)” の例文
新字:
されどいへ、汝はこれを己が財布の中につや。我即ち。然り、そをさまに何の疑はしき事もなきまで光りてまるし。 八五—八七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「何と云ふ弱蟲! かけの利かない古鍋、地金としてだつて誰も引取り手はあるまいな……」自分は、自嘲する。
湖畔手記 (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
うまのやうに乘上のりあがつたくるまうへまへに、角柱かくばしら大門おほもんに、銅板どうばんがくつて、若葉町わかばちやうあさひくるわてかゝげた、寂然しんとした、あかるい場所しまたからである。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
潰してた有名な文錢——だつたのです。
くちなは料理れうり鹽梅あんばいひそかにたるひとかたりけるは、(おう)が常住じやうぢう居所ゐどころなる、屋根やねなきしとねなきがう屋敷田畝やしきたんぼ眞中まんなかに、あかゞねにてたるかなへ(にるゐす)をゑ、河水かはみづるゝこと八分目はちぶんめ
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おほみそかは大薩摩おほざつまの、ものすごくもまた可恐おそろしき、荒海あらうみ暗闇やみのあやかしより、山寺やまでらがく魍魎まうりやういたるまで、みぞれつてこほりつゝ、としたてくといへども、巖間いはまみづさゝやきて、川端かはばた辻占つじうら
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)