)” の例文
木の根のぶるばたで、罐詰の空罐に植えた福寿草を、節くれだった黒い手でいじっているのなどは、いい調和です。
季節の植物帳 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
粗朶そだがぶしぶしとぶるその向座むこうざには、妻が襤褸ぼろにつつまれて、髪をぼうぼうと乱したまま、愚かな眼と口とを節孔ふしあなのように開け放してぼんやり坐っていた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
ある日私はいつものように自分の小屋の石のストーブで兎の肉をぶしていた。それがすっかり出来上がった時果実このみの絞り汁に充分浸して小屋から外へ出て行った。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
虚空をボツボツ飛んでゆく間から、三日月がぶし銀のように、冷たく光っている、嘉代吉や人夫の寝顔までが、月のうす明りで、芋虫のうす皮のように、透き徹って見える、崖の方を見ると
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)