん
)
の
事
(
こと
)
を
口
(
くち
)
にしないが
可
(
い
)
い!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「遺産なんか貰わなくても僕ァ、伯父さんの生きている方が
宜
(
い
)
いですよ。——なんだ十万や二十万の金なんぞ」
天狗岩の殺人魔
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
取替行るゝ事故請取も
糸瓜
(
へちま
)
も入ぬ譯なれど深切づくの
預
(
あづか
)
り物
生若
(
なまわか
)
い衆の御出に付
念
(
ねん
)
の爲
取
(
とら
)
ずとも
宜
(
い
)
い請取までサア御覽じろと差出すを各々取上げ
披
(
ひら
)
き見るに
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そのうち「だがね、どうも……だからよ、貰って置くから
宜
(
い
)
いじゃねえか……」というところを見ると
我が円朝研究:「怪談牡丹灯籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
フォン・エッセン男爵、もう
宜
(
い
)
い加減に、その黒眼鏡を
除
(
はず
)
されたら、いかがですかな。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「それなら
宜
(
い
)
いけれど、一度、友人の武田君か金田君かに見て貰っては何うだね」
友人一家の死
(新字新仮名)
/
松崎天民
(著)
それで澤山な報酬が得られる仕事とでも云ふのなら
宜
(
い
)
いけれ共、海とも山とも付かない不安な
界
(
さかい
)
へ又踏み込んで行つて、結局は
何方
(
どつち
)
へ
何
(
ど
)
う向き變つて行くか分らないと云ふ始末を思ふと
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
「行きますよ、行きさえしたら
宜
(
い
)
いんでしょう。なあに直ぐ解るこった」
上海された男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
それ見た事か。こっちとらが
宜
(
い
)
い所へ世話をしようと云うのに、一人娘だから出されぬのなんのと、面倒な事を言っていて、とうとうそんなことわり憎い壻さんが来るようになったと云うものもある。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「あ、
宜
(
い
)
がすちゃ、
宜
(
い
)
がすちゃ。」と、梅三爺は辞退して
土竜
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
奈何
(
どう
)
すりや
宜
(
い
)
いつてんだらうねえ。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
『御気分が
宜
(
い
)
い様ね?』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
もう
宜
(
い
)
いのかい。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
『
宜
(
い
)
いとも。』
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
ナニ板の古いのがありましたからチヨイと足を
打附
(
うちつ
)
けて置いたので。「
成程
(
なるほど
)
、
早桶
(
はやをけ
)
は
大分
(
だいぶ
)
宜
(
い
)
いのがあつたね。金「ナニ
是
(
これ
)
は
沢庵樽
(
たくあんだる
)
で。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「そんな事はどうでも
宜
(
い
)
いじゃありませんか。なんとかして、夜の明けない内に、あの野郎を取って押える工夫はありませんか」
銭形平次捕物控:282 密室
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「だから
宜
(
い
)
いじゃありませんか? お父さんが寝転んで新聞を見ていなさると直ぐに枕を持って行って上げるのは自分ですって」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
マア君達は元気が
宜
(
い
)
いから
遣
(
やっ
)
て
呉
(
く
)
れ、
大抵
(
たいてい
)
方角が付くと僕も
屹
(
きっ
)
と
遣
(
や
)
るから、ダガ今の処では何分自分で遣ろうと思わないと云う。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
おい、木村さん、信さん寄っておいでよ、お寄りといったら寄っても
宜
(
い
)
いではないか、また素通りで二葉屋へ行く気だろう——
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「自分の頭だから、どうだって
宜
(
い
)
いんだわ」と云ったが、さすが少しは気になると見えて、右の手を頭に乗せて、くるくる禿を
撫
(
な
)
でて見る。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
だつて僕は弱いもの。弱くても
宜
(
い
)
いよ。万燈は振廻せないよ。振廻さなくても宜いよ。僕が
這入
(
はい
)
ると負けるが宜いかへ。
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『平凡』の時は二度目の経験で筆が練れて来たと同時に「文学はドウでも
宜
(
い
)
い」という気になって、技術の慾を離れて自由に思うままを発揮したから
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「あの筏が
丁度
(
ちやうど
)
この山の
麓
(
ふもと
)
まで流れて来る間に
俺
(
おれ
)
はこゝから川端まで降りて行かれる。そして俺はあの筏に乗つて
家
(
うち
)
へ帰らう。さうぢや、それが
宜
(
い
)
い。」
山さち川さち
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
それから、
先
(
ま
)
ず寝転んで休むが
宜
(
い
)
いと隣の
間
(
ま
)
へ導いて、二度目に行ったら
最早
(
もう
)
見えなかった。で、聞き合わせてみようと思っていると死去の電報が来た。
取り交ぜて
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
「おい、なにがまだだい、
姐
(
ねえ
)
さん、ばかにしちゃいかんよ、俺はお前さんのおしきせを飲んでるのじゃないよ、が、まあ、
宜
(
い
)
い、黙って酒を持って来た」
港の妖婦
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「だッてそうじゃ有りません。
貴君
(
あなた
)
が貴君の考どおりに進退して良心に対して
毫
(
すこ
)
しも
耻
(
はず
)
る所が無ければ、人がどんな
貌
(
かお
)
をしたッて
宜
(
い
)
いじゃ有りませんか」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「あたし吉井村のお友達の家まで行って来るから、そのあいだお兄さまもお
寝
(
やす
)
みになると
宜
(
い
)
いわ」
殺生谷の鬼火
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
作るのは大分の入費で
夫
(
それ
)
は村から出し合て誰でも
無代
(
たゞ
)
で
入
(
い
)
れますのだが此頃新道を作る人足が大勢
入
(
はい
)
り込んで
宜
(
い
)
い湯治塲へ行た氣で
無代
(
たゞ
)
で湯へ
入
(
はい
)
り其上威張散して喧嘩を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
『
行
(
い
)
つても
宜
(
い
)
い』と
王樣
(
わうさま
)
が
申
(
まを
)
されました、
帽子屋
(
ばうしや
)
は
急
(
いそ
)
いで
法廷
(
ほふてい
)
を
出
(
で
)
ました、
靴
(
くつ
)
をも
穿
(
は
)
きあへず。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
“宜”の意味
《名詞》
(むべ)納得がいく様子。理に適っている様子。
(出典:Wiktionary)
宜
常用漢字
中学
部首:⼧
8画
“宜”を含む語句
便宜
宜敷
時宜
適宜
便宜上
禰宜
機宜
仲宜
本宜
便宜的
土宜
宜加減
宜道
神禰宜
御便宜
宜山
宜々
宜樣
御時宜
老禰宜
...