“鑄釜”の読み方と例文
読み方割合
いがま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの時、鑄釜いがまなら、値段も安くて、どこにでもあつた。然し時によると熱湯の勢ひで破裂することがあると云ふので、鐵をうち鍛へさせることにした。
義雄は、蟹の大きなゆで釜を、鑄釜いがまでなく、鐵の厚板で打たした經驗を得てからと云ふもの、鐵のかな臭いにほひが忘れられず、鐵の響きを聽くと、自分の精神が響いてゐる樣な氣がする。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)