“刺(い)” の例文
文身(いれずみ)ひとつからだにきずをつけずに、今まで暮して来たのだ——長さんの名前だって、二の腕に刺(い)れやあしなかった——だけど、ねえ、太夫、おめえの名なら
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
左右に命じて、やにわに、何濤(かとう)の両腕を捉(とら)えさせ、その額(ひたい)に“○州へ流罪”と、一字空けの流人彫(るにんぼり)を刺(い)れさせたのだ。まるで、値段未定の半罪人の札を貼りつけたようなものである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はしけやしうるはしき花の色と香に刺(い)のある木とは思はれぬかな
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
刺(い)はあれどうるはしく咲く花うばら我は色なく老いてしぼむを
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)